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2017年11月13日(月)

あなたの周りでも…!? “若者とSNS”実態は

高瀬
「事件が発覚してから、今日(13日)で2週間です。
白石容疑者は、ツイッターなどを通じて女性たちと知り合い、誘い出したと見られています。」


和久田
「事件からは、若い世代とSNSの関わりが、周囲から極めて見えにくい実情が浮かび上がっています。
佐藤アナウンサーとお伝えします。」

佐藤誠太アナウンサー
「今回私たちは、若者がSNSをどう使っているのか、取材を進めました。
すると、想像以上の実態に直面しました。」

見ず知らずの人とも… SNS 若者たちの実態

週末の繁華街。
若者から話を聞いて驚きました。
「SNSで見ず知らずの人とつながることに抵抗はあまりない」という声が次々と聞かれたのです。

佐藤アナウンサー
「(SNSで知り合った人と)実際に会った経験は?」

大学生(19)
「あります。
2〜3回とか。」

佐藤アナウンサー
「男の人ですか?」

大学生(19)
「はい。」

佐藤アナウンサー
「どういう人ですか?」

大学生(19)
「趣味のつながり。
共通点が合えばみたいな感じ。」

SNSで知り合った人と待ち合わせ中という女性もいました。

大学生(22)
「ツイッターとかでやりとりしてたら仲よくなったりして。」

女性は、福岡から来たといいます。

佐藤アナウンサー
「なぜ会っても大丈夫だと思った?」

大学生(22)
「共感とかしてくれると、自分を分かってくれる友達みたいな感じ。
(今回の事件の)ニュースを見てからは、大丈夫かと思ったけど、今まで結構会ったりしているので会う。」

こちらの女性も待ち合わせ中。

佐藤アナウンサー
「これから何をする?」

アルバイト(22)
「アニメを見に行く。」

インタビューの途中…。

大学生(19)
「なにインタビュー受けているの。」

現れたのは、ツイッターでやりとりをした相手の男性でした。

佐藤アナウンサー
「最初は怖くなかった?」

アルバイト(22)
「私は警戒してない。
めっちゃ仲よくなってからしか会わない。」

大学生(19)
「ネットだと、いい人ぶっている人いるよ。」

アルバイト(22)
「いいの。」

2人は、共通の趣味のアニメを見に行くと言って去っていきました。

あなたの周りでも…!? “若者とSNS”実態は

和久田
「複数の人が、実際に待ち合わせをしているんですね。」

佐藤アナウンサー
「こんなに会う人がいるんだと、私、驚きの連続でした。
この時は1時間ちょっとの間に、10代後半から20代前半の若者12人に話を聞いたんですけれども、そのうち5人が、SNSで知り合った人と実際に会ったことがあるというふうに答えていたんです。
その多くは、親や友だちにも言わずに会っているということでした。」

高瀬
「家族が知らない間に、こうしてつながっているというのは、ちょっと怖いなと思いますが。」

佐藤
「そうですよね。
中には、やっぱりトラブルに巻き込まれたという人もいました。

例えば『食事に行って、酒を大量に飲まされてトラブルになりそうだった』とか、『会ってみると、キャバクラや風俗にいざなうためのスカウトだった』という女性もいたんです。
実際、数字にも表れているんです。


警察庁によりますと、SNSを通じて犯罪に巻き込まれた子どもの数、急速に増え続けています。
そして、消費者庁の白書によると、SNSを通じたやりとりから金銭などのトラブルに巻き込まれたという10代後半から20代の数、こちらも5年前に比べて2.5倍となっています。
今回の事件では、容疑者は『自殺願望をほのめかしていた女性を呼び寄せた』と供述しているということです。
では、どうすれば悩みや不安を抱える若者を、SNSを通じたトラブルから守ることができるんでしょうか。
事件を受け、対策を考えている現場を取材しました。」

犯罪やトラブル 防ぎたい “若者とSNS”支援を模索

悩みを抱える人たちに向けた相談サイトを運営しているNPOの代表、伊藤次郎さんです。




NPO法人『OVA』 伊藤次郎代表理事
「検索に『死にたい』とか、つらい気持ちを吐露したり、言葉を入力すると、検索に連動した形で広告が出てくる。」

NPOは検索サイトと連動。
「死にたい」などと検索すると、HPが表示されます。
そこからメールなどで相談を受け付け、専門の相談員が対応します。
今回の事件を受け、相談の受け付けを強化したいと考えています。

