和久田
「そして、森永さん、今年(2019年)2月に行われたショーで新たなチャレンジをされました。
こちらをご覧ください。
ショーに先立ってインターネット上で発表した作品の写真。
まず写真を発表されたんです。」
高瀬
「何かの袖に見えますよね。
ジャンパー?」
和久田
「ジャンパーの袖、そう思うんですが、ショーの映像がこちらなんです。
皆さん、驚くと思います。
モデルの女性が着ている服と写真、比べてみてください。」
高瀬
「『袖を着ている』って言いますか、上下が逆になって着ている、っていうこと?」
和久田
「そう、袖が服全体なんですよね。
同じ洋服を今日、持ってきていただいたんです、いかがでしょう?
写真で見たものですよね、袖口なんですけれど、着るときは逆さまなんですね。
こうしてこの辺りが胸にきて、ドレスになるものなんです。
大きさにまず驚きますし、この着方ですよね。
写真じゃ全くわからないんですよね。」
高瀬
「写真だけだったら全くわからないですよね、やっぱりね。
これ、どういうことなんですか?
さっきおっしゃっていた、『袖を通すものなのか』みたいな話に繋がる、と?」
ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「そうですね。
画面上では、洋服の細部・袖に見えるんですけれども、今の時代、画面を通してファションを伝えることっていうのは多くて、であるならば、画面ではわからないものというのを表現しようっていうのが、このコレクションです。」
和久田
「大きさ、仕掛けにも驚くんですけれども、洋服から今の世の中が見えるっていうその発想も面白いですよね。」
高瀬
「そうですね。
なんとも暖かそうなドレスですけれどもね。」
和久田
「そして森永さん、今年(2019年)9月、パリで開かれるデザイナーコンテストの最終審査に参加するんです。
世界100か国、1,700組のデザイナーから応募があった中、最終審査まで勝ち残ったのは、わずか8人。
アジアからは森永さんただ一人という快挙なんです。」
和久田
「どう臨まれますか?」
ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「何を作るか、っていうのはまだちょっと言えないんですけど、やっぱり洋服は日常を変えられる唯一残された装置だと思っているので、何かその、当たり前のことであったり、今までの洋服とは違う考え方というのを発表したいと思っています。」
和久田
「例えば、センスがいい人、ファッションに詳しい人だけじゃなくて、いろんな方にこの面白さって伝わりそうですよね。」
ファッションデザイナー 森永邦彦さん
「そうですね。
ファッションに興味がない人や詳しくない人でも伝わるようなことっていうのをやりたいと思っています。」
和久田
「それが、サイズだったり、素材だったり。」
高瀬
「確かに見ていて、わくわくしますね。」
和久田
「これからも私たちの心を動かしてくださる作品を期待しております。
今日は、ありがとうございました。
ファッションデザイナーの森永邦彦さんに伺いました。」
写真提供 ANREALAGE