2019年2月12日(火)

パワーアシストスーツ “あの問題”も解消? 企業が熱視線

有馬
「『パワーアシストスーツ』。
こうして体につけると作業の負担が軽くなります。
私が取材したのは3年前なんですが、力仕事の現場でどんどん広がっているんですよね。」

桑子
「このスーツ、実は今、日本が抱える“あの問題”も解消してくれるのではないかと、多くの企業が熱い視線を注いでいるんです。」

荷物積み下ろし作業を軽減 空港でアシストスーツ導入

国際便も就航し、日本の空の玄関口ともなっている羽田空港。
日本航空のグループ会社が、手荷物の積み込み作業などの負担を軽減するため今月(2月)から導入したのが、パワーアシストスーツです。
女性作業員も、スーツケースを次々とコンテナに積み込んでいました。
モーターの力で腰への負担を10キロ相当軽減でき、作業効率は20%以上アップするということです。

外国人旅行者は、過去5年間でおよそ3倍に増えましたが、空港の職員数はほとんど変わらず。
荷物運搬の現場でも負担が増していました。

JALグランドサービス 中村泰寛社長
「今から手を打たないと、先を見据えたときに、なかなか厳しい状況になる。
少しでもレベルアップしていきたい。」

アシストスーツが進化 さまざまな現場で

少ない力で重い物を持ち上げられ、農作業や介護などの現場で導入されている「パワーアシストスーツ」。
ここのところ、進化を遂げています。
和歌山大学のベンチャー企業が開発をした、こちらの装置。
試作当初は装置が腕まで覆い、重さは40キロと使いにくいものでした。
改良を重ねた結果、4.7キロまで軽量化に成功。
来月(3月)からは、100台を本格的に販売する予定です。

こうしたスーツ。
図書館では、本の積み降ろしや、返却された本の回収などに導入。
救急現場では、主に女性の救急救命士の救急活動などでの負担を軽減。
さらに西日本豪雨の被災地では、重いがれきの撤去などに活用されています。

「アシストスーツ」を作っている企業の担当者は、高齢化や人手不足などの問題が普及を後押ししていると見ています。

CYBERDYNE 村中達郎さん
「どこの業界も、年齢が上がってきて従業員を守りたいという声が非常に多い。
そうした会社から、非常に多くのひきあいをいただいている。」

人手不足の住宅メーカー アシストスーツ導入で…

高橋リポーター
「住宅メーカーの工場です。
ここでも装着型のロボット、アシストスーツが導入されています。
行ってみましょう。」

およそ550人の作業員が働く、茨城県にある工場。
高齢者や女性、腰痛をわずらう人など重たいものを運ぶ作業に負担を感じ、仕事をやめる人も少なくありません。
こうした作業員の悩みを解決するため、去年(2018年)4月、アシストスーツを4台導入しました。

以前、ぎっくり腰に悩まされていた作業員は…。

高橋リポーター
「これをつけてからの(腰痛はどう)?」

作業員
「全然まったくない。
安心してできることが一番だと思う。」

実際に装着してみると…。

高橋リポーター
「この18キロの段ボール箱を持ち上げてみます。
楽になるというよりも、腰をサポートしてくれる感じですね。
私もぎっくり腰をやったことあるので、重たい物を持つ作業があるときは、これがあるとかなり安心感は違いますね。」

腰への負担を、最大4割軽減させることができるというアシストスーツ。
この工場では、作業員が腰痛によって生産ラインから離脱するケースが少なくなっているといいます。

大和ハウス工業 竜ヶ崎工場 田角俊一さん
「少しでも人手をこちらの工場から離さないよう、環境改善をすすめていきたい。」

人手不足 課題解消には? 進化するアシストスーツ

民間の調査会社によりますと、おととし(2017年)16億円余りだったパワーアシストスーツの市場規模は、2025年には1,002億円に伸びると予測されています。
その背景について、専門家は…。

電話:日本総研 山田久主席研究員
「体力の使う職場というのは、若手現役男性が中心になりがちだが、ここの人たちが急激に数が減っている。
そこを補う労働力として、シニアとか女性の活用が不可欠になっている。」

今後の広がりについては…。

電話:日本総研 山田久主席研究員
「新しいツールを入れることによって、これまで想定されなかったような人たちが働いてくれると、業務拡大していける。
パワーアシストスーツは、日本の職場のあり方を大きく変えていくひとつのツールになる。」

桑子
「市場規模の今後の伸びを見ても、相当期待値が高いのがわかりますね。」

有馬
「今、働き方改革もありますし、人手不足も深刻ですし、パワーアシストスーツで新たな働き手が確保できるようになるでしょうか。」

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