2017年7月7日(金)

芸能界“契約トラブル” 公取委が事務所などに調査

有馬
「芸能人と所属事務所をめぐる問題についてです。」

桑子
「解散した『SMAP』、女優の『のん』さん、『清水富美加』さん。
芸能人の独立や移籍、最近、話題になることが多いですよね。」

有馬
「こうした中、公正取引委員会が、芸能事務所が芸能人と結ぶ契約の中で、独占禁止法に抵触する不公正なものがないかどうか、調査を始めたことがわかりました。」

マネージャーが語る実態

リポート:藤井佑太(社会部)

人気タレントのマネージメントをしてきた芸能事務所の関係者です。
事務所を辞めた芸能人に対する「圧力」について、こう証言しました。

芸能事務所の関係者
「見せしめが必要になってくるので、業界でその子が動けないように、外に出られないように圧力をかける。
うち(事務所)を辞めたら仕事ができなくなるよ、わかってるよね。
画面からいなくなるので。」

公取委が事務所を調査

これまでベールに包まれていた芸能界の契約。
問題がある契約が結ばれていないか、公正取引委員会が調査に乗り出したことが関係者への取材でわかりました。
公正取引委員会は、複数の大手芸能事務所や業界団体を調査。
独占禁止法に抵触するような不公正な契約が結ばれていないかどうかなどを調べます。
問題視しているのは、事務所が一方的な契約を結んで芸能人の独立や移籍を制限するケース、独立や移籍をした芸能人に対してその後の活動を妨害するケースなどです。

“辞めたくても…”

事務所との契約で自分らしい活動ができず、悩んでいたという女優の志村りおさんです。
4年前、所属していた事務所から移籍し、テレビや舞台などで活動しています。
女優としての活動を希望して、前の事務所に入った志村さん。
しかし事務所から要求されたのは、アイドルとしての活動だったといいます。
女優になる夢を実現するため、別の事務所への移籍を検討しましたが、事務所に入るときに交わした契約書には、「事務所が認めない限り、契約は解除できない」と記されていたのです。

女優 志村りおさん
「ずっと鎖をつけられている感じ。
辞めよう、でも契約書がある、辞められないというのが、ずっとそこの間を行ったりきたりしていた感じ。」

労働問題を専門とする弁護士は、独立や移籍を制限する契約は、芸能界に広く存在していると指摘します。

菅俊治弁護士
「タレントには拘束力が強い、事務所にはかなりフリーハンドが与えられる、そういう構造になっている。
(芸能人の)生殺与奪の権利が事務所に握られている問題があると思う。」

今回、NHKが入手した国内最大の業界団体が作成する「統一契約書」。
多くの事務所がひな形として使うこの契約書にも、独立や移籍を制限するような内容が記されています。

公正取引委員会は芸能界で広く行われてきた契約が独占禁止法に抵触する可能性があると考えているのです。
なぜ事務所は、このような契約を結ぼうとするのか。
事務所の関係者は、一から育て上げた芸能人に突然辞められれば、これまでの投資が無駄になりかねないからと主張します。

芸能事務所の関係者
「タレントを、滑舌よくさせるためにレッスンに行かせたり、何かできる(ようにする)ために教えるためにお金がかかる。
何もできない者を何かひっかかるまでつくるのは、あまり簡単に思われたくない。」

対等な関係求めて

こうした中、弱い立場に置かれがちな芸能人の権利を守ろうという取り組みも始まっています。

今年(2017年)弁護士などが中心となって設立した、芸能人をサポートするための団体です。

「ギャランティーで僕らみたいな役者が直面するのは、“出してやってるからそのかわりノーギャラだろ”(と言われる)。」

人気アイドルグループ「SKE48」の元メンバー、桑原みずきさんも団体の活動に参加しています。
契約トラブルに悩む仲間を数多く見てきたという桑原さん。
トラブルを抱えた芸能人の相談に乗るなどして、事務所との関係を変えていきたいと考えています。

女優 桑原みずきさん
「いいように役者を使ってお金を稼ぐのが目標の人たちにいなくなってもらいたい。
独立時にファンの人に悲しい思いをさせない方法、一番いい契約の形をみんなで考えたい。」

問題点を指摘へ

桑子
「芸能人をサポートする団体が立ち上がるくらい、深刻な事態になっているということなんでしょうか。」

有馬
「最近トラブルが相次いでいますよね。
公正取引委員会はその実態を調べようと動き出したということなんでしょうか。
その結果、問題があれば業界に指摘することを検討するということです。」

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