2018年6月14日(木)

桑子が聞く! 藤井聡太 七段 その素顔は

桑子
「この間の日曜日、名古屋市で開かれたパーティーで熱い注目を浴びているのは、プロ棋士、藤井聡太さんです。」



有馬
「史上最年少で、先月(5月)七段になったんです。」

桑子
「そのお祝いのパーティーだったんですけれども、あまりのスピード昇段だったために、三段分のお祝いをまとめて行うという前代未聞のものになりました。
プロ棋士の世界で次々と記録を塗りかえている藤井さんにお話を伺ってきました。
この春、高校に進学したばかりの15歳の素顔も垣間見えましたよ。」

藤井聡太 七段 15歳の素顔

桑子
「こんにちは、はじめまして。
ニュースウオッチ9のアナウンサーの桑子と申します。
今日は、よろしくお願いいたします。」

藤井聡太 七段
「よろしくお願いします。」

桑子
「ニュースウオッチ9、ふだんご覧いただいていたりしますか?」

藤井聡太 七段
「あ、はい。」

桑子
「そうですか!
テレビはどんなテレビをよく見るんですか?」

藤井聡太 七段
「ニュースが多いです。」

桑子
「今、関心あるニュースは?」

藤井聡太 七段
「あすが米朝首脳会談ですので。(収録日は11日)」

プロになって以来、毎週のように公式戦を戦う藤井さん。
この日も対局に臨んでいました。

桑子
「対局を終えて、まず真っ先に『これがしたい』って思うことはあるんですか?」

藤井聡太 七段
「対局が終わったあとだと、やはりまだ対局中の余韻が残っていて、やはり対局について、もっと深く掘り下げたい気持ちが強い。」

桑子
「その日は眠れなかったり。」

藤井聡太 七段
「なかなか寝つけない時もあった。」

桑子
「そうですか。
対局の前に必ずすること、願掛けのようなものはあるんですか?」

藤井聡太 七段
「いや、私の場合はそういうルーティーンワークみたいなものはないので、ふだんどおり臨めればいいかなと、いつも思っている。」

藤井さんの公式戦連勝記録に注目が集まってから、およそ1年。
“藤井フィーバー”は続いています。

羽生善治二冠など、トップ棋士との対局にも勝利。
今年(2018年)に入ってからは、異例の速さで昇段を重ねています。

桑子
「本当に藤井さんの一挙手一投足が注目を今集めていますけれど。」

藤井聡太 七段
「私自身、対局の時に本当に報道の方も多くて、注目してもらっているが、ふだん、それを実感することはなくて。」

桑子
「ないですか?」

藤井聡太 七段
「はい。」

桑子
「プレッシャーのようなものは感じないですか?」

藤井聡太 七段
「あまり勝ち負けにこだわりすぎてしまうと良くないかなと思っているので、あまりそういうことを考えずに、盤上の最善手を真摯(しんし)に追求することが、結果的に勝ちにもつながることかなと思っているので。」

この春 高校進学

この春、地元・愛知県の高校に進学した藤井さん。
将棋の対局のたびに、大阪や東京に出向く生活を送っています。

桑子
「今、学校生活は楽しいですか?」

藤井聡太 七段
「いいリフレッシュというか、新しいものに触れることもできるし、いい影響を与えているのかなと。
家で将棋ばかりしていると、どうしても発想に行き詰まってしまうとかもあるので、学校での時間も大切なものかなと感じている。」

桑子
「お友達とはどういう会話をふだんされるんですか?」

藤井聡太 七段
「あまり将棋の話はしない。
本当に、たあいもない話ばかりですけど、わたし鉄道が趣味なので、そういった話とかも多い。」

桑子
「ちなみに、好きな科目、嫌いな科目ありますか?」

藤井聡太 七段
「好きな科目は数学ですかね。
答えがはっきり定まるところがあっているのかなと思う。」

桑子
「それは将棋とつながるところなんですか?
それとは別ですか?」

藤井聡太 七段
「将棋も突き詰めれば必ず1つの結論があるが、難しすぎて、そこにはたどりつけないが。」

桑子
「ふだんは迷う方ですか?
それとも、割と即決型ですか?」

藤井聡太 七段
「結構、自分は優柔不断というか、決断がなかなかできない方ですけど。」

AI台頭の時代に…

藤井さんが突きつめる、一手。
つい最近も、将棋界に衝撃を与えました。

8大タイトル戦の1つ、竜王戦の決勝トーナメント出場をかけた、石田直裕 五段との一局。
一進一退で迎えた終盤。
藤井さんは相手の「歩」をとって「飛車」を差し出します。
通常では考えられない一手で、対局を分析していたAIも、当初、読めていませんでした。
しかし、この手をきっかけに藤井さんは勝利。
AIの読みを上回る藤井さんの将棋に、“AI超え”との声が相次いだのです。

桑子
「先日は“AI超え”と言われる一手を打たれて話題になっていますけれど、AIが台頭している時代、その中で将棋とどういうふうに向き合っていらっしゃるんですか?」

藤井聡太 七段
「将棋ソフトは人間の価値観にとらわれない将棋を指すので、そういったところで将棋の枠というか考え方を広げてくれたところがあるのかなと思っていて、自分自身も(将棋)ソフトの感覚に触れることで成長できたのではないかと思っている。」

桑子
「AIと対局するということも見られるようになった中で、人と人が対局をするということの意義をどのように感じていらっしゃいますか?」

藤井聡太 七段
「それは常に問われていることなのかなと思うが、生身の人間同士の勝負は、数字だけではない臨場感とか、味わえるのかなと思っている。」

桑子
「臨場感がある。」

藤井聡太 七段
「やはり棋士が盤上に真剣に向き合っている姿は、何か感じるものがあれば、自分としてもうれしく思う。」

将棋への探究心

プロとして対局を重ねて1年半。
今、藤井さんは自分自身をどう見ているのでしょうか。

桑子
「プロになってから、将棋が楽しいことだけではなくて、職業として自分の生きていくための存在になりましたけれど、そこで重みになったり、それこそ苦しいなっていうふうに思うことはないですか?」

藤井聡太 七段
「将棋は5歳のころから始めて、ずっと楽しんでやってきたので、つらいと思うことはない。
将棋に対しての探究心・好奇心は、将棋を始めたころから感じていたことなので、この気持ちは忘れずに大切にしていきたいなと思っている。」

タイトルへの距離

今年度、藤井さんは、8大タイトルのうち3つのタイトル獲得のチャンスがあります。
現実味を帯びてきた中、その思いも語ってくれました。

藤井聡太 七段
「プロになった当初は、タイトルは遠い目標に感じられたが、やはりプロになってからの1年半で、いろいろな対局を重ねる中で、タイトルへの距離が見えてきた部分もあるので、さらに強くなることによって、その距離を少しでも縮めていけたらと思っている。」

桑子
「どんどんどんどん強くなったその先に何があるんですか?」

藤井聡太 七段
「やはり強くなることで、盤上に見える景色はどんどん変わってくると思うので、強くなることで、それを自分の目で体感したい気持ちが強い。」

桑子
「『盤上の景色を体感したい』。
まさに将棋への飽くなき探究心ですよね。」

有馬
「藤井 七段の言葉って、本当に浮つかないボキャブラリーというか、深い言葉なんですけれども、畳み掛けるように聞くから、目が合わなかったんじゃないですか、困っちゃったんじゃないですか。」

桑子
「恥ずかしがっていらっしゃったのか、なかなか目が合わなかったんですけれども、でも時折恥ずかしがりながら、でも考えながら真摯に答えてくれる人柄に胸がきゅんとしました。」

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