2017年8月17日(木)

長崎 対馬 38年ぶり カワウソ大発見

有馬
「日本にはいないはずの、野生のカワウソ。
長崎の対馬でその姿が撮影されました。
国内で確認されたのは38年ぶりです。」

 

桑子
「絶滅したとされている『ニホンカワウソ』の可能性もあるということなんです。」

カワウソ大発見 絶滅種の可能性も

これが、撮影されたカワウソです。

長崎県の対馬で今年(2017年)2月に撮影されました。
国内で生きたカワウソの姿が確認されたのは、実に38年ぶりです。
琉球大学の研究グループが、別の動物の調査で設置していたカメラに映っていたんです。

琉球大学 理学部 伊澤雅子教授
「プロポーション、顔だちそのものから、カワウソというのは間違いない。
われわれ2人ともびっくり、びっくりが最大です。」




日本に古くから生息していた「ニホンカワウソ」。
明治ごろまでは全国各地でみられましたが、毛皮を狙った乱獲に加え、生息環境の悪化などにより、数が激減しました。
昭和54年、高知県・須崎市で目撃されたのを最後に、生存が確認されていません。
5年前の平成24年、環境省は「絶滅種」に指定しました。
撮影に成功した伊澤教授は、今回のカワウソが野生である可能性が高いと考えています。

琉球大学 理学部 伊澤雅子教授
「対馬に動物園はないし、大きな水の中にすむ動物をペットとして飼うのは難しい。
カワウソ自体が、沿岸部から川を使って暮らす動物。
対馬は細長い島なので、どこも海から近い。
カワウソが暮らせる環境だと感じる。
夢の話としては、これがどこから来た何者なのかという正体が知りたい。」

今回のカワウソは、絶滅したとされる「ニホンカワウソ」なのでしょうか。

ニホンカワウソか?

有馬
「これが二ホンカワウソなら、大発見ということになるわけですが、どうなんでしょうか!?」

保里リポーター
「今回見つかったカワウソ、大きく分けて2つの見方があります。
それがこちら。

まず、絶滅種の『二ホンカワウソ』なのか、韓国や中国にすむ『ユーラシアカワウソ』なのかということです。
それぞれの理由を見ていきましょう。
まず、二ホンカワウソだと考える理由です。
対馬には、カワウソが江戸時代まで生息していたという記録が残っています。」

桑子
「ということは、その子孫かもしれない?」

保里リポーター
「期待してしまいますよね。
一方、ユーラシアカワウソだと考える理由は、今回撮影された場所の近くで見つかった『ふん』を調べたところ、ユーラシアカワウソのDNAが検出されたということなんです。」

有馬
「じゃあユーラシアカワウソかもしれないってことですよね?」

保里リポーター
「ただ、実はユーラシアカワウソと二ホンカワウソは、遺伝的に極めて近い種類とされていて、さらなる分析が必要だということなんです。」

桑子
「ということは、まだわからないと…。」

保里リポーター
「そして、それぞれの見方にも疑問が残ります。
ニホンカワウソだったとして、江戸時代に対馬に生息していたというカワウソが、今のこの時代まで、見つからずに生き続けてきたのかな?と疑問に思いませんか。」

有馬
「そう言われると、ちょっと不自然な感じもしてきますよね。
そんな長い間…。」

保里リポーター
「では、ユーラシアカワウソだったとして、韓国から対馬まで、はるばる泳いでこられたのかと。」

桑子
「結構、距離があるんじゃないですか?」

保里リポーター
「そうなんです。
その距離、およそ50キロあるということなんです。」

有馬
「本当に泳いできたんでしょうかね…。」

保里リポーター
「これについて、長年カワウソの研究をしている専門家は、朝鮮半島から泳いできた可能性も否定はできないとして、次のように話しています。」

ヤマザキ学園大学 動物看護学部 安藤元一教授
「50キロぐらい離れているが、20キロぐらい泳げるとしたらその倍以上のところになるが、そういう移動もたまにはあるのかなと。
ニホンカワウソだとすれば、生き残っていたから絶滅ではなくなるが、私としてはその可能性は低いのかなと思っている。
どちらであれ、対馬で見つかったことのインパクトは変わらない。」

保里リポーター
「専門家の間でも評価は分かれているんです。」

桑子
「でもそこはやはりニホンカワウソであってほしいですね。」

保里リポーター
「しかし、いずれにしても大発見とはいえますよね。
日本でのカワウソ発見に湧く人たちを取材しました。」

38年ぶりカワウソ 貴重な発見に沸く

カワウソが発見された、長崎県・対馬。

「38年ぶりですか。」

「もしいたらすごい。」

「見てみたい。」

一方、ツイッターにはこんなメッセージが。

“え…ちょっと対馬いってくる☆”

投稿したのは、高知県須崎市のご当地キャラクター「しんじょう君」。
ニホンカワウソが最後に目撃された新荘川が、名前の由来です。
須崎市にとって、ニホンカワウソは特別な動物です。

市民憲章にもカワウソが。
しんじょう君に今の心境を聞いてみると…。





田村
「友だちが見つかったかもしれないね。
…何て言ってます?」

須崎市 元気創造課 守時健さん
「しんじょう君は生まれた時から親も友だちも絶滅していたので、やっとお友だちに会えるかもしれないと、感動して泣いています。」

県内には、国内で唯一、3種類のカワウソを飼育している動物園もあります。

高知県立のいち動物公園 森本さやかさん
「もし生き残ってくれているのなら良かったなと思うが、『見つかったんだ』で終わらず、みんなでカワウソをどうしたら守っていけるか考えるきっかけになったらと思う。」

今回の発見を、ひときわ強い思いで受け止めている人がいました。
二ホンカワウソが最後に目撃された昭和54年に撮影に成功した、NHKの元カメラマンです。

元NHKカメラマン 増田昭夫さん
「2年くらいカワウソを追いかけましたから、(撮影できて)ホッとしましたね。」

そして……。

田村
「もう一度見たいですか?」

元NHKカメラマン 増田昭夫さん
「それは見たい。
カワウソは子どもを春になると川に連れてきて訓練させる。
そういう風景がこれから先、長崎で撮れれば最高だと思う。」

発見した伊澤教授は、調査がよりいっそう進むことに期待を寄せています。

琉球大学 理学部 伊澤雅子教授
「私たちがこの発見をしたことの一番の位置づけは入り口。
カワウソを調べましょうの入り口にすぎないと思う。」

カワウソ大発見 エサを与えないで

桑子
「何者なのかということですよね。
伊澤教授は『対馬に行ってカワウソに餌付けをするのは絶対にやめてほしい』とも話していたんです。
というのも、エサにいろいろな生き物が集まってきて、本来の環境を崩してしまうことになるから、とおっしゃっていました。」

有馬
「いずれにせよ、生き物の多様性は大事だと、そう考えさせる大発見ですよね。」

Page Top