NPO法人『OVA』 伊藤次郎代表理事
「テキストでのやりとり(ができる)相談窓口を作っていかなくてはいけない。」

充実を図ろうとしているのが、短い文章でやりとりできる相談システム。
SNSに近い形で、若者にも使いやすくなると考えています。

NPO法人『OVA』 伊藤次郎代表理事
「(若者の)気持ちを受け止められるような社会としての受け皿を作っていくのが急務。」

積極的に若者にアプローチをする取り組みもあります。

名古屋市を中心に活動するNPOです。

NPO法人『全国こども福祉センター』 ボランティア
「中高生を中心に声かけを行っていく。」





「不安や悩みがあれば、SNSを通じて気軽に相談してほしい」。
週に1度、繁華街で若者たちに直接声をかけています。

NPO法人『全国こども福祉センター』 ボランティア
「ツイッターやっている?
僕らもあるので、フォローだけでも、めちゃくちゃうれしい。」

理事長の荒井和樹さんです。

NPO法人『全国こども福祉センター』 荒井和樹理事長
「若者と同じようなスタイル。」

格好は、夜のまちになじむというファッション。
メンバーも着ぐるみを着るなど、若者たちと気軽に話せるよう工夫しています。

NPO法人『全国こども福祉センター』 荒井和樹理事長
「誰も助けてくれる人がいない最悪な状況になるのをまず防ぐため、僕たちが仲間になっていく。」

街頭での活動だけでなく、SNS上でも直接若者たちにアプローチをしています。
SNSに書き込みを続ける若者を見つけるとメッセージを送り、犯罪に巻き込まれたりする前にコミュニケーションを図ろうというのです。

こちらは、ある20代の女性とSNSで続けているやりとり。
NPOが接触してから3週間。

20代女性
“相談とか愚痴とか言える人がいなくてさ。”

“うん、大丈夫だよ!”

寄り添いながら、悩みや愚痴を聞ける関係を築いています。

NPO法人『全国こども福祉センター』 荒井和樹理事長
「スカウトとか、犯罪を誘ってくる人たちよりも先に仲よくなる。
先回りして関係性を構築していくことが重要。」

犯罪に巻き込まれそうになった場合などには、直接会い、話をしていくこともあります。

この日、荒井さんは、SNSで見つけた若者と会うことになりました。
約束した場所で待つこと20分。
現れたのは、20代後半の女性でした。

20代後半女性
「いくつですか?」

NPO法人『全国こども福祉センター』 荒井和樹理事長
「35億。」

20代後半女性
「全然、見えないんだけど。」

女性は、SNSに「仕事を探している」と書きこんでいました。
女性のもとにはSNSを通じて連絡が殺到。
10人ほどの男性と会ったといいます。

NPO法人『全国こども福祉センター』 荒井和樹理事長
「何件くらいメール来た?あの投稿で。
数えられないくらい?」

20代後半女性
「めっちゃ来ます。
なんか『援助します』とかも来る。」

一方的に注意などをするのではなく、女性の思いに寄り添い、じっくり話を聞いていきます。

20代後半女性
「私がネットに逃げた理由は、いじめられたりとかも普通にあったので、自分の知らない人と出会いたいと思ったのが、一番最初のきっかけ。
1回会って、この人いいなと思うと味をしめて、それを覚えてからずっとやめられなくて。」

徐々に、身の上や自らの気持ちを打ち明け始めた女性。
荒井さんは、これからも時間をかけて話を聞いていくことにしました。

20代後半女性
「お会いしてなかったら違う道にそれていた。
お会いできてよかったなと思う。」

女性は2時間ほど話し、帰って行きました。

NPO法人『全国こども福祉センター』 荒井和樹理事長
「自分がどういう状況に置かれているかを話すことによって、本人に考えてもらうことが大事。
信頼関係がどれだけ作れたかで、相談するかどうかを決めると思う。」

犯罪やトラブル 防ぐには どうする“若者とSNS”

和久田
「若者が相談しやすいシステムにしたり、服装にも気を配ったりと、そういう工夫をしないと、若い人へのアプローチって難しいんですね。」

佐藤アナウンサー
「待ちの姿勢じゃダメだということなんですよね。
どちらのNPOも、若者へのアプローチは、悪意を持った人たちとの、いわば『競争』という側面があるというのが、とても印象的でした。
今回の事件も、SNSを通じて寄り添う姿勢を見せることで、若い人たちに近づいていったのではないかと、NPOの人たちは見ているんですね。
ですから、そういった人たちよりも先に若者たちにアプローチしていくということを考えないと間に合わないというふうに話していました。」

高瀬
「今回、こうやって実際に取材してみて、どうですか、若い人たちとSNSについて、30代前半ですよね、どう感じますか?」

佐藤
「そんなに歳は違わないだろうと思っていたんですけれども、もはやSNSで知り合って、しかも会うということは特殊なケースじゃなくて、もう当たり前になっているということを、私たち、理解しなきゃいけないんだなというふうに感じました。
そういう中では、規制していくことももちろん必要だと思うんですけれども、押しつけにならずに、どうバランスよく若者に寄り添っていくのか、議論していく必要があるというふうに感じました。」

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