2018年4月27日(金)

歴史的会談 一挙手一投足に世界が…

北朝鮮 キム委員長
「万感の思いで軍事境界線までの200メートルを歩いて参りました。」

韓国 ムン・ジェイン大統領
「早朝で疲れていませんか?」

北朝鮮 キム委員長
「会えてうれしいです。
気持ちがワクワクして止まりません。
軍事境界線まで迎えてくれて、感動です。」

韓国 ムン・ジェイン大統領
「ここまで来たのは、あなたの大きな勇断によるものです。」

北朝鮮 キム委員長
「いいえいいえ。」

韓国 ムン・ジェイン大統領
「歴史的な瞬間ですね。」

有馬
「今、両首脳が笑顔で握手をかわしています。
市民の皆さんから歓声と拍手があがりました。
中継を見守る市民。
女性の方、少し涙も見られます。」

軍事境界線を超えて… “融和”サプライズも

史上初めて、南北の軍事境界線を越えた、北朝鮮の最高指導者。
ここで、想定外の行動に出ます。

韓国大統領府
「ムン大統領が『私はいつ北に行けますか』と聞いたところ、キム委員長はこう言った、『今、越えてみましょうか』。」

キム委員長が促す形で、ムン大統領も境界線をまたいで、北朝鮮側に。
サプライズで、融和ムードをアピールしたのです。

歴史的瞬間を見届けた韓国の人たちは。

韓国市民
「長い間、南北関係が冷え込んでいたので、両首脳が会談する姿を見て、感激した。」

韓国市民
「両首脳が会ったので、すべて良い方向に向かうといいと思う。」

集会では、会談の成功を祈ってこんなものがふるまわれていました。

有馬
「これは何ですか?」

「平和ビビンバよ。
ビビンバ、ピースビビンバ。」

韓国を代表する料理の1つ、ビビンバです。
“ビビン”とは、韓国語で“混ぜる”という意味。
両国民の気持ちが1つになるようにとの願いが込められていました。

一方、会談の最中、パンムンジョムの近くでは…。

有馬
「ちょうどいま、シュプレヒコールが上がり始めました。
この坂の上で、デモ集会が開かれているということなので行ってみます。」

演説
「キム・ジョンウンとの平和協定なんてあってはならない!」

首脳会談に反対する集会です。
警察が会場を取り囲み、ものものしい雰囲気に包まれていました。

“冷麺もってきました” 一挙手一投足に世界が…

今回の会談では、キム委員長の一挙手一投足に、意味を見出そうと、世界中が、目をこらしました。
歓迎式では、ムン大統領にしきりに話しかけながら、堂々と歩く姿。
ムン大統領を呼び止めて…。
両国の関係者と、一緒に記念撮影を促すような場面も。

韓国 ムン・ジェイン大統領
「握手するだけで拍手されるなんて、照れますね。」

北朝鮮 キム委員長
「うまく写真撮影できましたか?」

報道陣
「ワハハハハハ(笑)」

報道陣にまで、気さくに声をかけます。
北朝鮮情勢に詳しい専門家は、こうしたふるまいの裏に、北朝鮮が普通の国であり、対話を望んでいると世界に印象づける狙いがあると分析します。

早稲田大学大学院 李鍾元教授
「初めて北朝鮮の指導者が、南へ越えて行く、世界が注目していることもあり、境界線をわざと、何回も越えるパフォーマンスをサプライズでしたことを考えると、対話に積極的であることをアピールしたい、というのが随所にみられる。
指導者として自分の決断や、自分を中心的な存在として外交を進めていくのを内外に示していく、そういうことだと思います。」

北朝鮮 キム委員長
「南北関係の新しい歴史が始まります。
過去のように振り出しに戻ることがないよう、未来志向で手を携えていきましょう。」

キム委員長はさらに、冗談めかしてこう続けました。

北朝鮮 キム委員長
「ピョンヤンの冷麺を持ってきました。
遠くから苦労して持ってきました。
あ、そんなに遠くないですね。
ムン大統領においしく召し上がってほしいです。」

韓国 ムン・ジェイン大統領
「朝鮮半島の春です。
朝鮮半島の春に世界が注目しています。」

韓国 ムン・ジェイン大統領
「午後には植樹もあるし、散歩もあるし、話す時間がありますね。」

北朝鮮 キム委員長
「お疲れさまです。
午後も会いましょう。」

昼食をとるためにいったん別れ、再び姿を見せた、キム委員長。
ムン大統領と2人きりで散歩に。
ここでひざを交え、30分。
何を話し合っているのか、カメラは2人を追い続けました。

共同宣言に署名 抱擁 “非核化を共同目標に”

ムン大統領夫人
「橋のところで歩いていましたね。
平和的でした。」

北朝鮮 キム委員長
「もう見たんですか!
カメラを避けて遠くにいったのに。
テレビに出たんですね。」

会談を終えた両首脳はそろって共同宣言に署名し…。
抱擁を交わしました。

最大の焦点だった北朝鮮の『非核化』。
「完全な非核化を南北の共同目標とし、積極的に努力をする」としています。
また、朝鮮戦争の終戦を宣言して平和協定を結ぶため、南北とアメリカの3者、さらには中国も加えた、4者による協議を積極的に推進することで合意しました。

このほか、ムン大統領がことし秋にピョンヤンを訪問することでも合意。
両首脳は、史上初めての共同会見に臨みました。

韓国 ムン・ジェイン大統領
「完全な非核化による、核のない朝鮮半島を実現が、我々の共同目標であることを確認した。」

北朝鮮 キム委員長
「今日の宣言が、皆さんの期待に、少しでも応えるものであると願う。」

最大の焦点「非核化」 前進はあったのか?

桑子
「有馬さん、今回の最大の焦点は、朝鮮半島の非核化でしたよね。
共同宣言で、その非核化に触れられてはいましたが、これを、どう見たらいいのでしょうか。
前進があったと見ていいのでしょうか。」

有馬
「はい。
やはり、そこが気になるんですよね。
まず、その点からお伝えしていきたいと思います。
ソウル支局の池畑支局長です。
先ほど発表された、共同宣言、こんな文言でした。
『南北は完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという、共通の目標を確認した』と。
この内容、この文言、どう評価しますか?」

池畑修平支局長(ソウル支局)
「やや弱い、というのが率直な印象ですね。」

有馬
「完全な非核化という文言があるんですが、やや弱い?」

池畑支局長
「そうですね。
この前段で、キム委員長は核実験などの中止を表明したことを、非核化に向けて非常に大きな意義があったと、高く評価しました。
ただ、すでに北朝鮮が開発した核をどうするのか。
核を放棄する手順や時期について、何も具体的な言及がなかったのが残念でした。」

有馬
「確かにその点なかったですね。」

池畑支局長
「共同宣言を発表した最後、キム委員長の方は前に立ったんですが、非核化については一言も触れませんでした。
ただ、非核化で、北朝鮮だけではなく、南北がともにやるべきこととして、『南北が、国際社会の支持と、協力のために積極的に努力する』と。
少し深読みをすると、アメリカの理解を得るために、北朝鮮だけでなく、韓国も努力するとも受け取れます。」

有馬
「なるほど。
韓国も努力する。」

池畑
「実際、ムン大統領は、今日の結果を速やかに、トランプ大統領に電話で伝えることにしていますし、来月(5月)中旬には訪米して、直接説明する方向です。
トランプ大統領の、北朝鮮に対する要求のレベルを下げるという、かなり困難な調整役としての外交が続きそうです。」

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