2016年12月20日 (火)

News Up 好きなことを貫け!"マイクラ職人"の子どもたち

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世界で1億人以上が利用していると言われる人気のゲーム「マインクラフト」。バーチャルの世界でブロックを積み上げて建物を作るなどして遊ぶゲームで、日本では「マイクラ」の愛称で親しまれています。このゲームを通じて、歴史的に価値のある建物を忠実に再現することで、不登校の子どもに才能を発揮してもらおうという取り組みを、東京大学などが始めます。取り組みを通して、子どもたちに伝えたいメッセージとは?

バーチャルの積み木

スウェーデンのゲーム会社が開発したマインクラフトは2009年の発売以来、パソコンやスマートフォンなどでダウンロードされた回数が1億回を超え、世界的なヒットになっています。2年前にはアメリカのIT企業、マイクロソフトがこの会社を買収したことでも注目を集めました。

ゲームの世界では木や土、岩、動物など、すべてが立方体のブロックで出来ていて、集めたブロックを自由に積み上げて建物を作るなどして遊ぶ、「バーチャルの積み木」とも言われるゲームです。

国や企業なども注目していて、デンマークとイギリスの国家機関がブロックで自国の領土を忠実に再現したほか、ブロックで洗練された町並みを作って、そのデータを販売する会社もあるということです。
インターネットの動画投稿サイトには、建物を作る動画が数多く投稿されているほか、最近では、学校の授業に活用しようという動きも盛んになっています。

不登校の子の才能を伸ばす

不登校の子の才能を伸ばす

東京大学の先端科学技術研究センターと日本財団が行っている「異才発掘プロジェクト」では、不登校の子どもの中にマインクラフトに熱中している子が多いことに着目し、そうした子どもたちに才能を発揮してもらおうと、「マイクラ職人」と名付けて募集することにしました。

「異才発掘プロジェクト」は学校になじめなかったり、不登校になったりしている小中学生の中から、並外れた興味や関心、それに優れた才能を持つ子どもを選抜して育てていこうと、2年前に始まり、現在は小学校3年生から高校2年生までの59人が参加しています。子どもたちは専門家のサポートを受けながら、自分の興味や関心を突き詰めたり、月に1回から2回程度集まって、さまざまな分野のトップランナーから話を聞いたりして学んでいます。

プロジェクトでは選抜されている子どもたちとは別に、新たに「マイクラ職人」を募集し、歴史的に価値のある建物を再現してもらうことにしています。学校生活になじめず自信を失ったり、ゲームに熱中していることを親から責められたりしている子どもたちに、好きなゲームで思う存分、才能を発揮してもらい、周囲を驚かすような作品を作ることで、自信を取り戻してほしいと考えています。

プロジェクトの責任者を務める中邑賢龍教授は「こうした子どもたちには将来、好きなことを仕事にしてもらいたいと考えていて、取り組みを通じて、そのヒントをつかんでほしい」と話しています。

好きなことをとことん貫け

好きなことをとことん貫け

19日はマインクラフトに興味がある子どもや保護者を対象にしたセミナーが開かれ、およそ500人が参加しました。
この中で、ゲームで忠実に再現した東京大学の安田講堂が公開されました。

建築が専門で、この取り組みを担当する田口純子特任研究員によりますと、大規模な建物を作るにはブロックを積み上げるといった単純な作業を何度も繰り返さなければならず、効率的に建物を建てるためにゲームの中のロボットをプログラミングで動かす必要があるということです。田口さんは、安田講堂の実際の図面を基に、プログラミングでブロックを何個積み上げるといった指示を1000体ものロボットに出して、1か月ほどかけて安田講堂の建物を再現しました。また、建物の外観だけでなく、建物の内部や地下、電気配線や水道なども作り込んでいくことができますが、こだわればこだわるほど作業量が膨大になっていくということです。

田口さんは「周囲を驚かせるような作品を作るには、相当やり込まなければいけません。好きなことで生きていきたいのであれば、とことんやり込め、貫けという厳しさも、子どもたちに伝えたい」と話しています。

好きなことを突き詰めた先に

異才発掘プロジェクトで好きなことを突き詰めていった子どもは、その先どうなるのかと、中邑教授に尋ねたところ、逆にこんな質問を返されました。

「今、こつこつと受験勉強をやって、難関の大学に合格する学生は将来どうなるんですか?」

中邑教授は従来の学校教育の重要性も認めたうえで、学校に行かずに好きなことを追究する子どもも受け入れられる社会であるべきだと考えています。

中邑教授は「プロジェクトに参加している子どもの多くは学校に行っていませんが、自分で課題を見つけて好きなことをやっています。こちらからすると、意味のないように思えることでも、何でやっているのかと理由を聞くと、『好きだからです。悪いですか』と答える強さがあります。とことんやり抜く経験は将来、必ず生きてくると思います」と話していました。
          

 

投稿者:かぶん |  投稿時間:13:31  | カテゴリ:文化のニュース
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