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2019年6月7日(金)

“洋服の常識を変えたい” 注目のファッションデザイナー

和久田
「今朝は、世界が注目する日本のファッションデザイナーがゲストです。」

世界のファッションをリードするパリコレクション。
5年間、10回連続で参加している日本人デザイナーがいます。
森永邦彦さん。
作品を貫くのは「洋服の常識を変えたい」という思いです。
発表するたびに世界を驚かせてきました。
その1つです。
白いカーディガンに注目してください。

和久田
「青くなってきてますね。」

太陽の光にあたると色が変化。
まるで違う洋服に着替えたようです。

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「今日は曇りなので淡めの水色ですけど、すごく晴れてる日は真っ青になります。」

花柄模様にも、色がつくんです。
さらにこちらのワンピース。
カメラのフラッシュがあたると…。
しま模様だった服が千鳥柄に見えるんです。

和久田
「不思議、まったく違うワンピースに見えますもんね。」

森永邦彦さんが生み出す不思議な洋服の数々。
スタジオでその魅力に迫ります。

不思議な洋服 原点は“ドラえもん”

和久田
「ファッションデザイナーの森永邦彦さんにお越しいただきました。
よろしくお願いいたします。」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「よろしくお願いします。」

高瀬
「森永さん、作品のテーマが『日常と非日常』ということを伺ったんですけれども、どういうことなんですか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「日常って、すごい当たり前のものだと思っていて、であるならば、洋服にとっての当たり前は何か、っていうことをすごい考えます。
例えば、洋服になぜ色があるのか、とか、洋服をなぜ人の体に合わせて作るのか、とか。
例えば、洋服の袖は、手を出すものなのか、とか。
そういうすごく当たり前のことを見つけて、それに対しての『非日常』を作り出そうとしています。」

和久田
「なにかそういう発想に至った、影響を受けた方っていらっしゃいますか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「影響を受けたといえば、子どものころに藤子・F・不二雄先生のドラえもんがすごい好きで、日常をドラえもんのひみつ道具が少し変えてくれて、ファンタジーを見せてくれる、っていうのにすごい憧れを抱きました。」

高瀬
「それを服でやっていこうという。」

和久田
「私も拝見して、目の前で不思議なことが起こるんです。
本当に驚いたんです。
そういう驚きを提供したい、ということなんですか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「できることならば。」

和久田
「そんな森永さんの作品。
いったいどんな驚きの秘密が隠されているのでしょうか。
こちらをご覧ください。」

世界が驚く!! 不思議な洋服の秘密

モデルが着ているのは白いコート。
腰に手をやって、特殊な照明を当てると…。
手を置いた部分だけが白く残るんです。
実はこれ、太陽の光で色が変わる粒子を糸に塗ってあるそうです。
サングラスを作るのに使われている技術なんです。

さらに先ほど紹介したフラッシュでデザインが変わる洋服。
車のヘッドライトが当たると光る道路標識がありますが、それと同じ性質を持つ染料を使っているんです。

“テクノロジー” こだわりの理由

和久田
「素材にこんな秘密、工夫があるんです。」

高瀬
「もともと洋服とは関係のなかった技術だと思うんですけど、それをあえて応用したということなんですか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「パリコレクションに出たときに、今のパリにないものを持っていきたいと思って、それが日本のテクノロジーだったんですけれども、全くファッションとは関係のない技術をファッションと結びつけたときにすごい面白いことが起きたり、あとは、今までにない感情を引き起こせたり、そういうほかのデザインとは違う挑戦をしてきています。」

和久田
「海外の方から、評判というのは、こういうテクノロジーに対していかがですか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「日本っぽい、って言われますね。」

和久田
「日本らしい。」

高瀬
「そういうものなんですね。
テクノロジーもまた、日本らしさ、っていうことなんですか。」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「はい。
そう言われることが多いです。」

最新コレクション 伝えたかったこと

和久田
「そして、森永さん、今年(2019年)2月に行われたショーで新たなチャレンジをされました。
こちらをご覧ください。
ショーに先立ってインターネット上で発表した作品の写真。
まず写真を発表されたんです。」

高瀬
「何かの袖に見えますよね。
ジャンパー?」

和久田
「ジャンパーの袖、そう思うんですが、ショーの映像がこちらなんです。
皆さん、驚くと思います。
モデルの女性が着ている服と写真、比べてみてください。」

高瀬
「『袖を着ている』って言いますか、上下が逆になって着ている、っていうこと?」

和久田
「そう、袖が服全体なんですよね。
同じ洋服を今日、持ってきていただいたんです、いかがでしょう?
写真で見たものですよね、袖口なんですけれど、着るときは逆さまなんですね。
こうしてこの辺りが胸にきて、ドレスになるものなんです。
大きさにまず驚きますし、この着方ですよね。
写真じゃ全くわからないんですよね。」

高瀬
「写真だけだったら全くわからないですよね、やっぱりね。
これ、どういうことなんですか?
さっきおっしゃっていた、『袖を通すものなのか』みたいな話に繋がる、と?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「そうですね。
画面上では、洋服の細部・袖に見えるんですけれども、今の時代、画面を通してファションを伝えることっていうのは多くて、であるならば、画面ではわからないものというのを表現しようっていうのが、このコレクションです。」

和久田
「大きさ、仕掛けにも驚くんですけれども、洋服から今の世の中が見えるっていうその発想も面白いですよね。」

高瀬
「そうですね。
なんとも暖かそうなドレスですけれどもね。」

和久田
「そして森永さん、今年(2019年)9月、パリで開かれるデザイナーコンテストの最終審査に参加するんです。
世界100か国、1,700組のデザイナーから応募があった中、最終審査まで勝ち残ったのは、わずか8人。
アジアからは森永さんただ一人という快挙なんです。」

和久田
「どう臨まれますか?」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「何を作るか、っていうのはまだちょっと言えないんですけど、やっぱり洋服は日常を変えられる唯一残された装置だと思っているので、何かその、当たり前のことであったり、今までの洋服とは違う考え方というのを発表したいと思っています。」

和久田
「例えば、センスがいい人、ファッションに詳しい人だけじゃなくて、いろんな方にこの面白さって伝わりそうですよね。」

ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「そうですね。
ファッションに興味がない人や詳しくない人でも伝わるようなことっていうのをやりたいと思っています。」

和久田
「それが、サイズだったり、素材だったり。」

高瀬
「確かに見ていて、わくわくしますね。」

和久田
「これからも私たちの心を動かしてくださる作品を期待しております。
今日は、ありがとうございました。
ファッションデザイナーの森永邦彦さんに伺いました。」


写真提供 ANREALAGE

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