2017年3月13日(月)

森友学園 私学審議会長“審査めぐり異例の経緯”

鈴木
「学校法人・森友学園の籠池(かごいけ)理事長が目指した小学校の開校。
その認可について議論してきた大阪府の審議会の会長がNHKのインタビューに応じ、審査をめぐる異例の経緯を証言しました。」

 

河野
「この問題について、詳しく解説します。
まずは、大阪府議会の動きから見ていきます。」

大阪府議会 参考人招致 “応じる”一転“応じない”

国会での参考人招致が焦点となっている「森友学園」の籠池理事長。
先週の記者会見では…。

「もし声がかかったら籠池理事長が国会で話す用意が?」

森友学園 籠池理事長
「招致がある、私は民間人ですんでね。
いまのところ国会招致に応じる気持ちはない。」


 

その参考人招致をめぐって今日(13日)、大阪府議会で動きが…。

自民党 大阪府議団 杉本幹事長
「森友学園の籠池理事長と、私学審議会の会長の梶田会長、参考人として府議会に来てもらいたい。」



 

大阪府議会・自民党が、籠池理事長らの府議会への参考人招致を求めたのです。

自民党 大阪府議団 杉本幹事長
「籠池理事長に参考人として来てもらい、聞く事柄が(国会とは)違うので。
(私学審議会の)『条件付き認可適当』という判断が正しかったのか正しくなかったのか、そういうところを明らかにすべきだと。」

府議会・自民党の求めに対し、籠池理事長は…。

自民党 大阪府議団 杉本幹事長
「『そういうことであれば、ぜひ府議会へ行って思いを話させてもらう』と回答があった。」

ところがその後、籠池理事長は自民党府議団に対し、今の時点では参考人招致に応じない考えを伝えたということです。

5つのテーマで検証 “認可のキーマン”語る

鈴木
「森友学園をめぐって、これまでどんな疑問が浮かび上がっているのか、まとめました。」

三條リポーター
「疑問点は5つのテーマで見ていきます。」

鈴木
「こうして並べると、改めてその疑問点の多さがわかりますね。」

三條リポーター
「まず、問題の発端となったのが、国有地の売却をめぐる疑問です。

鑑定価格9億5,600万円に対して、売却額は1億3,400万円。
その差は8億円余り。
なぜ、これだけの値引きが行われたのか、不可解だという声が上がっています。
この土地に建てる小学校の総事業費についての疑問も指摘されています。
3つの異なる契約書が作られていました。
 

国への報告ではおよそ23億8,000万円、大阪府へはおよそ7億5,000万円。
また、大阪空港を運営する会社にはおよそ15億円5,000万円とする契約書が提出されていました。
なぜなのでしょうか。
大阪府の松井知事は、こう話しています。」

 

大阪府 松井知事
「1つは国の補助金をたくさんもらうために、大阪府には私学の認可取るために安めの契約書が出てた。
理事長サイドからの指示で、3種類の契約書が作り上げられたのだろう。」


 

鈴木
「そうだとすれば、ひどい話ですね。」

三條リポーター
「さらに、政治家との関係についてです。

小学校の名誉校長に、安倍総理大臣の妻の昭恵氏が就任していました。
また、森友学園は、鴻池元防災担当大臣側に土地の価格の引き下げをめぐって国に働きかけを依頼したのではないかと指摘されています。」

鈴木
「鴻池氏も面会したことは認めていますよね。」

三條リポーター
「『コンニャク』という隠語が話題にもなりましたよね。」

鈴木
「お金の束のことでしたよね。」

三條リポーター
「鴻池氏は、面会した事実は認めていますが、国に交渉したことはないと強調しています。
教育内容についても、さまざまな指摘が上がっています。

例えば、森友学園が運営する幼稚園で『安保法制、国会通過よかったです』と、昨年度の運動会で子どもたちが選手宣誓でこう言っていました。
また、保護者からは、『“ヘイト文書”を配布された』と。
在日韓国人や中国人に対する民族差別的な表現が含まれていたということなんです。
そして、最後はこちら。

なぜこの小学校が条件つきとはいえ、開校する寸前までいったのか。
ここにも実は多くの疑問があるんです。
この学校、小学校で教えた経験がある人は2人しかいなかったんです。
今回、認可のキーパーソンに話を聞くことができました。」


 

森友学園の小学校を認可するか議論してきた、大阪府の私学審議会の梶田叡一(かじた・えいいち)会長です。
まず、小学校の教員の体制は、審議会でも議論になったことを認めました。

大阪府 私学審議会 梶田叡一会長
「ほとんど全員が幼稚園の経験しかなくて、そして小学校の経験がない。
小学校としての授業のやり方に慣れていないとダメ。
それをほとんどの先生が経験がない人でやるのは、『本当に何を考えているのか』という、疑問を通り越した驚きの声も委員から出た。」

一方の籠池理事長。
取材に対して、むしろ小学校での経験が少ない教員のほうが望ましいと持論を述べていました。

森友学園 籠池理事長
「幼児教育を経験した人を、私の方は重点的に置いているということ。
小学校の免許は持っていますよ。
(小学校で)長い間経験されていないほうが、私たちの校風に合うように一緒になってカラーをつけていく(ことができる)。」


鈴木
「『カラーをつけていく』とはいっても、小学校は義務教育ですし、そこでの指導経験がない先生がほとんどというのは、学校としてどうなのかと感じてしまいますよね。」

