2019年2月6日(水)

一般教書演説 ねじれ議会の中で… トランプ大統領「ともに」の狙い

桑子
「アメリカ、トランプ大統領の『一般教書演説』が行われました。」

有馬  
「ねじれ議会で公約実現の目処も立たず、逆境の中で行われた演説です。
トランプ大統領が繰り返し発したのは『TOGETHER=ともに』の言葉。
込められた狙いを読み解きます。」

アメリカ一般教書演説 繰り返した“ともに”

議会に国の現状を報告し、今後1年の施政方針を示す「一般教書演説」。
生中継で全米の国民に訴えかける、年に一度の重要な機会です。

演説はこの呼びかけで始まりました。

アメリカ トランプ大統領
「今日話すのは、共和党の課題でも民主党の課題でもない。
アメリカ国民の課題だ。
ともに(together)取り組めば、政治的なこう着を打開できる。
分断を埋め、傷を癒やし、協力関係を築くことができる。」

およそ1時間20分に及んだ演説。
10回にわたって繰り返したのは。

トランプ 大統領
「together(ともに)」。

「ともに」の言葉です。

そして、自らの経済政策の成果をアピール。
特に中間層の賃金向上を強調しました。

アメリカ トランプ大統領
「賃金の伸びも数十年で最速だ。
私が取る組むと約束した労働者階級の賃金は、すごい速さで伸びている。
アメリカの現状は堅固だ(The state of our union is strong)」

会場からのUSAのコールに、ご満悦の表情です。

アメリカ一般教書演説  “壁建設は義務“

最も多くの時間を割いたのは、就任前から強いこだわりを見せるこの公約でした。

アメリカ トランプ大統領
「無法地帯の国境付近は、アメリカ国民の安全を脅かしている。
彼らの命や仕事を守るための移民制度をつくる義務がある。」

そのうえで、不法移民に殺害された夫婦の家族を紹介しました。

アメリカ トランプ大統領
「ジェラルドとシャロンは、強盗に入った不法移民に射殺された。」

そして、壁の建設に反対する民主党に協力を呼びかけました。

アメリカ トランプ大統領
「壁が建設されれば、不法移民の数は激減する。
まだ壁は実現していない。
私は壁をつくる!」

アメリカ一般教書演説 女性に配慮した発言も

自らの女性をめぐるスキャンダルに根強い批判がある中、女性にはこんな配慮も見せました。

アメリカ トランプ大統領
「かつてないほど多くの女性が働いている。
女性議員の数もかつてなく多い。」

民主党の女性議員たち。
この時ばかりは立ち上がって歓声を上げました。

アメリカ トランプ大統領
「私に拍手しちゃっていいのか?」

アメリカ一般教書演説 大統領選を見すえて

専門家は、トランプ大統領の念頭には、来年(2020年)に迫った選挙があると指摘します。

慶應義塾大学 渡辺靖教授
「共和党の中で“トランプ離れ”の兆しが、少し見え始めている。
大きな要因が壁建設と政府閉鎖。
大統領としては党内の足元を固めると。
2020年の大統領選を踏まえると、女性有権者の支持もほしいので、働きかける。」

アメリカ一般教書演説 米中“貿易戦争”は

一方、外交についてまず語ったのは、この問題です。

アメリカ トランプ大統領
「我々は中国からの輸入品、2,500億ドル分に関税をかけている。
何十億ドルもの税収が入って来ている。
アメリカを利用していると中国を責めたりはしない。
習主席をとても尊敬している。
私たちは新たな貿易合意について協議している。」

中国に解決を迫りながら、同時に習主席への配慮も示したトランプ大統領。
そこには2つの意図があると渡辺教授は見ています。

慶應義塾大学 渡辺靖教授
「トランプ大統領は、3月1日までに交渉をまとめるという期日を設けていて、遠くないうちに交渉相手となる人物をいまの段階で挑発してしまうと、会談の内容が非常に険悪になってしまう。
貿易戦争の影響を受けているトランプ支持者も出てきているので、さらに貿易戦争を激化するようなことを言うと、岩盤支持層から反発も招きかねないという配慮もあったと思う。」

アメリカ一般教書演説 北朝鮮問題では

そして、北朝鮮については。 

アメリカ トランプ大統領
「核実験は止まり、15か月以上、ミサイル発射もない。
私が大統領に選ばれていなかったら、いま北朝鮮と戦争になっていただろう。」

自らの成果をまず強調。
2回目の米朝首脳会談を今月(2月)27日と28日の2日間の日程で、ベトナムで開催すると発表しました。

アメリカ トランプ大統領
「まだ多くの仕事が残されている。
しかし、私とキム委員長との関係は良好だ。」

慶應義塾大学 渡辺靖教授
「去年の一般教書演説では、脱北者をゲストに招いて、彼らをたたえる演説を行った。
今回は北朝鮮の人権・人道問題に関して言及はなかった。
もしかするとトランプ大統領のなかで、あくまで核・ミサイルだけが問題。
日本にも関係がある人権・人道面に関しては、彼の関心から、やや優先順位が低くなっているのかなとの印象。」

一般教書演説 最後は“アメリカ第一”

今回の一般教書演説。
テーマを「偉大さの選択」と位置づけていたトランプ大統領。
最後はこう締めくくりました。

アメリカ トランプ大統領
「“偉大さを選択”するよう皆さんにお願いする。
“アメリカ第一”を心に刻まなければならない。
アメリカに神のご加護を。」

一般教書演説 「ともに」のことばは

桑子
「トランプ大統領、いつもの強い“トランプ節”とはちょっと違う様子でしたね。」

有馬
「そんな感じでしたね。
過激な言葉をできるだけ抑えて、全体的にトーンダウンした感じでしたよね。
来年の大統領選挙で再選をにらんでの戦略、ということではあるんでしょうか。」

桑子
「この感じは、続くんですかね。」

有馬
「翌日になると正反対のことを言い出すトランプ大統領ではありますけれども、“together”、いいですよね。
アメリカ国内だけじゃなく、国外に向けてもそうあってほしいなと思います。」

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