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2018年10月31日(水)

事業承継 新潮流は個人!

経営者を志した25歳は、従業員6人の部品メーカー買収をどうやって実現したか。

「事業承継」とは、会社の経営を誰かに引き継いでもらうこと。東京都内では29日、中小企業の経営者らが集まるイベントが開かれ、後継者不足の現状や課題を話し合いました。後継者がいない中小企業は、全国で120万社に上ると言われ、事業承継は重要なテーマになっています。

こうした中、後継者を探す会社と起業したい若者を結び付けて、事業承継を支援する新サービスが注目されています。

廃業危機のロボット部品メーカー 25歳の青年が買収

【報告:経済部 渡部圭司記者】
京都市にある産業用ロボットの部品メーカー「美山精機」は、8月に個人が買い取って事業を引き継いでいます。従業員は6人。2017年の売り上げはおよそ3000万円。黒字経営を続けてきましたが、高齢になった社長に後継者がおらず、廃業の危機に直面していました。

そこでこの会社を買ったのが、溝口勇樹さん(25)。いつか自分で会社を経営したいと考えていた溝口さんは、勤めていた大手電機メーカーを辞め、この会社の経営者となりました。

溝口さんは「自分で起業したいという思いがあったが、事業承継という形であれば従業員もすでにいるし、取引先もすでにあるので、比較的ハードルが低い」と考えました。

仲介サイトで「売り手」と「買い手」をマッチング

溝口さんが利用したのが、仲介サイト「TRANBI(トランビ)」です。会社を譲りたい「売り手」と、それを受け継ぎたい「買い手」をネットでマッチングします。

売り手として登録しているのは、およそ700社。事業内容や売上高などを公開します。買い手側はそれを自由に閲覧でき、直接連絡を取って交渉することができます。さらに、サイトと提携している税理士などの専門家からアドバイスも受けられます。

企業存続へ 地元信金もバックアップ

溝口さんにとって最大の課題となったのが、買収資金の確保でした。そこで、この会社と取引をしていた京都中央信用金庫に掛け合い、全額融資を得られることになったのです。

京都中央信用金庫の田口克士さんは「後継者がいないというだけで企業がなくなってしまうのはもったいないし、われわれ地域金融機関としては、企業を一つでも存続に向けて手伝い、何か提案できることはないか」と考えているといいます。

増える個人の買い手「チャンス生まれている」

溝口さんが今、力を入れているのが販路拡大です。ロボット用だけでなく新たに家電用の部品製造も引き受け、取引先を増やしつつあります。溝口さんは「買って終わりじゃないので、買ってからどうしていくかのほうが大切なので、これからもしっかり会社を成長させていきたい」と話しました。

事業承継の仲介サイトを運営する会社によると、溝口さんのように若い世代の個人が買い手となるケースが増えているといいます。トランビの高橋聡社長は「企業を引き継いで挑戦できる環境が出来てきている。(買い手として)個人が手を挙げることもできるので、新しいチャンスが生まれている」と話しています。

なるほど。「ゼロから起業するのはちょっとなあ」と思っても、「事業承継だったら自分にもできるかも、向いているかも」と考える人はいるかもしれませんね。

そうですね。これまで事業を引き継ぐ受け皿として、同業他社や大手が買うことが多かったのですが、ここに“起業家予備軍”が加わってきているのが面白いと思いました。

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