2019年2月27日(水)

ブランド米 戦国時代 王者「魚沼産コシヒカリ」は?

時は平成末期。
日本は今、まさにブランド米“戦国時代”を迎えています。

平成の絶対王者だった、新潟県の魚沼産コシヒカリ。
去年(2018年)、最上位ランクの「特A」から陥落。

魚沼産コシヒカリ 生産者
「このまま黙っているわけにはいかない。」

一方、躍進しているのは「特A」を獲得した地方のブランド米です。
王者の牙城を崩す破竹の勢い。
まさに下克上です。

都内の米店
「魚沼が一強というのはもうない。」

ブランド米 戦国時代

有馬
「いやあ、戦国時代ですね。」

桑子
「今、こんなことになっているんです。
コメの格付けで最高ランクの『特A』の数の推移なんです。」

有馬
「右肩上がり、ぐぐっと増えていますね!」

桑子
「平成の初めには13銘柄だったのが、去年は43銘柄にまで増えました。」

有馬
「だいたい3倍ぐらいに増えたってことですか。
本当に最近いろんなブランド米の名前を聞くようになりましたよね。」

桑子
「地方のブランド米がどんどん躍進する中、去年、新潟魚沼産のコシヒカリが初めて陥落しました。
そして今日(27日)、最新のコメの格付けが発表されました。
果たして王者の復権、あったのでしょうか。」

魚沼産コシヒカリ 「特A」復活なるか?

新潟県魚沼市のコメ農家、関隆さんです。
テレビの前で待っているのは、今日、午後発表される「食味ランキング」のニュースです。

新潟 魚沼のコメ農家 関隆さん
「今は悪いことしか考えていない。
もし2年続いたらどんなことになるのか、ものすごい心配。」

そして、ついに運命の時間が…。
ニュース速報で流れのは、魚沼産コシヒカリの「特A」復帰の文字でした。

「どうですか、お気持ちは?」

新潟 魚沼のコメ農家 関隆さん
「いや〜よかった、ほっとした。
やっぱり魚沼は『特A』じゃないとだめ。
この1年間、肩身が狭い思いで魚沼のコメ農家としてきたので、ほっとした。」

ブランド米が各地で 背景には深刻なコメ離れ

一方、今回最上位の「特A」となったのは、前の年より12多い55銘柄。
その各地のブランド米が今、人気を集めています。

今井翔馬リポーター
「都内のコメ専門店です。
店頭からたくさんのコメが並んでいます。
今、実は全国各地でこのコメ作り、しのぎを削り合っているんです。」

今井リポーター
「滋賀、島根、佐賀。
コメというと東北や新潟のイメージがあるが、かなり西のコメも多い。」

こちらの店で現在扱っているのは、北海道から九州までおよそ40銘柄。

森田屋米店 森田ひろみさん
「(ブランド米が)10年ぐらいですごい増えて、魚沼のコシヒカリが一番と今も言われているが、それに追いつくようにライバルがいる。」

ブランド米が増えている背景とされるのが、「深刻なコメ離れ」です。

国内の1人あたりの消費量は、この60年で半分まで落ち込みました。
人口減少も進み、競争が激しくなる中で、各産地は消費者にアピールできるコメを作っていく必要に迫られています。

さらに、最近のブランド米には“ある傾向”が…。

森田屋米店 森田ひろみさん
「去年もそうだが、ものすごい猛暑で、新しい品種は暑さに耐えられるコメ、温暖化に耐えられるコメ、収量もとれるコメを目指しているのでは。」

暑さ日本一の街 生まれ 「特A」ブランド米の開発秘話

今井リポーター
「ここは埼玉県の熊谷市です。
夏の暑さで有名な場所ですよね。」

埼玉県の農業技術研究センターで暑さに強いブランド米を開発した1人、荒川誠さんです。

今井リポーター
「どんなコメか教えてもらっていいですか。」

埼玉県農業技術研究センター 荒川誠担当部長
「こちらが彩のきずなです。」

この「彩のきずな」。
実は、去年の食味ランキングでは、最上位の「特A」。
埼玉県産としては、26年ぶりの快挙でした。
コメの品質を下げる原因となる暑さに強い品種に改良したのです。

埼玉県農業技術研究センター 荒川誠担当部長
「暑い熊谷だからこそ、生まれたおコメ。」

新品種の開発に取り組んでいた平成19年、熊谷市では40度を超える猛暑を記録。
暑さは実験中の田んぼを直撃しました。

埼玉県農業技術研究センター 荒川誠担当部長
「実験材料のコメ、ほとんど白く濁ってしまった。
がっかりしていたが、その中でたった1つ透明なきれいなコメがあった。」

そのコメを元にして出来たのが「彩のきずな」でした。
ほかの品種と比べ、気化熱で表面温度を低く抑える特性があり、暑さに強かったのです。

気になる今年(2019年)の食味ランキングの結果は…。

埼玉県農業技術研究センター 荒川誠担当部長
「今年は『A』どまりでした。」

残念ながら、2年連続の「特A」はなりませんでした。

埼玉県農業技術研究センター 荒川誠担当部長
「必ず暑さに強い品種は必要だと思っている。
埼玉のコメ、さらにおいしくなるよう、われわれのできることはしたい。」

ブランド米 戦国時代 産地間競争の今後は

生産地がその評価に一喜一憂する、コメの「食味ランキング」。
「特A」にこだわる理由について専門家は。

新潟薬科大学 大坪研一教授
「1年の結果ですぐに価格が激変するわけではないが、何年も『特A』が続くと、産地・品種の信用度が高まる。
信用力を高める、ブランド力を高めることで、みなさん注目している。
ブランド米をどんどん作って競争していく流れは変わらない。
むしろ激しくなると思う。」

ブランド米 戦国時代

有馬
「消費者からすると、こういう“おいしさの競争戦国時代”だったら、大歓迎ですけどね。」

桑子
「それは嬉しいですよね。
実際に今年『特A』の数はさらに増えました。
けれども、消費量は減り続けているんですよね。
埼玉の荒川さんのように、努力をされていると思うと、そのありがたみを噛みしめながらいただかないといけないなと思いますよね。」

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