2017年02月09日 (木)

News Up 電話からネットへ 世代超えて伝わる民話

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動物と人との不思議な交流や、とんちの効いたおかしな話、ちょっぴり愛きょうのある妖怪の話など、子どものころ、わくわくどきどきしながら、そんな民話を絵本で読んだり、読み聞かせしてもらったりした思い出はありませんか?民衆の生活の中から生まれ、口伝えで語り継がれてきた民話。全国各地の民話を、電話で聞くことができるサービスがあることをご存じでしょうか。30年以上続くこのサービス、今ではインターネットのサイトでも楽しめるようになり、子どもから大人まで人気を集めています。

電話で民話を スタートは36年前

仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、松山、福岡の全国8か所の電話番号にかけると、全国各地の民話が聞けるこのサービス。
名古屋市に本社がある、パンを製造販売するフジパンが、36年前の昭和56年から続けています。

フジパンのパンのパッケージの裏側には、「民話が電話で聞けるよ!」と書いてあります。子どものころ、何度か電話をかけて民話を聞いたことがありましたが、まさか、今も続いているとは思いませんでした。
久しぶりに電話をかけてみると、「フジパンがお送りする『とんと昔あったとさ』、今週のお話は山形県に伝わる・・・」というアナウンスが流れ、民話がスタートしました。
それぞれ1話分の語りは5分程度で、アニメなどでもおなじみの声優が、方言をいかして魅力的に語っています。

どの地域の番号にかけても流れるのは同じ内容の民話です。
フジパンによりますと、サービスを始めたばかりのころは、電話番号は名古屋、東京、大阪の3か所のものしかありませんでしたが、携帯電話がなかったころ、固定電話で遠い地域からかけると通話料金が高くなるため、少しでも安く楽しんでもらおうと、徐々に各地の電話番号を増やし、今の8つの地域になりました。

電話で民話を スタートは36年前

文化的な貢献を 2代目社長の思い

なぜ、パンを製造販売している会社が民話を伝える取り組みを始めたのでしょうか?
フジパンは大正11年に、パンや和洋菓子の製造販売を始めた金城軒が、その前身で、昭和26年に、今のフジパンになりました。

電話で民話を伝えるサービスは、2代目の社長、舟橋正輝さん(故人)が思いつきました。
太平洋戦争後に、小学校の代用教員として、子どもたちを教えていたこともあるという舟橋さんが「パンの製造だけではなく、子どもたちに文化的な貢献をしたい」と考えたのがきっかけでした。

利用者減少 そこで・・・

利用者減少 そこで・・・

電話で民話を紹介するサービスが最も利用されたのは、昭和60年ごろでした。
1日に1万件近く電話がかかり、多くの子どもたちが民話を聞きました。
その後、次第に利用者は減っていきましたが、インターネットの普及によって、平成12年に新たなサービスが始まりました。
インターネットのサイトにテキストとして民話を掲載するとともに、電話で流していたのと同じように、民話を音声で紹介する「民話の部屋」です。
サイトでは、現在、全国各地のおよそ580の民話が、テキストと音声で紹介されています。

親になった今 子どもたちと

民話の部屋のサイトには、多くの人の声が寄せられています。
「何気なくパンの包装の裏に書かれた『民話が聞けるよ』を目にして、かけた電話。あのときの感動は忘れません。毎週の更新がとても楽しみです」
「私が子どものころにパンを食べると、袋の裏側に昔話が聞ける電話番号が書いてあり、楽しみでよくパンを買ってもらっては、電話をかけてお話を聞くのを楽しみにしていました。今もあると知って、懐かしくてほっこりした気分になりました。子を持つ親になったので、いろいろな昔話を聞かせてあげたいです」。
「子どもの頃、姉と電話をかけてお話を楽しんだことを覚えています。母となり、わが子に聞かせてあげられることをうれしく思います。過去に自分が電話で聞いた懐かしいお話もパソコンからさらに便利に聞かせてあげられるのもありがたいです」

子どものころ、電話をかけて民話を聞いていた世代が大人になり、今ではネットで、子どもに民話を聞かせる立場になったという声が多く寄せられています。
36年という長い間続けてきた取り組みが、親子2代に親しまれているようです。

ネットでさらに広がりが

ネットでさらに広がりが

サイトでは、都道府県別や「妖怪と怪談」「動物の恩返し」「異界訪問」など、ジャンル別に民話を検索することが可能で、スマートフォンでも楽しむことができます。
サイトを開設して17年、アクセスも好調です。
フジパンによりますと、現在1か月間のページビューは10万から11万に上っていて、サイトを始めたころと比べて、アクセス数は20倍にまで増えているということです。
特に平成23年に、毎週1話ずつ新しい民話を更新したり、操作を使いやすくしたりした結果、アクセス数が増えたということです。

フジパンは「民話は伝承していくことが大切です。民話という日本各地に伝わる文化的な財産をこれからも伝えていくので、ぜひ民話を楽しみにしてほしい」と話しています。

ふるさとや、大学や転勤先で住んだことのある地域の方言を交えた民話を聞いて、昔懐かしい方言の響きを楽しんだり、地域に伝わる伝説などを学んだりしてみてはいかがでしょうか。
こうした取り組みによって、各地の民話が消えることなく、後世までずっと語り継がれていくと思います。
           

投稿者:かぶん |  投稿時間:13:20  | カテゴリ:文化のニュース
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