2018年9月25日(火)

貴乃花親方 日本相撲協会に退職届

平成の大横綱、貴乃花親方。

貴乃花親方
「本日、公益財団法人・日本相撲協会に年寄を引退する旨の届けを提出した。」

突然の会見で明らかにしたのは、日本相撲協会への退職届の提出と決断の理由でした。

平成の大横綱が突然… 日本相撲協会に退職届

まずあげたのが、元横綱・日馬富士の傷害事件をめぐる告発状。
日本相撲協会の対応に問題があるとして貴乃花親方が内閣府に提出し、その後、取り下げていましたが…。

貴乃花親方
「告発状の内容には、なんら真実に反する点はなかった。
8月7日、日本相撲協会より、外部の弁護士の見解を踏まえたとする書面が届いた。
書面では、告発状は事実無根な理由に基づいてなされたものと結論づけられていた。
その後、告発状の内容が事実無根な理由でなされたものと認めないと、親方を廃業せざるをえないという有形・無形の要請を受け続けてきた。」

さらにあげた理由が、ゆかりの深い相撲部屋でつくるグループ、「一門」への所属をめぐる問題です。
日本相撲協会は今年(2018年)7月の理事会で、すべての親方にいずれかの一門に所属することを義務づけました。

しかし貴乃花親方は、自ら立ち上げた「貴乃花一門」を6月に離脱。
無所属となっていました。

貴乃花親方
「いずれかの一門に入る条件として、告発内容は事実無根な理由に基づいてなされたと認めるよう、要請を受け続けていた。」

そのうえで…。

貴乃花親方
「告発状は、事実無根な理由に基づくものではない。
真実をまげて、告発は事実無根だと認めることは私にはできない。
このままでは私はどの一門にも属することができない。
これでは貴乃花部屋に所属する力士たちは、相撲を続けることが困難。
安心して鍛錬、精進することができない。
年寄を引退させていただくことが最善の道だと、苦渋の決断をするにいたった。」

昨日(24日)、部屋の後援会のホームページに「皆様、長らく貴乃花を応援してくださりありがとうございました」などと記載していた貴乃花親方。
決断は、いつ下したのか。

貴乃花親方
「最終的に決断したのは、けさ早く。
けさ(弟子など)全員で初めて向き合って話をした。
涙する子たちもほとんどだった。」

かつて、昭和の大横綱・千代の富士に引退を決意させる金星をあげ…。
けがをおして鬼の形相で優勝を果たした一番など、多くの人の記憶に残る貴乃花親方。

「ショックです。」

「辞めると寂しい。」

しかし、貴乃花親方は、退職の決意について…。

「協会に残るという考えは?」

貴乃花親方
「ございません。
苦渋の決断ではあるが、弟子たちの将来を見据えて断腸の思いだ。」

一方、日本相撲協会は午後8時半から会見。

日本相撲協会の会見
「告発状が事実無根だと認めないと一門に入れないわけではないし、そうしたことを言って貴乃花親方に圧力をかけた事実はない。」

すれ違う両者の主張。
真相はどこにあるのでしょうか。



有馬
「貴乃花親方が、突然の退職届です。」

桑子
「相撲界を沸かせ、親方となったあとも相撲ファンを広げてきた貴乃花。
退職の理由として挙げた『告発状』、そして『一門』の問題とは?」

背景にいったい何が…

刈谷富士雄解説委員
「早まるな、貴乃花早まるなという気持ちですね。」

相撲取材歴30年の刈屋解説委員は、こう語ります。

刈谷富士雄解説委員
「もの凄く驚きましたし、秋場所中の貴乃花親方のいろいろな言動を聞いているかぎり、そういうそぶりはまったく見えなかったんですよね。」

会見で貴乃花親方は、退職届を提出した理由について「貴ノ岩への傷害事件に関する告発状について、『事実無根な理由によりなされたものだ』と認めるよう要請を受け続けてきた。それは私がいずれの一門に入る条件としての要請だった」と説明しました。
これについて刈屋解説委員は…。

刈谷富士雄解説委員
「圧力という部分であったんだろうなというのは想像がつく。
ただ、それは相撲協会全体、総意での圧力でないことだけは間違いない。
そういう圧力がきたのであれば、それが協会の総意、協会全ての決定と思い込んでしまったのではないかと。
ちゃんと協会の話を聞いてから結論を出しても遅くないのではないか。」

