2016年12月26日 (月)

将棋 "三浦九段の不正認める証拠なし" 調査委発表

K10010820201_1612261514_1612261514_01_02.jpg

将棋の三浦弘行九段が対局中に将棋ソフトを不正に使った疑いがあると指摘された問題で、日本将棋連盟が設けた調査委員会は、「不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない」と発表しました。その一方で、連盟が年内の出場停止処分にしたことについては、竜王戦の開幕を前に緊急性があったとして妥当だったとしています。

日本将棋連盟は、三浦弘行九段が対局中に席を離れることが多く、将棋ソフトを不正に使った疑いが出ているとして、ことし10月、聞き取りを行ったうえで年内の公式戦の出場停止処分を決めました。これに対して三浦九段は、NHKのインタビューで「決して不正はしていないので、処分を受けるいわれはない」などと話していました。

連盟はその後、3人の弁護士による第三者調査委員会を設けて疑惑の対象となった4つの対局について調査を続け、26日に但木敬一委員長などが調査結果を発表しました。それによりますと、不正の根拠の1つとされた夕食休憩後の30分におよぶ離席については事実がなく、将棋ソフトが示す指し手との一致率が高いという指摘についても、分析ごとにばらつきがあるうえ、同じ程度の一致率はほかの棋士にも見られるとして、不正の根拠にはならないとしています。

さらに、三浦九段が提出したスマートフォンやパソコンには不正行為をうかがわせる痕跡は確認されなかったということで、「疑惑の根拠として指摘された点はいずれも実質的な証拠価値に乏しく、不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はない」と結論づけました。

その一方で、連盟が行った処分については、「竜王戦の開幕を数日後に控えて高い必要性・緊急性があり、当時の判断としてはやむを得なかった」などとして、妥当だったとしています。

調査委員会は、報告書を連盟に提出し、「三浦九段を正当に遇し、実力をいかんなく発揮できるよう環境を整えてほしい」と要望しています。今回の調査結果について、三浦九段と日本将棋連盟は、それぞれ、27日に記者会見を開くことにしています。

出場停止 三浦九段への影響は

三浦九段は、ことし10月に年内の公式戦の出場停止処分を受け、その後の対局に出場できなくなりました。三浦九段は七大タイトルの1つ「竜王戦」の挑戦者に決まっていましたが、開幕直前に出場しないことになり、竜王戦は挑戦者が変更される異例の事態となりました。

三浦九段はこのほか、10人のトップ棋士が「名人戦」への挑戦権をかけて戦う「A級順位戦」のリーグ戦に参加していましたが、先月と今月の2つの対局がいずれも不戦敗となりました。A級順位戦では、リーグ戦で成績下位となった2人の棋士が次期はB級に降格します。

三浦九段は不戦敗も含めて1勝5敗となり、今後、残りの3局を戦うことになります。このほか先月には、「王位戦」の予選トーナメントも不戦敗となっています。

調査委「ソフト向上で未曽有の危機」

調査委員会は報告書の中で、「将棋ソフトの棋力の向上により今や将棋連盟は未曽有の危機に直面している」と指摘しています。

報告書では「将棋ソフトの棋力が最強の棋士と互角となり、これをりょうがする勢いとなった時代を迎え、対局者が将棋ソフトを使うのではないかという疑心暗鬼がプロ棋士の心の中に生じてきたことを見逃すことはできない」としたうえで、「将棋というわが国の精神文化を内部から腐食させてしまう危険を感じざるをえない」と指摘しています。

そのうえで「対局したプロ棋士に疑心暗鬼を生じさせない合理的システムを構築する必要に迫られている」として、対局場に電子機器を持ち込まないようにする具体的な方法や不正に対する処分などのルール作りを早急に整備すべきだと提言しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:15:14  | カテゴリ:文化のニュース
コメント(0) | トラックバック (0)


トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント(0)

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