三條リポーター
「さらに今回の小学校、3年前に設置の申請が行われた時点では、土地の契約がまだだったんです。
これについて、私学審議会の梶田会長は…。」

大阪府 私学審議会 梶田叡一会長
「新しい私立の小学校・幼稚園が、土地がないままで申請書類が出てくるのは普通ありえない。
これは、まあ前例のない話。
もう一つは資金計画。
手持ちの資金が、普通に学校を作る時に比べれば大幅に足りなかった。」

鈴木
「見れば見るほど、条件付きとはいえ、なぜ認可が適当とされたのか、疑問は深まるばかりですね。」

三條リポーター
「さらに、これまで報じてきたように“有名私立中学への推薦枠”があるとされていたんですが、実際にはありませんでした。
それでもなぜ、一昨年(2015年)の1月に『条件付きで認可適当』との判断が下ったのでしょうか。」

大阪府 私学審議会 梶田叡一会長
「設置認可の条件がいくつかある。
それに一応、書類上合致していたら、認可しないとは言えない。」

「『認可適当』の答申、認可しそうになったこと自体が特別扱いなのではないか?」

大阪府 私学審議会 梶田叡一会長
「大阪府の事務方の中でも大きな教訓だろうと思う。
証拠を持っているわけではないが、時々、国でも、都道府県でも、市町村の行政でも、大きな力がどこかから働いて、住民全体の公平・公正な幸せのためにやらないといけない行政が、ちょっとおかしいよなってことが時々ないわけではない。
そういうことをチェックするのがわれわれだったはず、審議会。
それが結果として十分にやれていたのだろうか。」

三條リポーター
「今回の事態を受けて梶田会長はこれまで非公開だった私学審議会の議論を原則公開して、チェック体制を強化する考えを示しました。」

鈴木
「そして国会でも、『国有地の売却』や『3つの契約書』をめぐって論戦となりました。」

論戦 参院予算委 “土地売却”“異なる契約書”

今日の参議院予算委員会。
国有地が安く売却されたことをめぐって…。

民進党 川合政調副会長
「国有財産近畿地方審議会、大阪府の私学審議会の判断を前提として、認可することについて確認されたとの議事録。
この審議会で決定した金額は値引き前の金額。
実際、8億円以上の値引きすること、審議会委員がご存じないとの話が伝わっている。」

財務省 佐川理財局長
「その地方審議会で議論いただいているのは、処分の相手方、それから処分の方法。
適正な時価で売却することになっているので、価格については時価で売却した。」


 

民進党 川合政調副会長
「ということは、審議会委員に値引きをすることは諮っていないということか。」

財務省 佐川理財局長
「適正な時価で売却することは地方審議会の前提。
27年2月の地方審議会、新たな埋設物は28年3月。
その件について27年2月の時点で諮っていない。」

また、小学校建設の総事業費をめぐる、金額が異なる3つの契約書について…。

日本維新の会 浅田政調会長
「明らかに、できるだけ多くの補助金をもらうため、意図的に水増しして申請したと思われる。
これに対し、補助金詐欺で訴えるべきだと思うが。」


石井国土交通相
「先週金曜日に、補助金の申請代理人を呼びヒアリングを行った。
現段階では不正な申請があったとの事実は確認されていないが、不明な点が多く残るとの報告を受け、引き続き事実関係の確認行うよう改めて指示。」

 

また、民進党は稲田防衛大臣に対し、籠池理事長との関係をただしました。

民進党 小川参院議員会長
「具体的な訴訟について『大臣に訴訟代理受けてもらった』と述べているが。」



 

稲田防衛相
「共同で事務所をしているので委任状が共同になっていることはあるかもわからないが、裁判を行ったこともなく、法律相談を受けたこともない。
10年ほどからまったく会ってないし、関係は断っている。」

 

NHKが今月(3月)10日から3日間行った世論調査。
大阪・豊中市の国有地が森友学園に鑑定価格より低く売却されていたことについて、ごみの撤去費用を差し引いたものだという国の説明に納得できるか聞きました。

「大いに納得できる」が2%、「ある程度納得できる」が10%、「あまり納得できない」が31%、「全く納得できない」が49%でした。
豊中市の国有地の売却をめぐり、野党側が森友学園の籠池理事長らの国会への参考人招致を求めているのに対し、与党側は、違法性が明らかでない中で慎重に対応すべきだとしています。
これについて、籠池理事長らの参考人招致が必要だと思うかたずねました。
 

「必要だ」が55%、「必要ではない」が11%、「どちらともいえない」が25%でした。

国会 参考人招致 与党“応じられず”

参議院予算委員会は理事会を開き、民進党は理事長らの参考人招致を重ねて要求。
また、大阪府議会の自民党が籠池氏の参考人招致を求めていることを挙げ、「国会の自民党の対応と矛盾しており、極めて遺憾だ」と批判しました。
これに対して与党側は、「参考人招致は応じられない」とする一方、大阪府議会の自民党の対応は確認したいという考えを伝えました。
一方、理事会では、与野党が合意している今週16日の現地への視察は、予定どおり行うことを確認しました。

政治家の関与の有無含め 「納得できず」に答えを

河野
「結局、小学校の認可申請が取り下げられたことで、与党からは問題の収束に期待する声も出ているということですが、世論調査では、国有地がなぜあれほど安く売却されたのか、8割の人が『国の説明に納得できない』と答えているわけですから、政治家の関与の有無も含め、事実を解明せずに終わらせることがあってはならないと思います。」

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