2018年4月13日(金)

熊本地震2年 右足を失った大学生の2年

桑子
「右足を失う大ケガから立ち直り、夢に向かって歩き始めた、ある大学生の2年間です。」

熊本地震2年 右足を失った大学生の2年

リポート:西村雄介(NHK熊本)

大学3年生の梅崎世成(うめざき・せな)さんです。

熊本地震で右足を切断し、義足をつけて生活しています。
東海大学の学生3人が亡くなるなど大きな被害を受けた南阿蘇村。
地震は、梅崎さんが大学生活を始めて10日あまりで起きました。
住んでいたアパートが倒壊し、その下敷きになったのです。

東海大学3年生 梅崎世成さん
「なにかがこう、ばきばきばきと板というか、木が割れるような音が聞こえて、気づいたら両足が挟まれて。」

6時間半後に、ようやく救助された梅崎さん。
体が強く圧迫されることで臓器不全などが起きる「クラッシュ症候群」を発症し、搬送された病院で「右足を切断するしかない」と言われました。

東海大学3年生 梅崎世成さん
「覚悟していたですけども、実際に切れてしまったものをみると、単純に思っているのと全然違う。
直視出来なかったというか、したくなかった。」

手術のあとに待っていた、厳しいリハビリの日々。
義足は、つけるだけで、耐えがたい痛みがありました。

東海大学3年生 梅崎世成さん
「1時間つけただけでも痛すぎて、これからこういうものをはいていかなければならないのかって。」

杖なしで歩けるようになったのは7か月後。
しかし、地震がもたらした困難は、それだけではありませんでした。
将来、動物に関わる仕事につきたいと大学の動物学科に入学したばかりだった梅崎さん。
義足の自分が、夢を実現できるのかと、強い不安に襲われたのです。

東海大学3年生 梅崎世成さん
「頭が真っ白になってしまって。
何したらいいんだろう、これからどうしたらいいんだろうって。
もし神様とかいるのであれば何で俺かな、って。」

くじけかけた気持ちを支えてくれた人がいます。
足を切断する手術を担当した医師の岡野博史さんです。
手術後から梅崎さんの相談にのってきた岡野さんは、「やりたいことを諦めないように」と、励まし続けてきました。

東海大学3年生 梅崎世成さんの手術を担当 岡野博史医師
「こういうのを乗り越えてきた、いま頑張って乗り越えているというのは、大きな自信になる。
諦めずに前に進むんだよってメッセージを送り続けていて。」

東海大学3年生 梅崎世成さん
「まず諦めない心をもったうえで、いろんなチャンスを1つずつものにしていけば、必ずいつかかなうというのは非常に心に残っている言葉なので、すごく大切にしたい。」

東海大学3年生 梅崎世成さんの手術を担当 岡野博史医師
「また頑張って、元気な姿見せてね。」

諦めかけた夢にむけて、ふたたび歩み始めた梅崎さん。
この日は、地震で被害を受けた、熊本市動植物園を支援する看板づくりに参加しました。

義足の右足でうまくバランスをとってののこぎり作業。
転ぶことを恐れずに、重いものも運びます。

地震による大きな試練を乗り越えて前へ。
梅崎さんは、地道に経験を積むことが、「これから」につながっていくと考えています。

東海大学3年生 梅崎世成さん
「将来何が起こるか、まるで分からない状態で、不安を抱えているが、いろいろな人の支えのおかげで、地に足をつけて、自分のやりたいことをできているので。
地震というのは今の自分というものを、さらに前に進めるための、1つの糧として生きていますね。」

桑子
「地震を乗り越えて、地に足をつけることができた梅崎さん、今年3年生になりました。
これから実習も始まって、より専門的な動物の研究にあたっていくということです。」

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