「一門」とは、親方どうしが師匠と弟子の関係にあるなどゆかりの深い相撲部屋でつくるグループの名称です。
日本相撲協会は、ことし7月の理事会で、「すべての親方は、現在5つある一門に所属すること」という規程を決議。
相撲協会は、今月(9月)27日の理事会までに、各親方に対して所属先を決めるように求めていました。
かつて貴乃花一門に所属していた阿武松親方などは二所ノ関一門に、立浪親方などは出羽海一門に所属する予定になっていましたが、すべての親方のうち、貴乃花親方1人だけが所属先のめどが立っていませんでした。

協会の決定の理由について、刈屋解説委員は…。

刈谷富士雄解説委員
「いろいろな暴力問題、不祥事もあった。
公益法人になったときに、もっとガバナンスをしっかりしろと、スポーツ庁からも監督官庁からも当然言われている。
そうなったときに、相撲協会の組織の中で、これまでの歴史の中で一番ガバナンスが機能してきたのは『一門』なんですよ。
ガバナンスを強化するためには、一門を強化していかなくてはいけない。
これは1つの流れとしては分かるんですよね。
ただ、所属の条件として、告発状が事実無根と認めなくてはいけないという条件がつくのはありえないと思います。
ありえないし、あってはいけないことですよね。
のむ必要もないと思います。」

相撲ブーム支え 弟子を育て…

22回の優勝を果たし、大横綱の道を歩んだ貴乃花親方。
昭和63年、大相撲の世界に入りました。

柔らかい足腰を生かした寄りと投げで、番付を上げていきました。
そして、兄の若乃花とともに「若貴フィーバー」と呼ばれる空前の相撲ブームが到来。

平成6年、横綱に昇進し、優勝を重ねていきました。
平成13年の夏場所、右ひざのケガを抱えて千秋楽に出場。
決定戦の末、優勝を果たしました。

小泉純一郎首相(当時)
「痛みに耐えてよく頑張った、感動した!」

平成15年に引退したあと、貴乃花部屋を作り、弟子たちを育てました。

どう見る 反応は

高橋リポーター
「東京・両国です。
相撲協会に退職願を提出した貴乃花親方、街の人はどのように捉えているのでしょうか?」

「よく分からないけど、なんか残念な気持ちがする。
横綱までいった人が、あんな形になって。」

「理由が知りたい。
現役の時はヒーローだったので、いろいろ問題あったとはいえ、本当にそれが相撲協会の中の問題として正しいものなのか。」

また、元横綱・若乃花で兄の花田虎上(はなだ・まさる)さんは…。

元横綱・若乃花 花田虎上さん
「本当に苦渋の決断だと思いますし、これからどうするのかな。
兄としては、心配になりますけどね。
僕たちには応援してくれたファンがいるので、その方たちが悲しむことがないよう、変わらず頑張ってほしい。」

さらに、大相撲に詳しいデーモン閣下さんは…。

電話:デーモン閣下
「親方が取られた行動は、ある意味、男としてというか、彼の性格も含めてやむをえないだろうなと思うところはあった。
特に批判するつもりはない。
ただ全体として、相撲協会と親方との関係性含めて、何かすっきりしないなという思いは相撲ファンとしてありますね。」

午後8時半ごろ、日本相撲協会は会見を開きました。

日本相撲協会の会見
「告発状を事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めないと、親方を廃業せざるを得ないなどの、有形・無形の圧力と要請を続けているとあるが、これが事実かどうか、そのような事実は一切ない。
一門に所属しない親方は部屋を廃業しなければならない旨の決定がなされたとあるが、そのような事実も一切ない。」

相撲協会への影響は

貴乃花親方の退職届が相撲協会に与える影響について、刈屋解説委員は…。

刈谷富士雄解説委員
「イメージダウンは避けられない。
大功労者の貴乃花を、しっかり処遇できなかった。
処分しておきながら、一部とはいえ、プレッシャーをかけて追い出したイメージがある。
これはイメージとしたらものすごく悪い。
だから貴乃花の引退届を、相撲協会はすぐに受理することはあってはいけない。
ちゃんと貴乃花がなぜそう至ったのか聞いて、説得すべきだと思う。
貴乃花も簡単にやめてはいけない。
話を聞いて、引退届の撤回もあってしかるべき。」

桑子
「もやもやとしたものが残りますね。
このままでは相撲界にとってもいいことはないですよね。」

有馬
「“仕切り直し”できないかと思います。
もう一度、協会と親方の間で直接、話をすることはできないでしょうか。」

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