2018年11月19日(月)

発達障害とともに 悩む人たちに奏でるピアノ

桑子
「ピアニストの野田あすかさん。
発達障害があり、子どものころから周りになじめないことに悩み、いじめや不登校を経験してきました。」

有馬
「今、野田さんは初めての全国ツアーを行っています。
自分と同じような悩みを持つ人に向けて奏でる音楽とは?」

発達障害とともに ピアニスト・野田あすかさん

今日(19日)、都内で開かれたコンサート。

観客
「聞いていて、優しいというか、すごく心が満たされて、すてきだなと。」

観客
「上手とか上手じゃないところで、届くところがあるというか、音楽がある。」

4歳からピアノを始めた野田さん。
毎日、ほとんどの時間を練習に当てています。
正午、決まって送られてくるマネージャーからのメールがあります。

“お昼ごはんの時間だよ。
しっかり食べてね。”

集中すると1つのことに没頭してしまい、昼食を取るのも忘れてしまうためです。

野田さんは、22歳の時に発達障害と診断されました。
対人関係を築くのが苦手などの特性がある「自閉スペクトラム症」で、さらに、ストレスを感じた時に感情をコントロールできない「かい離性障害」もあります。
家族も、対応に戸惑ってきました。

母 恭子さん
「なにかストレス感じたときは、あすかはリストカットしたり、過呼吸おこしたり、生死に関係するような行動をしていたので、いつもびくびくしていた。」

周囲となじめず、苦しんだ日々。
いつも心の支えだったのが、ピアノを弾くことでした。
しかし、野田さんは、すぐには音符を理解できません。
形を把握することが苦手なためです。
そこで、独自の方法で練習を重ねてきました。
まず、目印となる場所に、カラーペンで補助線を引きます。

ピアニスト 野田あすかさん
「ソ、ファ、レ…。」

補助線から高い位置にあるか、低い位置にあるかを参考に音譜を読み解き、スマートフォンに録音。

“ソ、ラ♭…。”

そのままカタカナに書き起こします。
楽譜を一段読むのに、丸一日かかることもあります。

野田あすかさん
「普通はこう、楽譜を置いたら、ぱって弾いちゃえるんだって。
時間かかったりするけど、全部できたときの喜びがすごくて、ちょっとお得かなって思うときもある。」

“私は私のままで…”

ピアニストとして転機となったのが、短大の音楽科に通っていたときの恩師の言葉でした。
「あなたの思う音のままでとてもすてきよ」。
気持ちが音に自然に出ていると、あすかさんのピアノを認めてくれたのです。

「私は私のままでいい」。
ピアノを通じて、自分の「居場所」を見つけることができました。
そして今、かつての自分のように悩む人たちに向けて作った歌があります。

野田あすかさん
「小さいころの私は、まわりと比べて自分をできそこないだと思っていました。
自分の味方がたくさんいることに気づいた今だからこそ、この歌を皆さんに届けられるようになりました。」

みずから収録したピアノの音に乗せて届けました。

『手紙~小さい頃の私へ~』
“あなたがまわりに怒られていても ずっと味方でいる人
あなたがあなたのままでいていいんだよって言ってくれるよ”

野田あすかさん
「私は障害者の人を助けたいとかじゃなくて、今までいろんな人を傷つけてきたから、いろいろな人を助けられるようなピアニストになりたいです。」

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