2017年03月24日 (金)

神山健治監督 新作アニメに込めた思い

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現在公開中のアニメーション映画、『ひるね姫~知らないワタシの物語~』。
「ひるね」がキーワードになった不思議な物語です。
監督は世界に多くのファンを持つアニメーション監督の神山健治さんです。
東日本大震災のあと、アニメやファンタジーの意味を再考したという神山さんに新作への思いを聞きました。

″ひるね″が得意 少女の成長物語

アニメーション映画、『ひるね姫~知らないワタシの物語~』。
主人公は、眠ることが特技だという高校3年生のココネ。
物語の舞台は、2020年の岡山県倉敷市です。
ココネは、幼いころに母を亡くし、自動車の整備工場を営む父親と、2人暮らしをしています。
東京オリンピックが3日後に迫った日、事件が起きます。
父親が、大手自動車メーカーの機密情報を盗んだ疑いで逮捕され、東京へ連れて行かれてしまうのです。
父親の無実を信じるココネは、その疑いを晴らそうと、あとを追って東京を目指します。
どこでも眠ることができるココネ。
物語には、彼女が見る夢の世界が大きく関わってきます。
夢に出てくる不思議な国で、ココネは、父親とともに化け物に立ち向かっていました。
実は、そんな夢の中のできごとが、現実世界の事件を解決するヒントになっていたのです。
夢と現実の世界を行き来し、事件の真相に迫る中で、少しずつココネは成長していきます。

東日本大震災以降のアニメとは

この不思議な物語を生み出したのが、アニメーション監督の神山健治さん。
これまで、本格的なSF描写や、社会問題を反映した作品を数多く発表。
独自の信念を持って戦う、強いキャラクターを描いてきました。
しかし今回は、あえて平凡な女子高校生を主人公にしました。

(神山監督)
『東日本大震災以降ですね、世の中の気分といいますか、アニメーションやファンタジー作品というのをどう作っていくべきなのかというですね。
何も起きない平和というか、それ自体がもうファンタジーになってしまったというか』

このつらい現実の中で、自分の作品は世の中の役に立つのかと悩んだ神山監督。そんな監督の背中を押したのは、「自分の娘に見せたい映画を撮ってみては」という提案でした。
特別な力を持つ主人公ではなく、平凡な女の子ココネが、勇気を出して道を開いていく物語にしたのです。

(神山監督)
『一歩、いま思っていることに対して行動してみようということは、ココネというキャラクターに込めている部分ではあるんですよね.今思ったことを、ちょっとだけすぐ行動に移してみるというか、そうすることで何かが見つかってくるのかなと』

自分のルーツを知る意味

この作品は、主人公のココネが一歩前に踏み出すことで、これまで知らなかった自分のルーツに気付く物語でもあります。
両親と深いかかわりを持つ、大手自動車メーカーの会長。
そこで両親たちの過去が明らかになっていきます。
ココネを演じた俳優の高畑充希さんは、この作品は、見る人をあたたかい気持ちにしてくれると言います。

(高畑さん)
『根底には家族、ココネと父、母と、おじいちゃんの話が本当にベースにはずっと流れているので、家族の話と受け取る人ももちろんいるし、途中やっぱり神山さんならではのメカとかすごいことになっているから、そういう部分を楽しむ人もいるだろうし、それぞれがそれぞれに受け取るものがあっていい作品なんじゃないかなと思いましたね』

(神山監督)
『自分の両親って、生まれたときからお父さんお母さんだと思ってますよね。
だけどあるとき、自分の両親にもストーリーがあるし、それがさらに上の世代からも伝わってきているというかね.自分が今ここにいるというのは、こういうストーリーがあってのことなんだっていうかですね.今までやっぱり何も考えていない、ほわーっと暮らしていた彼女が、ひとつそれを知ることで前進したんじゃないかと思いますね』

高畑さんは、インタビューの中で、「エンドロールで席を立たないで」と話していました。エンドロールまで見ると、その謎がとけるということで、それだけ、いろんな仕掛けがちりばめられている作品です。

投稿者:かぶん |  投稿時間:19:07  | カテゴリ:文化のニュース
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