2019年3月27日(水)

グレイヘア 流行の裏に深刻な悩み

桑子
「こちら『グレイヘア』と呼ばれる、白髪を染めないスタイルです。」

有馬
「去年(2018年)、流行語大賞にもノミネートされましたよね。」

桑子
「今こうした女性が増えているんですけれども、ある深刻な悩みから、このグレイヘアを選択する女性もいることがわかってきたんです。」

グレイヘア 流行の裏に人知れぬ悩み

今、『グレイヘア』といえば、この方。
フリーアナウンサーの近藤サトさんです。

民放の女性アナウンサーとして活躍し、その後も若々しい姿でメディアに登場してきました。

一昨年(2017年)、突然白髪を隠さない「グレイへア」になり、注目を集めました。
共演者からは…。

TKO 木本武宏さん
「どんどん色っぽく見えていくというか。
サトさんのこと“女性や”と思って見てました。
ちょっと“あわよくば”的な。」

おしゃれなグレイヘアの象徴として、ひっぱりだこの近藤さん。
しかしその選択には、人知れぬ悩みがありました。

近藤サトさん
「アレルギー症状を持っているから、染めたその日とか2〜3日はすごく大変。
かゆかったり、湿疹出たり。
人知れず、人知れずなんですよね、皆さん。
そういうトラブルとか悩みは、抱えている方多いんじゃないか。」

白髪染めによるアレルギー性の皮膚炎に長年苦しんできた女性が、取材に応じました。
大阪堺市に暮らす和田浩恵さん、49歳です。

和田浩恵さん
「痛くてかゆくて、つらかったです。
それでも染めたかったんです。
湿疹ができて、かゆいのに。」

和田さんは、症状が出たあとも10年間染め続けました。
無理をしてでも黒髪にこだわったのは、当時読んでいた雑誌の影響が大きかったといいます。

2000年以降、年齢を重ねても若く見える女性の姿がたびたび特集され、「美魔女」がブームになりました。
和田さんは、髪を染めることが当たり前だと考えてきました。

和田浩恵さん
「子どもの学校に行ったり、子ども連れで出かけたりするときも、きれいなお母さん多い。
若々しいお母さんの間で、白髪なんか出して歩けるかって気持ちは強かった。」

しかし、45歳のときにアレルギーの症状は急速に悪化。
顔や上半身が真っ赤に腫れ上がり、白髪染めにドクターストップがかかったのです。

和田浩恵さん
「つらかったというか“人生が終わった”ってくらい自分にとっては深刻だった。」

和田さんは、白髪姿の自分が受け入れられず、自宅に引きこもるようになりました。

和田さんのように、カラーリング剤で皮膚炎が起きたという訴えは、国の消費者庁に相次いでいます。
“顔が赤く腫れた”、“かぶれがおさまらず、手や指にまで症状が及んだ”など年間200件前後寄せられてきました。

多くのカラーリング剤には、髪の色を長期間保つため、さまざまな化学物質が使われ、その一部がアレルギーの原因になっていると考えられています。

消費者庁の調査に携わった、伊藤明子医師です。
皮膚のかゆみや痛みは頭だけに出るとは限らず、白髪染めが原因とは気づかないまま、症状が進行するケースもあるといいます。

伊藤明子医師
「頭もかゆいけれども背中もかゆくて。
まさか患者さんも、毛染めと体のかゆみが関連していると思わない。
どうなんだろうっていうときは、皮膚科を受診して、きちんと診断を受けて。」

白髪の自分に悩んでいた和田さん。
変わるきっかけは、ブログを通して知ったグレイヘアの女性たちと交流を始めたことでした。

和田浩恵さん
「白髪なのに堂々と歩いて、にこやかに出て来るのを見て、白髪で(外を)歩いていいんだって思いました。
飾らないというか、もう隠す必要はないので肩の力が抜けた。
頑張る必要ないので。」

アナウンサーとして、長年若々しく見られたいと考えてきた近藤サトさん。
しかし今、ありのままの自分を見せることで、新たなものの見方ができるようになったといいます。

近藤サトさん
「若く見せなくてもいいんだって思ったら、人間としてどう見せるかっていうことが勝負だなって考え始めたので、逆に楽になりました。
かせが外れた。
そっちのほうが大変、人間としてのほうが。
でもそっちが本筋なんじゃないかって、やっと気づきました。
このビジュアルが変わるだけですけど、(自分と)向き合うように、考えるようになりました。」

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