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2019年3月23日(土)

三陸鉄道リアス線 復興への願いを乗せて開通

連続テレビ小説「あまちゃん」でおなじみの列車。
岩手県沿岸を走る三陸鉄道です。
東日本大震災で被災した駅や線路の復旧がすべて終了。
8年ぶりに運行される宮古-釜石間がつながり、被災地をほぼ縦断するリアス線が今日(23日)開通します。

新井
「開通初日の今日は、正午前から、記念列車が運行されます。
その記念列車が置かれている三陸鉄道の宮古駅から、手嶌アナウンサーに伝えてもらいます。」

三陸鉄道リアス線 8年ぶりに運行再開

手嶌真吾アナウンサー(NHK盛岡)
「岩手県宮古市。
地元で『三鉄』の愛称で親しまれている、三陸鉄道の宮古駅です。
今日は特別な許可を得て、構内に立ち入らせてもらっています。

私のすぐ目の前に、三陸鉄道の特別列車がとまっています。
11時40分に出発する下りの一番列車。
4両編成で、一番手前は、レトロ調の車両です。
その正面。
列車の顔となるヘッドマークが取り付けられています。
リアス線開通を祝う特別製です。

そして、隣にとまっているのも特別列車です。
これは宮古駅を正午に出発する、上りの1番列車です。

そして、車両の左端の方、白枠の中に、数字で『31-3』と書かれていますよね。
これは、平成31年3月に検査を終えたばかりの新型車両なんです。

三陸鉄道は、このリアス線の開通に合わせて、こうした車両8両を新たに作って準備を進めてきました。
今日はこの特別列車が4本運行されて、300人ほどの公募で選ばれた方々が乗り込むことになっています。

改めて整理します。
今、私がいる宮古から釜石までの55キロ余り。
8年ぶりに運行が再開されます。

この区間は、もともとJR山田線の一部でした。
震災の津波で大きな被害を受け、最近まで復旧作業が行われていました。
津波ではおよそ25キロの線路が流出や浸水。
沿線にあった11の駅のうち、陸中山田駅や鵜住居駅など4つの駅が全壊しました。

その後、復旧作業が進められて線路や駅が再建。
さらに、2つの駅も新設されました。
そして今日、宮古-釜石間が三陸鉄道に移管されて、従来からある2つの路線とつながり、リアス線として開通します。

8年ぶりとなる運行の再開。
復興を後押ししたい、沿線住民の皆さんの強い期待を取材しました。」

リアス線開通 沿線住民の期待

リポート:下京翔一朗(NHK宮古支局)

岩手県最大の被災地の1つ、釜石市の鵜住居地区。
復興は進んできたものの、人口は震災前に比べ、およそ3割減少しました。

津波で全壊した駅は、リアス線の開通のために再建されました。
8年ぶりとなる運行の再開に、沿線に活気が戻ることが期待されています。

地区にある公民館。
先週、住民およそ80人が集まりました。
リアス線開通を祝うのぼりを作り、喜びのメッセージも書きました。

住民
「(今は)バスで買い物をしているから、鉄道ができると(震災の)前に戻るから、ありがたい。」

住民
「みんなで一緒に乗りたい。」

観光客の呼び込みにも、大きな期待を寄せる人がいます。
地元の旅館の女将(おかみ)、岩﨑昭子さんです。
旅館は津波で3階まで浸水。
従業員4人が犠牲になりました。

翌年に営業を再開しましたが、売り上げは震災前と比べて大幅に減少。
鉄道の再開を心待ちにしていました。

旅館『宝来館』女将 岩﨑昭子さん
「鉄道がない、途中でつながらないというのは、お客様の足が止まるということ。
ドキドキ、ワクワク。
不安いっぱい、でも夢もいっぱいという感じ。」

岩﨑さんが期待を寄せる理由。
それは、今年(2019年)9月に開かれる、ラグビーワールドカップです。
鵜住居地区には去年(2018年)、復興スタジアムが完成。
完成当日には記念試合が開催。
ワールドカップをきっかけに、大勢の人が鉄道に乗って訪れると見込まれています。

長く愛される沿線にしたい。
岩﨑さんはこの日、高校生たちと、地元の観光プランを考える取り組みに参加しました。
釜石の新たな魅力を発信できるよう知恵を出し合い、発表しました。

高校生
「ラグビー体験をしてもらいます。」

旅館『宝来館』女将 岩﨑昭子さん
「地域もそうだし、私たち観光業もそうだし、今からがようやく本当のスタート、全部のスタートのような気がする。
皆さんの応援でここまできた三鉄の物語があると思うので、それに乗って一緒に走っていきたいですね。」

きょう開通 三陸鉄道リアス線

手嶌
「再び、岩手県の三陸鉄道宮古駅です。
三陸鉄道の中村一郎社長にお越し頂いています。
沿線にお住まいの皆さんの期待、本当に大きいものがあると思いますが、どのように受け止めていらっしゃいますか?」

三陸鉄道 中村一郎社長
「今回、1つにつながったこのリアス線を活用して、本当に沿線の皆さん、相互に交流を活発化していただきたいなというふうに思っております。」

手嶌
「今年は本当にたくさんイベントもありますよね。」

三陸鉄道 中村一郎社長
「そうですね。
秋にはラグビーのワールドカップが釜石で予定されていますし、夏にも三陸防災復興プロジェクトといった大きなイベントも予定されていますので、全国の皆さんにもおいでいただきたいなと思っております。」

手嶌
「一方で、厳しい経営状況も続いていますが、今後の展望はいかがでしょうか?」

三陸鉄道 中村一郎社長
「これについては、引き続き全社を挙げてしっかりと経営の安定化を目指して頑張っていかなければならないと思っております。
そのためにも、地域の皆さんにご利用いただくということと、全国のみなさんにおいでいただいてご乗車をしていただく。
この両面をしっかり取り組んでいきたいと思っております。」

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