2018年6月8日(金)

“民泊新法”施行前に混乱が… 

有馬
「世界最大手の民泊仲介サイトが突然こんな発表をしました。」

桑子
「“6月15日から19日にチェックイン予定のご予約をキャンセルさせていただきます”。
利用者たちに困惑が広がっています。」

有馬
「民泊の普及を目指す、『民泊新法』の施行が来週にせまった今、何が起きているのでしょうか。」

「民泊新法」施行前に混乱が… 仲介サイトが異例の発表

外国人観光客
「がっかりだ。」

外国人観光客
「私たちは(民泊仲介サイトの)エアビーアンドビーで滞在している。
もし泊まれなくなったら、頭にくる!」

外国人観光客
「(キャンセルされたら)腹が立つと思う。
いつもエアビーアンドビーを使っているのに。」

世界最大手の民泊仲介サイトを運営する「エアビーアンドビー」が発表した、異例の声明。
背景にあるのが、今月15日に施行される、「住宅宿泊事業法」、いわゆる「民泊新法」です。
一定の条件のもとで、自治体に届け出ることで、誰でも民泊の営業を行えるようにするものですが、届け出をしなかった場合は、罰金などが科される可能性もあります。
また、仲介業者が無届けの物件を紹介することも禁止。
このため、エアビーアンドビーでは、届け出などが行われていない物件については、今月(6月)15日から19日にかけての予約をキャンセルしたと発表したのです。
会社は、「苦渋の判断」としていますが…。
観光庁の担当者は。

観光庁 民泊業務適正化指導室 波々伯部信彦室長
「予約数と、合法的に届け出などが出された物件の数に、相当の開きが生じている。
そこの予約を温存するというのは、仲介業者としては、違法行為。」

観光庁によりますと、エアビーアンドビーの予約件数は年内までで15万件に上る見込み。
その多くは、届け出のない物件への予約と見られるということです。

「民泊新法」施行前に混乱が… 事業者「届け出」増えず

一方で、観光庁によりますと、全国で民泊の届け出をした物件は昨日(7日)の時点で2,000件程度にとどまっています。

今井翔馬リポーター
「なぜ、届け出は増加しないのか。
実際に民泊を行っている事業者に聞いてみます。」

東京・大田区で「国家戦略特区」の仕組みを使って営業している民泊施設です。
室内には、調理器具のそろった台所や、非常用の照明設備も。

今井リポーター
「こういうものが置いていないといけない?」

民泊施設運営「アセットリード」 伏谷祐介さん
「大田区の特区民泊では、食器や冷蔵庫などを常備しないといけない。
初期費用はかかってくる。」

「民泊新法」で自治体への届け出に求められる条件は、定期的な清掃や、宿泊者のパスポートでの本人確認、騒音やゴミ出しのルールなどの宿泊者への事前の説明など。
自治体によっては、法律より厳しい条件を条例で定めていることもあります。
さらに、営業できる日数は最大で、年間180日に限られます。

民泊施設運営「アセットリード」 伏谷祐介さん
「180日では、(1年のうち)半分の収益しか上がらない。
オーナーの収益としては半減。
民泊施設の届け出開始を断念する人もいるかもしれない。」

「民泊新法」施行前に混乱が… “ヤミ民泊”でトラブルも

今月15日に施行される「民泊新法」。
目的の1つが、届け出ないまま事業を行う“ヤミ民泊”を減らすことです。
ニュースウオッチ9では今年(2018年)3月、当時“ヤミ民泊”とみられる部屋があるマンションを取材していました。

「6〜7人の外国の方々がいらっしゃいます。」

こちらのフィリピンから来た家族は、民泊の部屋に泊まるといいますが、当時、このマンションには民泊の届け出をした部屋はありませんでした。
さらに、住民に話を聞くと、こんなトラブルが…。

マンションの住人
「玄関の前にゴミを出してそのままというのが結構多かった。
たばこを吸うときとかも後片づけをきちんとやってくれればいいんだが。」

「民泊新法」施行前に混乱が… “ヤミ民泊”はどうなった?

その後、“ヤミ民泊”はどうなったのか。
“ヤミ民泊”の調査会社を経営する中込元伸さんです。
さきほど紹介した、以前“ヤミ民泊”の部屋があったとみられるマンションを見に行くと…。

「3か月前も取材したが、現在どうなっている?」

“ヤミ民泊”の調査会社 中込元伸さん
「まだ民泊は続いていますね。」

「それはどういったところでわかる?」

“ヤミ民泊”の調査会社 中込元伸さん
「いくつかの方法でわかるが、まずはカギですね。」

「ありますね。
柵に黒い四角いキーボックス。」

なぜ「キーボックス」なのか。

“ヤミ民泊”の調査会社 中込元伸さん
「セルフチェックインをするためのキーボックス。
特に“ヤミ民泊”の特徴と言っていもいいが、運営のホストに会わずにカギの受け渡しができる。
民泊新法とかしっかりと合法的に行っている宿泊施設は、そういうことができないようになっている。」

取材中にも、民泊として利用する外国人の姿が見られました。
実際、この物件で、民泊の届けは出されているのか。

自治体の担当者
「届出の相談には来た。
その時は行政書士が代理できたが、相談ということで届出は出ていない。
近隣の区民から苦情・相談が来ている。
迷惑かからないように指導はしているのですが。」

こうした、実態のわからない民泊は依然として、後をたたないと言います。
別の建物でも…。

“ヤミ民泊”の調査会社 中込元伸さん
「あちら見るわかると思うが、キーボックスがいっぱいあります。
届け出開始から3か月たったが、現状として違法というか、ヤミ民泊は横行している状態。」

中込さんは、仲介業者が対応を厳格にする一方で、“ヤミ民泊”が残り続ける可能性も指摘しています。

“ヤミ民泊”の調査会社 中込元伸さん
「民泊仲介サイトは、世界中にかなりの数 存在する。
そういうサイトに“ヤミ民泊”が逃げていくと、利用し続けることもできるので、まだまだ気の抜けない状態。
(宿泊客も)これは合法の物件なのか、違法な物件なのか、知った上で予約をする。」

「民泊新法」施行前に混乱が… 

桑子
「ヤミ民泊をなくそうと法律を作ったのに、なかなか改善されない実態がります。
その理由として、さきほど営業の日数が限られていることもあるのではないかと言っていましたが、『登録の手続きが煩雑で面倒だ』という声もあるようなんです。」

有馬
「手間暇がかかるのに、ビジネスとしては今ひとつ…ということなんでしょうか。
新法スタートにともなう一時的な混乱だとは思いますが、もしこのまま届け出が広がらないようなら、なにか対策を考える必要があるかもしれないですね。」

Page Top