2018年9月4日(火)

“就活ルール”廃止?

桑子
「大学生の就職活動、大きく変わるかもしれません。
上原リポーターとお伝えします。」

上原
「こちら、今の大学生の就職活動のスケジュールを示したものです。
大学3年生の3月に会社説明会がスタート。
そして、4年生になって6月から採用面接が始まります。
そして10月に内定が出るということなんです。」

桑子
「ということは今ちょうど9月に入ったところですから、正式な内定が出る少し前だということですね。」

上原
「そうなんです。
このスケジュールは経団連が示している指針、いわば就職活動のルールに基づいているものなんですが、これが廃止されるかもしれません。」

“就活ルール”廃止? 経団連会長が発言

経団連 中西会長
「何月解禁ということは経団連の意見は『こうします』『しません』とか言わない。
経団連がこういう採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある。」

経団連の中西会長が語ったのは、大学生の就職活動のスケジュール。
新卒採用の解禁時期などについて、経団連がこれまで示してきたルールを廃止するべきだとしました。

上原
「学生の街、高田馬場に来ています。
就活のルールが撤廃されるかもしれないことについて、大学生のみなさんは、どう受けとめているのでしょうか。」

大学生
「困る。
早い者勝ちになる。」

大学生
「賛成。
自分がやりたいときに(就活を)やれて。」

大学生
「スタートが一緒じゃないから、こわい。」

過去にもたびたび変更

大学生の就職活動については、これまでもスケジュールがたびたび変更されてきました。

例えば3年前、2015年に入社した人たちは、採用面接の開始時期が大学4年の4月でした。
これについて政府は、大学生に学業に専念してもらおうと、就職活動の開始時期を遅らせることを経団連などに要請。

安倍首相
「4年生8月に後ろ倒しをお願いしたい。」

その結果、2016年に入社した人たちの就職活動では、面接開始が4か月後ろ倒しされて、大学4年の8月からとなりました。
ただ、真夏にスーツ姿で就職活動することになった学生たちは…。

大学生
「熱中症にかかり、何回か倒れそうに。」

スケジュールは再び変更され、去年2017年以降に入社した人たちは、面接開始が大学4年の6月からに2か月前倒しになりました。

就職活動のたび重なる日程変更に学生たちは振り回されてきたのです。

背景に人材獲得競争

こうした中で、経団連の中西会長が言及した就職活動の「ルール」の廃止。
背景にあるのは、激しさを増している人材獲得競争です。
景気の回復や人口減少による人手不足で、就職活動は、学生優位の「売り手市場」が続いています。
さらに、経団連に加盟していない外資系やIT系の企業が採用活動の時期をより早める中、経団連の「ルール」を順守する会員企業から不公平感も指摘されているのです。

経団連 中西会長
「守っていない企業が圧倒的に多い。
経団連以外はどんどん先にやる。
こういうのはおかしい。」

企業や大学からは…

企業の中には、ルールが廃止されることになれば、就職活動のあり方が変わる可能性があると考えているところもあります。

三井住友海上 採用チーム 保坂宇衣課長代理
「人材獲得競争で負けているとは思わないが、一括採用でいいとはあまり思わない。
通年採用も柔軟な対応ができると、将来的にはいいと思う。」

一方、大学では、ルールが変更されることになれば、学業への影響が出るという懸念もあります。

立教大学キャリアセンター 神山正之事務部長
「何の基準もなくなってしまうと、どのような企業でも(採用が)どんどん早くなっていく。
学業、課外活動、留学、ボランティアという機会、しっかり担保してもらいたい。
やはり何らかの指針、申し合わせは必要ではないか。」

学生からも様々な意見が聞かれました。

大学生
「常に(就活が)出来るとなると、自分のやりたい勉強ができにくくなる。
そういう面では問題あるんじゃないか。」

大学生
「企業も通年採用しているところはある。
就活を自分で考えて自分で動くことができるようになったほうが、何となく今の社会の形には合っている。」

日本型雇用 議論が必要

今回の経団連会長の発言の背景には、今の日本型の雇用システムを維持していては、海外企業との競争に勝ち抜けないという危機感もあります。
専門家は…。

日本総合研究所 山田久主席研究員
「終身雇用という考え方は日本の特殊な考え方。
グローバルなところ(企業)に合わせていく必要があるということで、採用方式を見直していくほうが望ましいという問題意識。
日本の雇用・採用のあり方、全体を含めて、改めて企業と大学、教育界が、もう1回議論し始めることが大事なのではないか。」

“就活ルール”廃止?

桑子
「雇用のあり方も、変化の時を迎えているということなのかもしれないですけど、その渦中の大学生たちは振り回されてしまっていて大変ですよね。」

上原
「そうですよね。
今日話を聞いてきた学生からも困惑の声が目立ちました。
特に、これまで就職活動の時期に合わせて部活動やサークルのスケジュールも調整していたのに、1年中就職活動になってしまうと、そのどちらにも力を注ぎきれない、中途半端になってしまうのではないかと心配している声もありました。」

桑子
「それって本末転倒といいますか、一番避けたいのは、今のモヤモヤした状況が続いてしまうことですよね。
学生たちのためにも、できる限り早く具体的な方向性を示してほしいです。」

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