2017年4月6日(木)

宅配便ピンチ! 利用者動く

有馬
「人手不足の業界、宅配業界から衝撃の数字が出てきました。
それがこれ、“18億個”。
最大手のヤマト運輸が昨年度1年間に配達した宅配便の数、過去最高です。」

 

桑子
「18億個、想像もつきませんが、こうした状況を受けて、今、利用者の側が次々と対応策をとり始めているんです。」

宅配ボックス 新たに設置

保里リポーター
「宅配便利用者の増加を受けて、一戸建て住宅でも“宅配ボックス”を設置する家庭が増えています。」

一戸建て住宅に設置された宅配ボックス。
留守にしていても、宅配便の荷物を受け取ることができます。
宅配ボックスを設置した駒井朋子(こまい・ともこ)さんです。
自宅の新築を機に先月(3月)、導入を決めました。

 

駒井朋子さん
「買おうと決めたのは、最近そういう(宅配の)報道が多くなったので、毎日のように宅配の問題を聞いていた。
自分の家は(宅配)ボックスを最初からつけようと思った。」


 

日用品の購入にネット通販やネットスーパーを使っている駒井さん。
多いときには1日3回宅配便で商品が届くといいます。
利用が増えるにつれ、宅配業者に再配達を頼む回数も増加。

駒井朋子さん
「どうしてもこの荷物を受け取りたいときは、ほんの少しの外出もできない。
(配達が)たいがい2~3回目なので、業者に“申し訳ない”といつも言っていた。」

宅配ボックスの設置には工事費も含めおよそ12万円かかりましたが、心理的な負担がなくなり、設置してよかったといいます。

駒井朋子さん
「“受け取れなかった”ということがなくなることは、すごく楽になる。
みんな喜んでいる。」

年18億個超 現場は疲弊

宅配最大手「ヤマト運輸」の発表によりますと、昨年度1年間に配達した宅配便の数は、18億6,756万個と過去最高に。
前の年度より1億3,000万個以上の増加です。

ネット通販大手のアマゾンの取り扱いが本格的に始まった平成25年度以降、荷物が一気に増加しました。
その一方、荷物を配達するドライバーの不足は深刻です。
ドライバーの長時間労働を是正するため、再配達時間の短縮などサービスの一部縮小を決めました。
人手不足に拍車をかけているのが、再配達の増加です。

国土交通省によりますと、再配達される荷物の割合は全体のおよそ2割に上ります。

注文急増 宅配ボックス

保里リポーター
「宅配ボックスを販売、取り付けている都内の業者です。
先月(3月)に入って、問い合わせが相次いでいるといいます。」

この店ではこれまでほとんどなかった問い合わせが、先月に入っておよそ10倍に増えたといいます。

世田谷エクステリアルーム 藤倉大介店長
「一軒家、マンション・アパートのオーナーから声をよくかけてもらうようになった。」



 

この店の売れ筋は主に2つ。
壁に取り付けられるおよそ6万円のものと、より大きい荷物が入るおよそ8万円のものだといいます。
ただ、今はメーカーに在庫がなく、すぐに設置できないといいます。

世田谷エクステリアルーム 藤倉大介店長
「客には『1か月以上、今、お待ちになるがよろしいでしょうか』と確認して。
それでも待ってくれる人が多数。」

メーカーでは生産が追いつかない事態に。
この会社の先月の注文は、通常の月の5倍以上の、およそ2,000台に急増しました。

パナソニック住建商品営業部 髙橋弘喜課長
「少しでも早く納めるよう努力している。」

個人の荷物 職場で受け取り

再配達の減少につながればと、職場で取り組みをはじめたところも。
名古屋にあるネット広告の会社です。
今日も…。

受け取ったのはネット通販で買った個人の荷物。
自宅ではなく、会社宛てに送ってもらったのです。



 

社員
「自宅用のスピーカー。
自宅には基本的に仕事でいないので、ここ(会社)に来たほうが再配達もなく持って帰れるので助かっている。」


 

この会社では社員に対し、個人の荷物であっても勤務中に会社で受け取ることを薦めています。
これまでは勤務中に個人の荷物を受け取ることをためらう社員がほとんどでしたが、今では、社員50人のうち半数近くが利用しているといいます。

ネット広告会社 堤大輔社長
「われわれは会社がネット通販の会社を応援するような立場なので、この運動をちゃんと広げていって、宅配業者と一緒に僕らも成長していきたい。」

持続可能なサービスに

桑子
「宅配業界が大変だということがみんな分かってきましたよね。
それで利用者側から遣っているという感じになってますよね。
私もやっぱり再配達をお願いするときは『申し訳ありません』という気持ちになりますね。」

有馬
「宅配サービスって『より安く、より早く、より便利に』と競争してきたわけですよね。このままでは続かないかもしれない、というところにまできてしまった。
それを多くの利用者も感じているということかなと思いました。」

桑子
「いまや宅配便って、水道や電気のように、社会インフラというか、なくてはならない存在になっていますよね。」

有馬
「であれば、企業の方にも一定の責任があるんじゃないかと思うんですよね。
値段とか、内容とか、持続可能なサービスのあり方を考えてほしいと思いました。」

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