2012年12月24日(月)

世田谷一家殺害 新たな犯人像

大越
「12年前、子ども2人を含む、会社員の宮沢みきおさんの一家4人が殺害された『世田谷一家殺害事件』。
警察が『最も重要な未解決事件』と位置づけるこの事件で、新たな犯人像が浮かび上がってきました。」

井上
「事件につながるようなトラブルが見当たらず動機もはっきりしないことなどから、これまで面識がない人物による犯行という見方もありました。
しかし今回、現場に残された手がかりから、犯人は顔見知りだった可能性が浮上してきました。」

未解決のまま12年。
犠牲になった宮沢みきおさんの母、節子(せつこ・81)さんです。
誰が何のために家族を殺害したのか。
何も分からないまま、今年(2012年)、夫の良行さんも亡くなりました。


宮沢節子さん
「4人を狙ったということが、何が目的だったかということ。
みきおが憎かったら4人を殺すこともない。
真相を知りたいというのが一番。」


事件が発覚したのは、12年前の大みそか。
犯人の男は前の晩、宮沢さんの自宅に忍び込み、一家4人を次々と殺害。
その後、アイスクリームを食べ、パソコンを操作するなどして10時間以上現場にとどまる不可解な行動をとった男。
宮沢さんと接点はあったのか。
宮沢さんは生前、仕事で企業のロゴをデザインしていたほか、趣味のアニメ制作などで塗料などの「色」を扱うことが多かったといいます。
今、この「色」をめぐって新たな犯人像が浮かび上がっているのです。

核心:“暗闇”の手がかり

“色”めぐる接点 顔見知りの可能性

捜査内容をまとめた記者の取材メモです。
書かれているのは「ベーシックレッド」など3種類の「色」。
インクや染め物、絵の具などに使われる蛍光染料です。
現場に残された数多くの遺留品。
このなかのトレーナーとヒップバッグに同じ3種類の蛍光染料が付着していました。
この3種類の染料。
実は、現場の意外な場所からも見つかっていたことがわかりました。
それは、「車庫」。
事件当日、この車庫には犯人が侵入した形跡はありません。
つまり、事件の前に、犯人がここに入った可能性があるというのです。

蛍光染料が見つかったのは、横倒しになった棚の引き出しの底。
捜査員が車庫の暗闇の中でライトを当てると、光ったといいます。
捜査本部が導き出した犯人像です。
男は暗い車庫の中に蛍光染料を持ち込み、宮沢さんに見せようとし…。
その際、地面を汚さないように置かれた引き出しに、染料の一部が付いたのではないか。
男は仕事や趣味を通じて、宮沢さんと顔見知りだった可能性があるというのです。

世田谷一家殺害 新たな犯人象を追え

染料を扱う人物を重点的に調べている捜査本部。
今回初めて、捜査の現場に密着しました。
この日、捜査員は都内にある絵の具メーカーを訪ねました。

警視庁 捜査一課 藤井聖大巡査部長
「このバッグにですね、3種類の蛍光染料が付着している。」

会社の工場には、事件現場で発見された染料と似たものがありました。

「ベーシックレッドの1番。
あれを使って、こういう色を出している。」

しかし、工場で使っていたのは、染料を加工したものでした。

警視庁 捜査一課 藤井聖大巡査部長
「染料そのものを使っているわけではなくて。」

犯人は絵の具の製造過程よりも前の段階で染料に関わった可能性がわかりました。
犯人は、どこで染料に触れたのか。
捜査本部は、男が染料そのものを販売している店に立ち寄った可能性があるとみています。
染料を販売する店は都内で数軒しかないことが分かりました。

そのひとつ、台東区にある販売店です。

警視庁 捜査一課 藤井聖大巡査部長
「どんな方が買いに来ます?」

「染料の関係なら皮の工芸の方が多い。」

警視庁 捜査一課 藤井聖大巡査部長
「会社じゃなくて個人ですか?」

「ものづくりの方、かなり来る。」

印刷やデザイン関係の会社のほか、染め物などをする職人、さらには個人の客もいるといいます。
新たな犯人像は浮かんだものの、捜査対象は幅広いことが分かってきました。

警視庁 捜査一課 藤井聖大巡査部長
「犯人の遺留品に付着していた事実は間違いない。
解明することで犯人に直結する突破口になると捜査本部は考えている。
絶対に犯人は許すことができない。
地の果てまでも追い求めていって、必ずや逮捕する。
この強い思いは毎日忘れずに胸に刻んでいる。」

染料を手がかりに新たにつかんだ糸口を突破口にできるのか。
捜査はまもなく13年目に入ります。

大越
「12年前の大みそかに起きたのがこの世田谷一家殺害事件です。
事件が未解決のままであるということは、被害者も浮かばれず、遺族もやりきれない思いを抱え続けることを意味します。
未解決の凶悪事件は、ほかにも数多く残されています。
被害者とその家族の時間は止まったままです。」

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