2017年6月12日(月)

議会なくし「町村総会」設置検討へ

有馬
「『議会』が維持できなくなるかもしれない、そんな危機にひんした人口400人の村が大胆な動きに打って出ました。」

桑子
「村の有権者が集まって直接、村の課題を話し合う『町村総会』を開く検討に乗り出しました。」

400人の村「議会」なくす? 「町村総会」村長が検討表明

栗原
「大川村の和田村長が議場に向かってきました。
まもなく定例議会が始まります。」

今日(12日)開会した定例議会。
大川村の和田村長は冒頭、こう切り出しました。
 

高知 大川村 和田知士村長
「村民総会(町村総会)の調査、研究、勉強を始めよと指示をしたところ。」



 

2年後に迫った村議会選挙で立候補者が足らない事態に仮になった時に備え、今年(2017年)中に『町村総会』の課題などを洗い出し、方向性をまとめたい考えを示しました。

人口減少止まらず…

栗原
「周囲を1,000メートル以上の山々に囲まれた高知県大川村です。
面積は山手線の内側の1.5倍。
その中に、集落が点在していて、およそ400人が暮らしています。」

離島を除き、人口が全国で最も少ない大川村。
65歳以上の高齢者が4割を占めています。
 

村議会の朝倉慧(あさくら・あきら)議長です。
村が生き残るためとして、以前から「町村総会」の設置を考えていました。

大川村議会 朝倉慧議長
「村を守りたい、行政を守りたい、その一心。」
 

通常は、有権者が選挙で選んだ議員が、議会で予算や条例などの議案を話し合います。

一方、町村総会は議会にかわって有権者が一堂に集まり、直接議論して決めようというものです。
大川村の議員6人の平均年齢は70.8歳。
複数の議員が今期かぎりでの引退を希望していて、2年後の選挙で立候補者が足りなくなる恐れがあります。
朝倉議長自身、次の任期中には80歳を超えます。
有権者に、村議会の危機的な状況について説明しますが…。

有権者
「『議員になる』と言う人は、それだけの知識もいるだろうし。」



 

大川村議会 朝倉慧議長
「いつバテるやら。」

有権者
「バテたら困る。
まだまだ頑張ってもらわないと。」

このまま、手をこまねいていたら、村政運営は立ちいかなくなってしまうのではないか。
朝倉議長は「町村総会」を検討することで、すべての村民に危機感を持ってほしいと考えています。

大川村議会 朝倉慧議長
「選択肢がもし、ほかにあるのなら教えてもらいたい。
400人を守らなかったら村が終わっていく、その危機感をもっと持ってもらいたい。」

若者の受け止めは…

今回、持ち上がった「町村総会」の提案。
村に住む現役世代に戸惑いが広がっています。

大川村に住んでいる現役世代は160人余り。
それぞれ、仕事や育児に忙しく、村政や村議会について、あまり考えたことがないという人も多いといいます。

「はっきりしたことがわからない。
“こういうかたちになります”という話があれば。」

「町村総会といっても集めるだけで大変だろうし。」


 

住民の1人、和田将之(わだ・まさゆき)さんです。

和田将之さん
「いきなりの話で驚いた。」

群馬県で会社員をしていた和田さん。
豊かな自然に魅力を感じ、3年前に移住してきました。
自宅で焼くのは、自らが栽培した野菜と小麦で作ったピザです。
実は、大川村は人口が減り続ける中、若者の移住促進策に力を入れています。
この10年で移り住んだ人は67人に上っています。
これまで村政を縁遠いものに感じていた和田さん。
今回の提案をきっかけに、村の将来をどうするか考え始めたといいます。

和田将之さん
「町村総会の検討すると言われているが、将来暮らす地域をどうしたいか、自分たちが考えなくてはいけないし、自分たちで決める。
この村だったらできるし、それが近いところにあるのではないか。」
 

人口400人の村が 「町村総会」検討

桑子
「和田さん、『町村総会』の検討をきっかけに、村のことを考え始めているんですね。」

有馬
「自分たちのことだと、和田さんはおっしゃっていましたよね。
ただ、実際に『町村総会』をしようとしますと、課題はたくさんあるんです。
こちらを見てください。

地方自治法です。
まず、94条。」

桑子
「『町村は、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる』。」

有馬
「そして、95条。」

桑子
「『町村総会に関しては、町村の議会に関する規定を準用する』。」

有馬
「これだけなんです。」

桑子
「でも、この中に具体的にどうすればいいのかということは書かれていないですよね。」

有馬
「そこで総務省は、こういう見解を示しています。
議会と同じように町村総会も半数以上の有権者が参加しなければ成立しないと考えられる。」

桑子
「過半数の出席が必要だということなんですね。」

有馬
「ただし、決めなければいけないことがたくさんあるんです。
まず、これ。」

桑子
「参加者確保。」

有馬
「参加する有権者を確保するための仕組みを考えないといけませんし、総会の運営の方法を決めなければなりません。」

桑子
「ルール自体がまだ全然決まっていないということですね。」

有馬
「ただ、人口が減っていく、高齢化が進んで現役世代が担いきれない、これって、これから日本全国で想定されることですよね。
ですから、こうした中で、自分たちの住む町や村をどう運営していくのか。
人口400人の村からのこの問題提起、国としてもしっかり受け止めて、ルール作りなどを支援してほしいと思います。」

Page Top