2019年2月25日(月)

沖縄 県民投票に託した思い

「沖縄に基地が集中していることの理不尽さ。」

「もう少し沖縄の意見を聞いてもらいたい。」

昨日(24日)行われた、名護市辺野古沖の埋め立てへの賛否を問う沖縄の県民投票。
多数を占めたのは「反対」でした。

辺野古埋め立て「反対」多数 “基地負担”続く中で…

普天間基地の移設計画が動き出すきっかけとなった、1995年の少女暴行事件。
日米両政府を動かしたのは、基地の整理縮小を求める「沖縄の声」でした。

大田知事(当時)
「沖縄のような弱い所に(基地を)押しつける発想そのもの、感覚そのものが、僕にはもう、僕らどうしても納得できない、理解できない。
そんな日本人というのはおかしい。」

日米両政府は翌年、普天間基地の返還で合意。

橋本首相(当時)
「普天間飛行場は今後、5年ないし7年以内に全面返還されることになる。」

政府は、名護市辺野古への移設を決めます。
しかし、沖縄では激しい対立が続いてきました。

普天間基地の返還合意から23年。
基地負担の軽減が少しずつ進められていますが、国土の0.6%に、在日アメリカ軍の専用施設の7割が集中するという現実が今なお続いています。

そして今、政府と沖縄県の対立が深まる中で本格化する辺野古沖での埋め立て工事。
その賛否を問う今回の県民投票に、県民はどのような思いで臨んだのでしょうか。

県民の声は?

桑子
「今回の県民投票、有権者115万人余りのうち60万人余りが投票。
投票率は52.48%でした。
結果は『反対』が43万票余りで、投票した人の7割を超えました。」

有馬
「この結果に法的な拘束力はありませんが、『反対』票が有権者の4分の1を超えたため、条例の規定で、玉城知事は、総理大臣とアメリカ大統領に結果を通知することになりました。
今回、番組ではできるだけ多くの県民の声を聞こうと取材しました。」

県民投票に託した思い

反対に投票(70代)
「普天間が危険で、こっちに来たら安心か。
ここも同じ危険だ。
こんな狭い沖縄に。
いつまで沖縄県がこれを負担すればいいのか。
沖縄にだけ70%、日本全国の70%を負担させる、あべこべじゃない。」

反対に投票(60代)
「もう我慢の限界、沖縄県は。
そういう気がする。
ここはひとつ、本土でも考えてほしい。
(普天間基地は)もちろんなくなってほしいけど、それを隣の辺野古に持っていくことも、人間としてできないことでは。
口が裂けても言えない、『我慢してくれ』なんて。
同じこと、ヤマトが言ってることを、言えない。
もっと腹を据えて、心の中から考えていった方がいい。」

賛成に投票(60代)
「大きいものには勝てない、かなわない。
国にはかなわないから。
いつ何時、上からバンと落ちてくるかわからない状況。
(騒音で)眠れない。
気持ちは(賛否)半々。
自分の子や孫のことを考えると、これから先のことを考えると、移設した方がいいのかな。」

一方で、賛否では割り切れない複雑な思いを語る人も…。

『どちらでもない』に投票(20代)
「賛成か反対にしたかった気持ちが強いけど、どちらの気持ちも持っているので。
沖縄には基地があって、苦労する人もいれば、そこで働いている人たちもいる。
どちらの意見もちゃんと考えてほしい。」

投票を棄権(70代)
「投票に行く気はおきなかった。
みんなが言うように県外に移設してもらうのが一番いいけど、現実問題、難しい。
そういう道があるならそれを示さないと。
ただ『反対』と言って『代わりにどうするか』を言わないと、先が見えない。」

栗原リポーター
「どういった形で投票されたんでしょうか?」

20代
「これ、言わないのはダメですか?
沖縄県民としては、辺野古へ移ってほしくない。
普天間住民としてはあってほしくない。
そこがジレンマ。
どっちの意見を表明しても、今、特に分かれている。
意見が島の中で敵をつくってしまう。」

今後については…。

栗原リポーター
「海を見て、今どういうことをお感じになられますか?」

反対に投票(40代)
「諦めも少しある、だいぶある。
諦めてはいるけど。
止められないのかなと思う。
ただ、反対の気持ちは持ってると知ってほしい。」

反対に投票(10代)
「あんまり意思尊重されてない感じがするから、今回の投票で動いてくれればいいな。」

反対に投票(10代)
「(政府が)『投票の結果は関係ありません』と最近言ってた。
法的拘束力はないけど、ちょっとは反映させてもらえたら。」

県は 国は どう受け止める

今回の結果をどう受け止めるか。
玉城知事はけさ、県庁で記者団に対し親指を立て、望んでいた結果が得られたことをアピール。

沖縄県 玉城知事
「数字のとらえ方、分析のしかたはそれぞれ判断があると思うが、私たちは、この投票結果に基づいて民意は反映されていると受け止めている。」

投票結果については、国会でも論戦に。

立憲民主党 枝野代表
「危険性を除去しなければならない緊急性、重要性を感じている皆さんが、辺野古の基地建設に明確なノーを突きつけたということに、見解を。」

安倍首相
「今回の県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止め、政府として基地負担の軽減に全力で取り組んでいく。
普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは、絶対に避けなければならない。
もはや先送りは許されない。」

立憲民主党 枝野代表
「今の話は、私の問いには答えていない。
沖縄の民意に寄り添うというのならば、何かあっていいのでは。」

安倍首相
「辺野古に新たな基地が建設されることは、沖縄の皆さんにとって『また沖縄に』という気持ちがあることは十分に理解できる。
しかし、一歩一歩、沖縄の負担の軽減に向けて着実に歩みを進めていきたい。」

政府は、辺野古への移設が唯一の解決策という考え方に変わりはないとして、引き続き工事を進める方針です。
一方、玉城知事は、今週中にも安倍総理大臣と面会、県民投票の結果を通知して、移設計画を見直すよう強く求める方針で、双方の対立がいっそう深まることは避けられない見通しです。

桑子
「沖縄の皆さんのさまざまな声を聞きましたが、『沖縄が過重な負担を負っている現実を知ってほしい』『本土の人はひとごとだと思わないでほしい』という思いは、賛否を越えて共通していると感じました。」

有馬
「沖縄が向き合っているのは、国の安全保障に関わる問題です。
その選択に込められた思いをどう受け止めるのか、私たち一人一人が問われています。」

Page Top