2017年1月6日(金)

トランプ次期大統領 トヨタに矛先

鈴木
「ツイッターで発信される、アメリカのトランプ次期大統領のことば。
今度は、日本企業に批判の矛先が向けられました。」

河野
「ターゲットになったのは、『トヨタ自動車』です。
内外に波紋が広がっています。」

日本企業が標的に 波紋広がる

アメリカ トランプ次期大統領
「アメリカの労働者を守る!」

アメリカ トランプ次期大統領
「『アメリカを再び偉大にする』だよ。
いいね、わかる?」


 

「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ次期大統領。
その矛先が、ついに日本企業にも向けられました。
ツイッターに書き込まれたメッセージには…。

“トヨタが、アメリカ向けのカローラを生産するためメキシコに新しい工場を作ると言った。
とんでもないことだ。
アメリカ国内に工場を作らないのならば、高い関税を払うべきだ。”

トランプ氏の発言は株価にも影響しました。

今日(6日)の東京株式市場では、トヨタの株価が一時、昨日(5日)の終値より、率にして3.1%の下落。

また、マツダは4.1%、ホンダは3.2%、日産自動車は2.8%、下落するなど自動車メーカーの株式が売られる展開となりました。

“NAFTAが米国内の雇用奪う”

今回のトランプ氏の投稿の根底にあるのが、NAFTA=北米自由貿易協定の存在です。

この協定により、2008年までにアメリカ、カナダ、そしてメキシコとの間では関税が撤廃されました。

このためトランプ氏は、アメリカの企業が人件費の安いメキシコへ生産拠点を移していると批判。
NAFTAが国内の雇用を奪っているとして見直しを訴えているのです。

さらに、アメリカの企業が国外に移転した工場から輸入する製品には、35%の関税をかけると警告しています。





そのトランプ氏。
先月(12月)、アメリカの空調機器メーカーを視察。
従業員の前で…。


 

アメリカ トランプ次期大統領
「NAFTAは最悪だ!」



 

実はこのメーカー、NAFTAの仕組みを利用して、コスト削減のためにメキシコに工場を移す計画でした。
しかし、トランプ氏から繰り返し批判をうけ、それに屈した形で移転を取りやめました。




さらに、大手自動車メーカー「フォード」も3日、日本円で1,900億円を投じてメキシコに建設するとしていた新工場の計画撤回を発表しました。

トヨタ自動車 “見直し予定ない”

そして今回、トランプ氏の矛先が向けられたトヨタ。
メキシコで新工場の建設計画を進めていて、再来年(2019年)の稼働を目指し、去年(2016年)11月に起工式を終えたばかりです。
豊田章男(とよだ・あきお)社長は昨日、トランプ氏の書き込みに先だち、現時点で計画を見直す予定はないという考えを示していました。

トヨタ自動車 豊田章男 社長
「『工場建設』『製品を出す』、ひとたびやった以上、そこに雇用と地域社会への責任がある。」 

その上でトヨタは今日、書き込みについて、「メキシコの工場はアメリカから移転するものではなく新たに作るものであって、現在のアメリカ国内の生産の規模や雇用が減ることはない。アメリカに10の工場と13万6,000人の従業員を抱えていて、トランプ新政権と協力していくことを楽しみにしている」とコメント。
豊田社長は来週、アメリカのデトロイトで開かれるモーターショーに出席し、メキシコ工場の建設計画について理解を求めるメッセージを発信するなどの対応を検討しています。

メキシコに進出企業 懸念の声が…

メキシコに進出している日本企業はおよそ1,000社。
トランプ氏の批判に懸念の声も聞かれました。
愛知県のこちらの自動車部品メーカー。
5年前、メキシコに工場を設立し、トヨタなどに部品を納めています。
トヨタが計画している新しいメキシコ工場が稼働すれば、ビジネス拡大につながると期待していただけに、今後の影響を懸念しています。

イイダ産業 飯田耕介 社長
「われわれもトヨタが出てくるということでいろいろ準備しているし、やっぱりここで出ないとなったら影響は大きい、不安。
なんとか踏みとどまってほしいと思う。」


 

ほかの自動車メーカーからは…。

日産自動車 カルロス・ゴーン社長
「(新政権に移行する)1月20日からの政策をみな注視している。
NAFTA(北米自由貿易協定)が変わるなら、新しいルールに適応する。」


 

一方で、このような声も…。

日本電産 永守重信 社長
「常時、そういうリスクがあることを前提に、工場の分散を世界各地でやっている。
アメリカにも工場を持っているし、場合によって逆にメキシコから移管する可能性もある。
ない方がいいかもしれないが、あったとしてもそんなに深刻な問題ではない。」

どうなるNAFTA 日本企業は?

NAFTAの見直しは、実際に進むのか?
専門家は、見直しにはさまざまな手続きがあり、すぐには進まないと見ています。

三井物産戦略研究所 山田良平 主席研究員
「アメリカが関税を引き上げたいと言えば、メキシコ・カナダも同じことを言う可能性がある。
そう簡単に交渉は終わるものではない。
さらに再交渉が終わったとしても、もう1回、議会に持ち帰って批准する必要が生じてくる。
いくつかのハードルがあると言える。」
 

では今後、日本企業はどう対応していけばいいのでしょうか?

三井物産戦略研究所 山田良平 主席研究員
「在米での日系企業の貢献をアピールしていくしかないと思う。
雇用も現地で80万人以上創出している。
そうした貢献を、新政権やワシントンの中で説明していくことがいちばん重要。」

“トランプ砲” 一方的な警告は疑問

鈴木
「“トランプ砲”とも言われるツイッターが放たれたのは、日本時間のけさ3時すぎだったんです。
ですから今後も、早朝から突然驚かされることがたびたびありそう。」

河野
「先ほどの専門家によると、関税の引き上げはそんなに簡単ではないということでしたが、それでもアメリカの大統領から標的にされて、しかもツイッターで一方的に警告されるというのは、言ってみれば、どう喝を受けるようなものですよね。
アメリカで活動する日本企業を中心に、落ち着かない日々が続くことになりそうです。」

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