2018年9月18日(火)

鍵は“地方” 背景に何が?

有馬
「都道府県の地価調査。
これは土地の取引価格の指標となるものなんですけれども、今年(2018年)全国の平均価格が27年ぶりに上昇しました。
バブル期以来のことなんです。」

桑子
「価格を押し上げた要因の1つが地方にあるということなんですが、一体何が起きているんでしょうか。」

人口減少の島で地価上昇? 一体何が 行ってみると…

石井リポーター
「香川県の直島に来ています。
人口減少が進む、およそ3,000人の島ですが、今、この島でも地価が上がっています。」

古くからの漁師町、直島。
高齢化や人口減少が進んでいましたが、今年の地価は0.9%の上昇。
25年ぶりに上昇に転じました。
地価上昇の理由。

起爆材となっているのは、島が力を入れてきたアート作品です。
日本を代表する芸術家・草間彌生さんの作品など、島中で現代アートを楽しむことができ、国内外から年間50万人が訪れています。

日本人観光客
「いい写真が撮れる。」

日本人観光客
「インスタ映え。」

日本人観光客
「おしゃれだから。」

石井リポーター
「旅の目的は?」

外国人観光客
「モダンアートを見て回っているんです。」

観光客の増加にあわせ、カフェや民宿を営むため、島に移住する人も増えています。
そして今年、島に新たに誕生したのが、20年以上なかったという不動産屋です。

東京でマンションのディベロッパーとして働いていた山岸さん。
3年半前に島に移住し、カフェやゲストハウスを営んでいましたが、移住希望者が増えているため、新たに不動産ビジネスを始めました。

石井リポーター
「家賃はいくら?」

直島不動産 山岸正明代表
「相場は大小いろいろだが、3〜5万円くらい。」

空き家だった古い民家を改装した、こちらの物件は家賃6万円。
こちらも応募が殺到し、すぐに成約しました。
周辺の島と比べると高い家賃設定ですが、それでも物件が足りない状況だと言います。

直島不動産 山岸正明代表
「移住者が増えているので、家賃が少しずつ上がっているのかなという感覚は持っている。
物件が出てこないところで、(希望者の)行列ができているような状況。」

日本の地価上昇 背景は? 外国人旅行者 東京五輪

地方の地価を押し上げているのが、外国人旅行者の増加です。
高松市では、今年から来年(2019年)にかけて、少なくとも4棟のホテルの建設が予定されています。

JR四国 松木裕之常務
「これでもまだまだ足りないのでは、市内全体で。
まだまだ余地があると判断している。」

温泉で知られる大分県別府市でも、宿泊施設への投資が相次いでいます。
市内を一望できる高台には、富裕層をターゲットとした高級リゾートホテルの進出も予定されています。

ホテルの運営会社 ハンス・ハイリガーズCEO
「別府が提供する温泉の質は素晴らしい。
健康にもつながる観光は、世界で急速に伸びている観光分野。」

再来年(2020年)に迫った東京オリンピックも地価の上昇に影響を与えています。
サーフィンの会場となる千葉県一宮町。
人口1万2,000の小さな町です。
会場に決まって以降、玄関近くに砂を洗い流せるスペースを備えるなど、サーファー向けの賃貸住宅の建設が相次いでいます。
周辺の市町村で地価の下落が続く中、海岸近くの住宅地では地価が大幅に上昇しました。

日本の地価 上昇 商業地が特に堅調

27年ぶりに上昇に転じた地価。

用途別にみてみると「商業地」が特に堅調で、全国平均でプラス1.1%。
2年連続で上昇となり、伸び率も拡大しました。
東京、大阪、名古屋の「三大都市圏」の商業地をみてみると、平均でプラス4.2%。
札幌、仙台、広島、福岡の4つの市は、平均でプラス9.2%の上昇となりました。

日本の地価 上昇 海外から投資の動きも

地価が上昇している大阪では、外国人によるこんな動きも…。

こちらの不動産仲介会社の応接室で行われた商談。
中国人男性によるワンルームマンションの購入手続きです。
購入したのは、大阪市内のマンションの1室。
およそ600万円を現金で支払いました。
1年前にも別のマンションの1室を購入していて、今後も安定的な家賃収入が見込める物件を購入していく計画だということです。

購入した中国人
「私は普通の庶民で富豪ではない。
庶民にとって大阪は(投資するには)最も現実的で近い場所だ。」

こうした海外からの不動産投資も、地価上昇の要因の1つになっています。

地価上昇の今後は? 地域格差への懸念も…

外国人がけん引する地価の上昇、今後はどうなるのか。
専門家は…。

『ジョーンズ ラング ラサール』 沢柳知彦取締役
「よくオリンピックのあとに不況がくると言われているが、オリンピックが終わったら人がこなくなるというわけではないので、引き続きオリンピックの後も安定的な成長が見込めるのではないか。」

その上で…。

『ジョーンズ ラング ラサール』 沢柳知彦取締役
「都市、地域によって格差が出てきていて、例えば、東北はインバウンドの伸びが高くなりきっていないと言われている。
一方、札幌や福岡はすごい勢いでインバウンドが増えてきていて、地方都市でも外から人が入ってくるような仕組みが作れるかによって、地価の動向がだんだん大きく変わってくるのではないか。」

日本の地価 上昇 二極化の懸念も

桑子
「いかに外国人にとっても魅力的な街作りをしていくかということですよね。」

有馬
「大きく言えば、これまでは都市と地方とで地価が二極化する傾向があったわけですけれども、これからは地方どうしの競争ですよね。
いかに魅力ある街にして、お金や人を呼び込んでいくか、これが問われることになります。」

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