2018年3月7日(水)

新燃岳噴火 カギは“溶岩がどうなるか”

桑子
「霧島連山の新燃岳です。
今日(7日)も大きな噴石を火口の外まで飛ばす爆発的な噴火が相次いでいます。」

有馬
「噴火活動はどうなるのか。
見極めるカギは『溶岩の成長のスピード』だといいます。」

今の状況は…

栗原リポーター
「新燃岳から東に12キロ離れた、宮崎県高原町役場の屋上です。
新燃岳は私の後ろ、あちらの方向です。
今日は曇っていて様子は見えないのですが、昨日(6日)は肉眼で真っ赤な溶岩が確認できたということです。
周辺を取材すると、高原町では火山灰は降っていませんでしたが、霧島市の周辺では至る所で火山灰が積もっていて、歩くと靴が灰だらけになってしまいました。

また時折、鼻をつくようなにおいも辺りに広がっていました。
こちらは高原町が作ったハザードマップです。
黄色い範囲が、火砕流による熱風が広がるおそれのある地域です。

役場ではこの地域の住民52世帯109人に、噴火当日から直接電話をするなどして情報提供を続けてきました。
役場では24時間態勢で職員の人たちが火山の状況や風向き、火山ガスの濃度など、情報収集にあたっています。」

3,000メートルの噴煙も

栗原リポーター
「新燃岳の周囲を走る道路なんですけれども、道路の先が見えないくらい霞んでしまっています。」

気象庁によりますと、新燃岳では空振=空気の振動を伴う爆発的な噴火は昨日18回、今日は11回。
午前6時すぎには、噴煙がこれまでで最も高い3,000メートルに達したのが確認されたということです。

気象衛星がとらえた昨日・午後の新燃岳周辺の様子です。
煙のようなものがたなびくように流れているのがわかります。

7年前には被害も

鹿児島と宮崎の県境、霧島連山にある新燃岳。
有史以来、噴火を繰り返してきました。
爆発的噴火が起きたのは、7年前の平成23年以来です。

その時は、空振で建物の窓ガラスなどが割れる被害も相次ぎました。
2か月後に爆発的噴火はおさまりますが、去年(2017年)7月ごろからマグマの蓄積を示す地殻変動が観測されていました。

なぜ再び? その仕組みは…

なぜ、また爆発的な噴火が起きたのか。
火山噴火予知連絡会の副会長で、東京大学地震研究所の中田節也教授は…。

火山噴火予知連絡会 副会長 東京大学地震研究所 中田節也教授
「自分でフタをしてしまうから。
結局、自分でガス圧を高めて爆発している。」

どういうことなのか。
新燃岳は、7年前の噴火でできた古い溶岩で火口がふさがれていたといいます。
今回、下からマグマが上昇。
行き場を失ったマグマが火口にあった溶岩を吹き飛ばし、再び爆発的な噴火につながったとみられています。

そのマグマはいったいどこから来たのか。

火山噴火予知連絡会 副会長 東京大学地震研究所 中田節也教授
「マグマは、こう来る。」

中田教授は、新燃岳の直下とは少し離れた所にマグマの供給元があると解説します。
新燃岳から北西に数キロ離れた、えびの高原付近の地下。
ここが、マグマの供給元だといいます。
実は、今月(3月)1日に噴火が始まって以降、この地下にあるマグマだまりの縮みが観測で捉えられていて、中田教授は新燃岳にマグマが供給されていることを示しているとみています。

火山噴火予知連絡会 副会長 東京大学地震研究所 中田節也教授
「今、傾斜計とかいろいろな装置があって、マグマの量が増えるとマグマだまりがしぼむ、それがちゃんと観測で捉えられている。
沈む量と出た量は対応するはず。」

カギは“火口内の溶岩”

気象庁は新燃岳について、今後さらに火山活動が高まる可能性があるとして、「入山規制」を示す噴火警戒レベル「3」を継続しています。
そして、火口からおおむね3キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石に、火口からおおむね2キロの範囲では火砕流に、それぞれ警戒するよう呼びかけています。
また、火山灰が降り積もった地域では雨の際の土石流にも注意するよう呼びかけています。

今後の噴火活動はどうなるのか。
中田教授は、それを見極めるカギは、火口内の溶岩の状態だといいます。

火山噴火予知連絡会 副会長 東京大学地震研究所 中田節也教授
「衛星で、溶岩がどういう具合に成長しているのかわかる。」

溶岩がさらに大きくなって火口の壁を乗り越えると、最悪の場合、火砕流となって斜面を流れ下る可能性もあるということです。

火山噴火予知連絡会 副会長 東京大学地震研究所中田節也教授
「溶岩が非常に大きく成長すると、7年前の噴火で浅くなった火口から壁を乗り越え、転げ始める危険性がある。
溶岩の成長速度が急激に大きくなる、だんだんしぼむのか見極められれば、他の観測データと合わせて今回の噴火の(活動)推移が理解しやすくなり、防災上も役に立つ。」

有馬
「溶岩が成長するのかどうか、まだしばらく溶岩の状況を見ていかないといけないんですね。」

桑子
「気象庁などが出す情報に十分ご注意ください。」

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