2018年4月9日(月)

がん 19歳で「余命半年」 25歳 残したメッセージ

桑子
「1人の女性が残したメッセージが、今、共感の輪を広げています。
山下弘子さん。
19歳の時に、がんで余命半年と宣告されてから、自身の闘病生活を発信し続けてきました。
そして、先月(3月)25歳で亡くなりました。
その弘子さんのツイッターは、こちらです。」

“私たちはいつも励まされ、元気をいただき、前向きに生きる。
いつも生きる希望となっておりました。”

桑子
「今も多くのコメントが寄せられています。」

有馬
「弘子さん、どんなメッセージを残したんでしょうか。」

がん 19歳で「余命半年」 25歳 残したメッセージ

弘子さんを一躍有名にしたのが、このCMです。

映像は、実際の自分の結婚披露宴の様子。
生きることの喜びを伝えています。

山下弘子さん
「出会いってすばらしいなと思えて。
生きているってすばらしいな。」

「肝臓がん・余命半年」と宣告されたのは、5年前。
大学1年生の秋でした。
打つ手がないと言われるほど深刻な状態でしたが、懸命に手術、治療に取り組んできました。

がんが見つかってから1年半後、弘子さんはブログを開設します。
タイトルは『今を生きる』。
日々の闘病生活や自分の考えをつづった、弘子さんの力強い言葉。
次第に、多くの反応が寄せられるようになります。

25歳 残したメッセージ “今を生きる”

このころ、ニュースウオッチ9では、弘子さんを取材していました。

21歳、がんを抑えるため、苦しい治療を繰り返していました。
その合間をぬって行っていたのが、講演活動。
ブログを読んだ人たちから、毎月のように依頼が届くようになったのです。

山下弘子さん
「いつ、どんな時に、最後になるのかわかりません。
みなさんは今日の朝、家を出る時、ちゃんと親と笑顔で“行ってきます”って挨拶をしましたか?
最近、周りの誰かと、けんか別れみたいになっていたりしませんか?
試練を一つ、また一つと越えるたびに、私は、人として成長しています。」

山下弘子さん
「私の生き方で、こんなに元気、勇気、何かを感じ取ってもらえるんだと思って、すごい幸せだなって。
これから、どんどん世の中に伝えていこうって。」

私たちは、弘子さんの恋人、そして夫として5年間を共に過ごした、前田朋己さんに話を聞きました。

前田朋己さん
「もともとはインドア派で、家の中で本を読んでいるのが好きな女の子。
講演自体も、人の前で積極的に話をするという感じではなかった。」

しかし弘子さんは、「時間は限られたものだ」ということを強く意識するようになったといいます。
海外旅行、ダイビング、山登り、「やりたいことリスト」を作って次々と挑戦。

“チャレンジ後の幸せ涙をもう一度味わいたい。”

前田朋己さん
「絶望してもおかしくない。
何のために生きるのか、人生通して何を残していくのか。
深い考えが、おそらく彼女自身の中にはあって、つらい思いをしている人に対して、前を向いて歩いていく、そういう希望を見せることだと、使命感を持っていたと思う。」

「余命半年」の宣告から4年後。
弘子さんと朋己さんは結婚を決断。
CMを通して伝えたのは、がん患者としてではなく、1人の女性として生きる姿でした。
闘病の末、先月、25歳で息を引き取った弘子さん。
その存在の大きさを、朋己さんが改めて実感した出来事があったといいます。

前田朋己さん
「通夜に、彼女とほとんど面識がない方が、ひろ(弘子さん)のことを“命の恩人や”と言って訪ねてこられて、夜11時過ぎていたと思うが、“ご焼香させてくれ”ということでお会いいただいた。」

聞いてみると、その男性も、弘子さんと同じがん患者でした。
弘子さんに手を合わせ、わずかな時間を過ごしたそうです。
その後、男性から手紙が届きました。

“私の術後の人生は、彼女の活動から派生した力で得た時間といってもいいかもしれません。
あとどれくらいの時間が残っているのかはわかりませんが、無駄にはしません。
しっかり生き抜いていこうと思います。”

前田朋己さん
「“さすがやな”っていうのが正直なところ。
僕自身が彼女から学んだこと、人生の師匠だと僕は言っているが、彼女の考え方、人との接し方、伝えてきたことというのが、一人一人に大きな影響を与えていたんだなと、本当に実感した。」

弘子さんが人生をかけて伝えてきたメッセージ。
これからも人々の間で広がります。

山下弘子さん
「きょう生きてるってことは、死へと一歩、本当に近づいてること。
いかに長く無駄に過ごすのかではなく、いかに有意義に今の時間を使うことが大事。
がんによって教えられたことが、本当にたくさんあって、すごい幸せです、今は。」

桑子
「『今は、すごい幸せ』。
この21歳の時の言葉は、その後も弘子さんのブログにたびたび書き込まれていました。」

有馬
「今を生きる、今を生きよう。
皆さんはどうお聞きになったでしょうか。」

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