2018年10月26日(金)

ネットいじめ 過去最多 子どもたちの世界で何が…

上原
「過去最多となっている、子どもたちのいじめの件数。
中でも深刻なのが、インターネットを使った『ネットいじめ』です。」

有馬
「昨年度、過去最多となりました。
子どもたちの世界で、いったい何が起きているのでしょうか。」

ネットいじめ 過去最多 ささいな事がきっかけで…

“マジで死ねって。”

“本当にウザイ、キモイ。”

インターネット上で友人などをひぼう中傷する、こうした「ネットいじめ」。
実はささいな事をきっかけに始まることが多いのです。
こちらは、子ども向けの教材として制作されたネットいじめのビデオです。

“うわ、55点、俺以下じゃん。お前も、お前も。”

“いつも空気読めないと思ってたけど、さすがに引くわー!!”

“ドン引きー。”

“前より悪口がひどくなってる。
このままじゃまずいよね。”

文部科学省の調べによりますと、昨年度、全国の学校が把握した「ネットいじめ」の件数は1万2,632件。
調査を始めた平成18年度は4,883件でしたが、その後、スマートフォンやSNSのLINEの普及で増加し続け、過去最多となりました。

背景にスマホ・携帯の普及

実際にネットでいじめを受けた子どもが、自殺したケースも出ています。
新潟県で今年(2018年)、いじめの被害を訴えるメモを残して自殺した高校3年の男子生徒は、SNSでひぼう中傷されるなどのいじめを受けていたことがわかっています。

文部科学省は、現在、ネットいじめを防ぐ対策を進めていますが、外部から把握しづらいため、実際は今回わかった1万2,000余りの件数より多くのいじめがあるとみられています。
内閣府の最新の調査によると、子どもたちのスマホ・携帯電話の所有・利用率は小学生の半数以上、中学生は7割近く、高校生は9割以上となっています。

千葉大学 藤川大祐教授
「スマートフォンが普及して以降、SNSなどのアプリを子どもが日常的に使い、友達同士のコミュニケーションが増えた。
そうした中(ネット)いじめも増えているのが現状。
なかなか発見しにくい。」

“早い段階で相談・通報を”

増え続ける「ネットいじめ」。
子どもたちが匿名で通報できるアプリを導入する動きが始まっています。
熊本県は、4月からすべての県立の高校と中学校で導入。
いじめを疑わせるやりとりがあった場合などに、こうした画面を撮影した写真や、いじめに関係する人の名前を通報できます。
内容はアプリの開発企業から教育委員会に転送されます。

熊本県教育委員会によりますと、8月末までに812件の通報があり、このうち33件はネットいじめを含むいじめを確認し、学校が対応したということです。
このうち20件については、通報で初めて問題が把握されました。

大橋リポーター
「スマホを使ったいじめは、スマホで防ぐ。
今、こうした動きが広がりを見せています。」

ネットのいじめを防ぐアプリ。
普及を進めている、谷山大三郎(たにやま・だいざぶろう)さんです。
最近のネットいじめの傾向について…。

ストップイットジャパン 谷山大三郎さん
「(ネットいじめで)多いのは、例えば5人や6人で最初は仲よくやりとりしてる。
ただ、ささいなことでケンカになってからは、そのうちの1人が何か発してもみんなで返信しなかったり、コメントしない。
陰で5人のグループを作って、悪口を言ったりしています。」

相談は教育委員会やいじめ相談窓口が対応し、子どもの許可を得た上で学校に連絡して解決を図るといいます。

ストップイットジャパン 谷山大三郎さん
「ネットいじめの怖いところは、初期の段階では周囲の大人が発見しづらい。
先生などが発見した時には、すでに深刻な状態が多く、解決も大変。
アプリを使い、初期段階で発見できるので、対応も解決も早くできる。」

実は谷山さん自身も、子ども時代、いじめを受けていました。
制服を切られたり物を隠されたりしていましたが、親を心配させたくないと、教師などには相談できなかったといいます。

ストップイットジャパン 谷山大三郎さん
「いじめもつらかったが、誰かに“助けて”“いじめられている”と言えなかったことが大きかった。」

アプリの普及だけでなく、講演などを通じて、いじめを誰かに相談する大切さを知ってもらう活動も行っています。

ストップイットジャパン 谷山大三郎さん
「1人でも多くの人が誰かを助けたいとか、いじめはダメだ、かわいそう、心配するとか、1人でも多ければ多いほど、いじめは止まりやすいという研究結果が出ている。」

このアプリは、これまでに11の自治体、合わせて173校に導入されました。
このうち千葉県柏市では、電話やメールよりもアプリを使った相談件数が9倍も多かったといいます。

ストップイットジャパン 谷山大三郎さん
「『匿名』が大きい。
特に誰かのいじめを止める時に、絶対に自分はバレたくないというのが強い。
でも“助けたい”という気持ちはある。
“投書箱”に似ていると思う。
実際に投書するのと同じで、言った人は分からないが、確実に信頼できる大人に届く仕組みが相談のしやすさにある。」

上原
「子どもたちが勇気を持って発信した声を、どう受け取って解決へと導いていけるか。
大人こそが、それを問われていると思います。」

有馬
「アプリの相談窓口も大事ですよね。
ただ、谷山さんによりますと、従来の電話相談や直接相談できる窓口を開いておくことも重要だと話しています。」

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