2018年9月12日(水)

共和党に異変 進む“トランプ化”

有馬
「新たに出版された『暴露本』が大きな話題になっています。」

トランプ政権 衝撃の暴露本

首都ワシントンの書店に出来た長蛇の列。

人々のお目当ては、11日に発売されたこの本。
トランプ政権の幹部らへの取材をもとに、その内幕を描いたとする「恐怖」です。
発売からわずか1日で品切れ状態となりました。
本によると、トランプ大統領は、北朝鮮情勢が緊迫していた今年(2018年)1月、攻撃の前触れとも受け取られかねない内容をツイッターに投稿したいと提案。
国防総省幹部の間に衝撃が走り、周囲の説得によってツイートは見送られました。
トランプ大統領について、マティス国防長官はこう発言したとしています。

“小学5〜6年生程度の理解力しかない。”(マティス国防長官の発言とされる)

側近のケリー大統領補佐官も。

“バカで何を説明しようとしても無駄だ。”(ケリー大統領補佐官の発言とされる)

トランプ政権は、本の内容を強く否定しています。

有馬
「と、衝撃的な内容なんですけれども、トランプ大統領、支持者たちの間では、変わらず根強い人気を誇っているんです。
トランプ政権2年の審判となる中間選挙まで2か月を切った今、与党・共和党ではトランプ大統領の言動をまねる、ミニ・トランプ候補が続出。
党そのものの『トランプ化』が指摘されています。」

共和党に異変 進む“トランプ化”

アリゾナ州 議会上院 共和党候補に指名 マクサリー氏
「飛んで、闘って、勝つ!」

先月(8月)末、アリゾナ州で行われた議会上院の共和党予備選挙。
勝利したのは、下院からのくら替えを狙うマクサリー氏でした。

アリゾナ州 議会上院 共和党候補に指名 マクサリー氏
「『トランプ大統領の壁』をつくりましょう!」

元軍人で戦闘機のパイロットだったマクサリー氏。
選挙戦で、全面に打ち出したのは「トランプ大統領との近さ」でした。

トランプ大統領
「我が友、マクサリーは“買い”だ。
彼女はタフだ。」

アリゾナ州 議会上院 共和党候補に指名 マクサリー氏
「私も大統領と同じで、世間体を気にする政治屋ではない。
きれい事にはうんざりだ。」

そのマクサリー氏、実はかつてトランプ氏の言動を厳しく批判していました。

マクサリー氏のツイッター(2016年)
“トランプ氏の発言は最低だ。
女性への性的な暴行をジョークにするのは許されない。
ヘドが出そうだ。”

イスラム教徒の入国を、全面的に禁止すべきだと主張した当時のトランプ氏に対し…。

マクサリー氏
「ありえない。
トランプ氏の発言は、共和党やアメリカの信念に反する。
強く非難する。」

しかし、中間選挙で勝つために頼ったのは、トランプ大統領の支持者の票でした。

トランプ大統領
「議会には共和党議員が必要だ。
5人、6人、7人でも多く共和党上院議員が必要だ。
出来るはずだ。」

中間選挙に向け、精力的に各地で遊説し、共和党候補への投票を呼びかけるトランプ大統領。
白人労働者やキリスト教福音派などに広がる底堅い支持に支えられ、共和党支持者の間では、8割を超える支持を堅持しています。
その人気にあやかろうという候補が続出しているのです。

トランプ大統領
「あの候補は、支持が3ポイントしかなかったのに、私がちょっとツイッターで支持を表明してやったら、20ポイント超にまで支持が増えたんだ。」

「自分のおかげで支持率が伸びた」。
そうトランプ大統領が豪語したのが、フロリダ州の知事選で共和党の指名を勝ち取ったデサンティス氏です。

フロリダ州知事選 共和党候補に指名 デサンティス氏
「大統領の支援に感謝。
なにより、この偉大な国を導くあなたの指導力に感謝する。」

勝利に向けて打ち出したのが「トランプ語録」を連発する戦略でした。

デサンティス氏の妻
「夫は大統領に支持されているの。
子どもと遊ぶのが大好き。」

フロリダ州知事選 共和党候補に指名 デサンティス氏
「壁をつくろう。」

デサンティス氏の妻
「本も読んであげるの。」

フロリダ州知事選 共和党候補に指名 デサンティス氏
「トランプさんは言いました。
“お前はクビだ”。
最高だな。」

デサンティス氏の妻
「話し方も教えてあげているわ。」

フロリダ州知事選 共和党候補に指名 デサンティス氏
「アメリカを再び偉大に。」

トランプ大統領
「壁をつくる。」
「移民は人殺しで、泥棒かも。」
「ワシントンからゴミを一掃する。」

今、全米の各地で、トランプ大統領と同じ「ことば」を使うことで、有権者にアピールしようというミニ・トランプ候補が続々と現れています。

共和党候補者のPR動画
「トランプ大統領は正しい。
国境を強化しないといけない。」
「政府支出を吹き飛ばす。」
「銃も所持している。
誰にも奪わせない。」

共和党候補者のPR動画
「大統領の政策を実行に移す。
壁をつくってやる。」

共和党候補者のPR動画
「大統領とともにワシントンからゴミを一掃する。」

そして、アリゾナのマクサリー候補も。

マクサリー氏のPR動画
「いま、私はトランプ大統領とともに、市民の安全を守るため、国境強化に取り組んでいる。
壁をつくり、国境警備を強化する。」

かつては移民政策で穏健な立場をとっていましたが、今はトランプ大統領の主張そのものです。
こうしたマクサリー氏に対し、多くの有権者が票を投じたのです。

マクサリー氏を支援
「トランプ大統領の支持者だから、マクサリー氏の活躍が楽しみ。」

こうした中、共和党そのものの変容が指摘されています。
トランプ大統領を厳しく批判してきたマケイン上院議員が先月末、死去。
マケイン氏ら党の重鎮たちが、トランプ氏の就任前からとりわけ問題視してきたのが、大統領としての品格でした。

共和党 マケイン上院議員(2016年の声明)
“女性を傷つけ、性的暴行を豪語するような発言を聞いたからには、彼の立候補を支持することはできない。”

共和党 コーカー上院外交委員長
「あのような精神状態の人間が大統領だとは。
トランプ氏はアメリカをおとしめている。」

しかし、その“もの言う”主流派の議員たちは相次いで引退を表明しています。
こうした状況について専門家は。

バージニア大学 コンディック氏
「共和党は白人労働者の党になり、学歴のある白人は民主党に流れつつある。
大統領に批判的な共和党議員の多くは引退するか、(立候補しても)党の指名を得られないだろう。
党内の反トランプの声は小さくなる。」

桑子
「この流れはちょっと心配ですよね。
底堅いトランプ人気にあやかって選挙に勝とうという政治家がこれだけいるということには驚きました。」

有馬
「政治家としての思想信条や政策、これはもちろんなんですけれども、多くのアメリカ人が大切にしてきたはずの品格まで本当に投げ捨ててしまうのだとすれば、これは残念です。
中間選挙まであと2か月を切りました。
アメリカの有権者はどんな選択をするのか。
この番組でも注視していきたいと思います。」

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