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2017年11月25日(土)

エディー・ジョーンズ 必勝メソッドを伝授

二宮
「2年前のラグビーワールドカップ。
日本は優勝候補の南アフリカに劇的な逆転勝利を収め、史上最大の番狂わせと言われました。」


小郷
「すごかったですよね。」

二宮
「当時、チームを指揮したのがエディー・ジョーンズさん。
現在は、強豪イングランドの代表ヘッドコーチ。
今や世界が認める名将です。
実はエディーさん、毎年日本であるイベントを開催しています。
そこには、日本人が世界で戦うためのヒントが詰まっていました。」

名将 エディー・ジョーンズ “奇跡”は奇跡ではない

7月、エディーさんが訪れたのは、都内にある練習場です。
目的は、ラグビー指導者のための講習会。
エディーさんが自ら発案したこのイベントは、日本代表のヘッドコーチを退いた後も、毎年開かれています。
トップレベルを目指す高校や大学、社会人チームのコーチなど、全国からおよそ120人が参加しました。

参加者
「10年くらい前から毎回来ていて、毎回新しい学びをいただけるので、今回も楽しみにしています。」




中には、ラグビーコーチではないこんな人も…。

会社経営者
「チームコーチングで尊敬している人がエディーさんなので。
チームとして、一つの方向に向かわせるために、練習でどういう工夫をしていくのか、きっと会社経営にも役立つのではないか。」



エディー・ジョーンズさん
「いま、世界中のチームが『オールブラックス』のプレーを真似していることに、がく然とします。」

エディーさんが引き合いに出したのは、世界最強と言われる、ニュージーランド代表、通称「オールブラックス」です。

エディー・ジョーンズさん
「この中でニュージーランド代表と同じような選手がいるというチームはありますか?
いないですね。」

強いチームのまねをするのではなく、ラグビーというスポーツの本質を理解して練習することが、チームを強くするために欠かせないというのです。

講習会は、実演指導も交えて行われました。
エディーさんが重視するのは、味方の選手同士のコミュニケーション。
特に、日本人の選手は苦手だといいます。



エディー・ジョーンズさん
「口ありますか?
プレー中、何もしゃべってなかったぞ。
攻守が切り替わったら、次に何をすべきか、指示を出し合わないといけない。
そうしないから、簡単に突破されてしまうんだ。」

どうすれば、選手たちが積極的にコミュニケーションを取るようになるか、コーチたちにも考えさせます。

参加者
「ふだんのコミュニケーションを作っていくとか、意図的にやったらいいのでは。」

エディー・ジョーンズさん
「私だったら、コミュニケーションができていないプレーヤーを、練習から外していきます。」

エディーさん流のきびしい指導。
参加者から戸惑いの声が上がりました。

参加者
「僕ら日本人は、練習の中で目立たないように、調和が好きなので。」

コミュニケーションが苦手な選手を練習から外すのは、和を重んじる日本人には向かないというのです。

エディー・ジョーンズさん
「思い出してほしいのは、ラグビーは日本発祥のものではないということです。
グラウンドの上では、お茶を飲んだり、お餅を食べたりはしません。
つまり、日本社会と同じようなチームを作っても、世界ではあっけなく負けて、おしまいです。
勝つことが目的ならば、行動を変える必要があります。」

世界を相手に勝つためには、時に選手に厳しくあたり、根本的な意識改革を求めることが必要だと強調します。

会社経営者
「うちの会社の子たちも、お互いに突っ込み合う、切磋琢磨することを奨励しようとしても、なかなかできない。
エディーさんだったらできること、どういったことをやられますか。」

エディー・ジョーンズさん
「人間の行動を変えるためには極端なことをしないといけません。
会議で誰も何も言わない…。
『じゃあ今日はもう会議は終わりだ』って出て行ったらいいんです。
そうすれば、次からは話すようになるかもしれません。」

きぜんとした態度を示すことで、今、何をすべきかを伝える。
目標達成のために、エディーさんが日本代表でも実践してきた指導法です。

参加者
「勝つための、すべてのことが詰まっていた。」

参加者
「きょう、すごく刺激になって、2〜3日眠れない。
眠れずにハードワークして、倒れなければ。」

エディーさん、今回の来日には、大きな目的がありました。

エディー・ジョーンズさん
「W杯で日本代表が証明したように、ラグビーで勝つために、体格の差は関係ない。
日本の勝利は、(奇跡ではなく)必然だった。
それを多くに人に伝えたい。」

名将 エディー・ジョーンズ 世界基準の特別レッスン

訪れたのは、都内の高校。
夢は日本一、でも強豪校にはなかなか勝てないというこのチームに、5日間の特別レッスンを行うのです。
組織プレーが重要なラグビーでは、選手同士の意思疎通が勝敗を分けると、エディーさんは言います。

生徒たち、声は出ているようですが…。

エディー・ジョーンズさん
「金曜日の居酒屋みたいだね。
音は大きいけど意味がない。
プレーしながら意味のあることをしゃべらないといけない。」


例えば、この選手のプレー。
周りと連携のないまま飛び出し、1人でタックルに行ったため、交わされて、一気に攻め込まれてしまいました。

*エディー・ジョーンズさん
「どんなレベルであっても、ラグビーでは、やってはいけないミスだ。
小さいコミュニケーションが大事だ。
密集に向かうとき『僕は1番にいく』『俺は2番』『僕は5番』。
誰のマークに行くのかを伝え合わないといけない。」

「見てる、見てる。
左、左。」

緻密で的確なコミュニケーションの積み重ねが連携を生み、守備でも攻撃でも、大きな成果につながるといいます。

エディー・ジョーンズさん
「すばらしい、すばらしい。」





レッスン最終日。
高校生たちは、格上の大学生チームと対戦。
大熱戦を繰り広げました。



生徒
「ことし一番、声が出ていたと思う。」

生徒
「練習したところがしっかりできていたので、よかった。」



エディーさんによる、世界基準の指導。
新たな奇跡を起こす力を伝えました。

エディー流 勝つための方程式

小郷
「エディーさんの指導、すぐに効果があらわれていましたけれども、二宮さん、ラグビー部出身ですよね。」

二宮
「高校時代はそうでしたけれど、振り返ると、耳が痛いといいますか、声は出していましたけれど、意味のないことを大きな声で言っていた。」

小郷
「まさに『金曜日の居酒屋』でしたか。」

二宮
「ええ、昔も今も、やっていることは同じなんですけれども。
確かに声は出さなきゃいけないという意識はあるんですけど、何を、誰に向かってと、そういう具体的なところまで意識できていたら、もっとチームは強くなっていたのかなと思いましたね。」

小郷
「なかなかコミュニケーションにはつながっていなかったかもしれない。
これまでの行動を、こうやって大きく変えようと思ったら、やっぱり日本人にはなかなかなかったりするような新たな発想で根本から変えるっていうこと、ラグビーに限らず、あらゆる組織にも通じることだなというふうに見ていて感じましたね。」

二宮
「そのエディーさんがレッスンをした高校、東京の目黒学院ですが、4年ぶりに全国大会に出場することが決まりました。
どこまで勝ち上がるのか、楽しみですね。」

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