2017年6月5日(月)

乳がん 見逃しリスク上がる体質とは

有馬
「みなさん、必見です。」

桑子
「女性がかかるがんで最も多いのが、乳がん。
検査でも見つかりにくい体質があることをご存じでしょうか。
しかもその体質は、日本の40歳以上の女性の4割に上るという推定もあるんです。」

有馬
「あなたも、知っておいた方がいいかもしれません。」

乳がん見逃すリスク 日本女性の多くで…

保利
「乳がん検診といえば、マンモグラフィー検査。
こちらの機械で、乳房のX線撮影を行います。」

このマンモグラフィー検査。
乳房にエックス線をあてて、がんの病巣がないか診断します。
40歳以上の女性を対象にした自治体の乳がん検診では、国の指針でマンモグラフィーの検査を行うことになっています。

検査を受けた人
「マンモグラフィー、一度はやっておかないとだめだなと。」

検査を受けた人
「乳がんの検診には役立っているということで、継続してやっていきたい。」
 

ところが、この検査だけでは、がんが見逃されるリスクが高い体質の人がいるんです。

マンモグラフィーの検査で、がんを発見できなかった風間沙織さんです。
20年近く毎年、マンモグラフィー検査を受けていました。

風間沙織さん
「乳がんが見つかる直近、過去3年のマンモグラフィーの結果、判定はAで、異常所見はありませんというのを毎年もらっていました。
毎年『ほっ』ていうか、『よし、ことしもクリアした』と思っていた。」

ところが3年前、妹が乳がんだとわかった直後、胸に固く小さなしこりがあるのを感じたため、精密検査を受けました。
その時、初めての超音波検査で、がんが見つかりました。
がんは、左胸で1.5センチ。
幸い転移もなく、手術で摘出。
仕事に復帰しました。
しかしなぜ、マンモグラフィーでは見つけられなかったのか。

その理由は、「高濃度乳房」という体質にあったといいます。

風間沙織さん
「マンモグラフィーで撮っていたら見つからず、どれくらい大きくなっていたかわからない。
鳥肌が立つぐらい怖くなった。」

「高濃度乳房」とは、どういう体質なのか。

マンモグラフィーでは脂肪は黒く、赤ちゃんにあげるおっぱいを分泌する組織、乳腺は白く写ります。
その乳腺の密度が高く、全体に白いもやがかかったように写るのが「高濃度乳房」です。

 

ところが、乳がんも白く写ります。
そのため、高濃度乳房の場合、見つけにくくなるのです。



 

聖マリアンナ医科大学 ブレスト&イメージングセンター 福田護院長
「このあたりにしこりが存在。
指摘は困難。」


 

実は、40歳以上の日本人女性のおよそ4割が「高濃度乳房」だと、日本乳癌検診学会は推定しています。

聖マリアンナ医科大学 ブレスト&イメージングセンター 福田護院長
「高濃度乳房というのはあくまで病気ではなくて、その方の乳房の個性。
知らせるのは自然。」

マンモグラフィーで、がんが見つからなかった風間さんは。

風間沙織さん
「なんで(高濃度乳房だと)知らせてくれないんだろうと。
高濃度乳房でマンモグラフィーで写りにくいタイプだと、ひと言入れてくれれば、ほかの方法を探しに行く。」

 

患者たちの声を受け、自治体が行う「乳がん検診」も変わり始めています。

川崎市では、去年(2016年)4月から、乳がん検診の結果に高濃度乳房かどうかを示す欄を設けました。

市の検診を行っているこの病院では、高濃度乳房とわかった女性が希望すれば、超音波による検査を行っています。

「仰向けに寝た状態で、乳房をくまなくスキャンする。」

超音波検査は保険の適用対象外です。
検査機関で異なりますが、数千円から1万円あまりが自己負担になります。
 

聖マリアンナ医科大学 ブレスト&イメージングセンター 福田護院長
「マンモグラフィー検査をして、補うような形で超音波をやっていくのが今はベスト。」


 

しかし、自治体によって対応は分かれています。
そこで、厚生労働省はガイドラインを作成することになりました。
高濃度乳房の場合、がんが見逃されるリスクをきちんと説明したり、超音波検査などを紹介するなど、自治体にきめ細かい対応を求める方針です。

「高濃度乳房」なら… 乳がん検査 あるべき姿は

桑子
「女性としては、やっぱり自治体の検査でも『高濃度乳房』かどうか知りたいですし、超音波検査も受けたいと思うんですけれど、実は、乳がんの学会はちょっと慎重なんです。

こちらを見てください。
検診には、自治体の公共サービスとしての検診と、人間ドックなどの検診の、この2種類があります。
今回のガイドラインの対象というのは、自治体の方なんです。
それぞれの違いというのは、まず、自治体の検診は、国の指針で40歳以上の女性を対象にマンモグラフィーで行います。
一方、人間ドックというのは、好きな検査を、好きな医療機関で希望者ができるということなんですよね。」

有馬
「超音波だとか、触診なども入ってくると。
でも、何で自治体の方はマンモグラフィーということになるんですか?」

桑子
「日本乳癌検診学会では、その理由をこのように話しています。」

日本乳癌検診学会 笠原善郎理事
「大切なことは、この検診によって、がんの死亡が減るという証拠、科学的根拠がきちんと証明されている検診を行う必要がある。
乳がん検診で科学的根拠が証明されているのはマンモグラフィー検診で、現在はこの検診を行っている。
(超音波検査の)死亡率の減少効果は検証が引き続き行われている。」

桑子
「先ほど、ご覧いただいたVTRにもありましたように、超音波検査でがんが見つかったという人もいるんですけれども、超音波検査というのは、科学的に死亡率が減るかどうかというのは今、検証中なわけなんですよね。
しかも、『高濃度乳房』とわかった人がみんな超音波検査を希望すると、それを受け入れる体制を整える必要も出てきます。
『高濃度乳房』は、40歳以上の4割に上るということですからね。」

有馬
「ただ、お医者さんも個性だと言っていましたけれども、『高濃度乳房』は病気ではないんですよね。
体質ですから、むやみに不安がらずに、ぜひ検査に行ってください。」

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