2019年2月7日(木)

「デサント」“敵対的TOB” 筆頭株主「伊藤忠」と対立

桑子
「大リーグの大谷翔平選手のニュース、ではなくて、服の肩に注目していただきたいんです。
スポーツ用品大手の『デサント』のマークです。」

有馬
「そのデサントと筆頭株主の『伊藤忠商事』が、いま対立しています。
株式の公開買い付け、TOBに踏み切ってデサントが猛反発。
『敵対的TOB』に発展する異例の事態となっているんです。」

スポーツ用品店「デサント」社長 筆頭株主 伊藤忠に“対抗”

「三方よし」。
経営理念の根幹として、こう掲げるのは、大手商社の「伊藤忠商事」です。

しかし…。

デサント 石本雅敏社長
「非常に残念だ。
伊藤忠の利益が優先され、デサントの利益がないがしろにされるおそれがある。」

こう語ったのは、大阪のスポーツ用品メーカー「デサント」の石本雅敏社長。
筆頭株主である伊藤忠に対抗する姿勢を示しました。

デサント 石本雅敏社長
「デサントが保有するすべてのブランド、社員を大事にしたいから、この難局に立ち向かいたい。」

伊藤忠 vs デサント 異例の「敵対的TOB」

自らの関連会社であるデサントから反発を受けた伊藤忠。
そのきっかけとなったのは、デサントへの影響力を強めようと始めたTOB=株式の公開買い付けでした。
デサントの株式の保有比率を、現在のおよそ30%から最大40%まで高めることを目指し、先週、他の株主からの株式の買い取りに踏み切ったのです。

伊藤忠商事 鉢村剛最高財務責任者
「成長性を考えた場合、デサントの潜在力をフルに発揮できる環境・体制にあるべきだ。」

両社による事前協議がないまま開始されたTOB。
デサントは「一方的だ」と反発します。
今日(7日)開かれた臨時の取締役会でも「強圧的な手法により実質的に支配権を取得し、株主にリスクを負わせるものだ」として反対することを決定。
株主にも公開買い付けに応じないよう求め、国内の大手企業同士では異例となる「敵対的TOB」にまで発展したのです。

伊藤忠 vs デサント 親密な関係だったのに…

実は、もともと両社の間には親密な関係がありました。
その始まりは、東京オリンピックが開かれた昭和39年。
その後、伊藤忠は、デサントに資本参加。
デサントが苦境に陥った際には支援に乗り出すなど、半世紀以上にわたり深い関係を築いてきました。

ソチオリンピックでは、日本選手団の公式ウエアも手がけたデサント。
1年間の売上は1,400億円余りと、スポーツメーカーとして国内3番目の規模です。
「ルコックスポルティフ」、「アリーナ」など、あわせて14ブランドで商品を開発、販売しています。

伊藤忠 vs デサント こじれる兆候は前から

そんな2社が、なぜ。
実は、関係をこじらせる兆候は少し前から…。

3代続けて、伊藤忠の出身者が社長を務めてきたデサント。
ところが6年前、創業家出身の石本氏が社長に昇格します。

伊藤忠は、当時、自ら派遣していた取締役には事前の連絡がなかったとしています。

石本社長体制になったあと、デサントは商社のネットワークに頼らない路線へと転換し始めました。
韓国事業の比重が増え、今では売り上げの半分以上が韓国。
ソウルには、直営店もオープンしています。

男性
「いいデザインだったので、デサントのシューズを買った。」

女性
「ロゴマークもデザインもクールだ。」

本拠地の日本や中国など、他のアジア地域での展開も強化すべきだとする伊藤忠との間で、考え方の違いが広がっていきました。

去年(2018年)、デサントは大手下着メーカーの「ワコール」と業務提携を発表。
しかし、伊藤忠はこれについても事前の連絡はなかったとしています。

さらに、去年から今年(2019年)にかけて、デサントの経営陣が自分たちで株式を買い取り、独自色を強めるという計画を示し伊藤忠からの反発が強まっていったのです。

伊藤忠 vs デサント どうなる?大手2社の今後

両社の隔たりが埋まらない中、TOBによって影響力をより強め、デサント側に経営の見直しを求める考えの伊藤忠。

伊藤忠商事 鉢村剛最高財務責任者
「我々も相当な覚悟でTOBをかけ、10%相当の株式を取得したい。」

これに対してデサントは。

デサント 石本雅敏社長
「デサントの各ブランド価値が高まる提案とは思えない。
互いの立場を尊重し合い、一日も早い解決のため(経営体制について)話し合いを始めるべき。」

一体今後、どうなるのか。
専門家は。

ジェイ・キャピタル・パートナーズ 田中博文社長
「話し合いの時期は過ぎているから、伊藤忠は実弾をぶつけてきた。
話し合いに応じて『分かりました』ということは、伊藤忠はない。」

さらに、今後デサント側が「ホワイトナイト(白馬の騎士)」と呼ばれる、資金面などを支援てくれる会社を探すことがありうる、とした上で。

ジェイ・キャピタル・パートナーズ 田中博文社長
「伊藤忠は、繊維業界の商社ではいろんなところに影響力を持っている。
圧倒的な資金力を持っていることも考えると、ホワイトナイトが出てきた場合、(株式の買い取り)価格をつり上げることができるし、非常に難しいが、今の感じでは伊藤忠が有利か。」

伊藤忠 vs デサント

桑子
「こんなことになっているのですね。」

有馬
「本当にこじれてしまいましたね。
伊藤忠は看板の繊維事業に磨きをかけたい。
デサントは老舗の自主性を取り戻したい。
というわけなんですけれども、意地とプライドの衝突、どうなるのでしょうか。」

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