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2019年6月20日(木)

“高齢者の足”電動アシスト自転車

街中では親御さんが小さい子どもを乗せて走っているのを電動アシスト自転車ですが、実はいま高齢者の『足』としても注目されているんです。
というのも、いま、高齢ドライバーによる車の事故が相次いでいますよね。こうした中で、免許返納後の移動手段として電動アシスト自転車を選ぶ人も出てきているんです。

電動アシスト自転車 高齢者向け商品も

都内に住む山田一二さん。82歳です。
免許返納に備え、3週間前、この電動アシスト自転車を購入しました。

山田一二さん
「あちこちで(車の)事故があって。
みんなアクセルとブレーキの踏み間違いとかで。
私もそうならないうちに、やめた方がいいかなと思って。」

これまで移動は自家用車だったため、自転車に乗るのはおよそ60年ぶり。
団地の敷地内で、練習を重ねています。

山田一二さん
「ちょっと最初は怖かったよ、さーっと行っちゃうんだもん。
練習してうまくなんないと表に出られないから。」

子育て世代を中心に人気を集めてきた電動アシスト自転車。
2~3年前から、高齢者からの問い合わせが増えているといいます。

サイクルベースあさひ 保木間店 岩松彬允店長
「車は怖いので自転車に代えますという方が多い印象を受けますね。」

最近では、高齢者向けの商品も増えてきています。

サイクルベースあさひ 保木間店 岩松彬允店長
「(高齢者が)足を上げて乗るのはきついので非常にまたぎやすい形状になっている。」

さらに、車輪が小さいものも。
これは重心を低くすることで、走行中のふらつきを減らそうという工夫です。

高齢者 自転車運転のリスクは

一方で、高齢者が自転車を運転することにはリスクも伴います。
さらに電動アシスト自転車は、普通の自転車よりスピードが出やすく、車体も重くなっています。
去年6月には愛知県で、88歳の男性と69歳の女性が乗る2台の電動アシスト自転車が出合い頭に衝突。
男性が頭を強く打って死亡しました。
去年1年間に全国で46件の死亡事故が発生し死者のうち8割が65歳以上でした。

電動アシスト自転車のユーザーに話を聞くと、自分も危ない目に遭ったという人が少なくありませんでした。

電動アシスト自転車のユーザー
「踏み込みが、慣れてないと、がっと出ちゃうから。
自分たちが気をつけないと、人にぶつけたりするから。」

電動アシスト自転車のユーザー
「自分で転んだこともあります。
人に助けてもらって起き上がったりしたこともあります。」

電動アシスト自転車 安全に利用するために

私たちも、もちろん注意が必要なんですが、専門家によると、高齢者は視力の低下に加え、視野が狭くなっています。
また、とっさの時の反応速度も鈍くなっていて、危険に気づいてもブレーキをかけるのが遅くなる傾向にあるといいます。
では、高齢者の皆さんが安全に電動アシスト自転車を利用するにはどうすればいいのでしょうか。

専門家に聞く 自転車の乗り方チェック

各地で自転車の乗り方を指導している谷田貝一男さんに練習中の山田さんの乗り方をチェックしてもらいました。
まず大事だというのが、ヘルメット。
最近は、高齢者向けに帽子のようなデザインのものもあります。

自転車にまたがりますが、さっそく専門家から指摘が。

日本自転車普及協会 谷田貝一男さん
「ブレーキをかけるまでは電源を入れないでください。
またいだ後、ペダルにはまだ足を乗せないでください。
ブレーキをしっかり握って、その後に電源を入れてください。」

電源がオンの状態でペダルに足を乗せると、自転車が急発進する危険があるためです。
必ずブレーキを握ってから電源を入れ、その後、ペダルに足を乗せる。
この順番が大事だといいます。

そしてこぎ出しは、ゆっくりと。
通常の自転車と比べて、進む力は最大で2倍になります。
一気に踏み込むと、急加速して転倒につながるおそれがあります。

片足をペダルに乗せ、地面を蹴って乗り込む「ケンケン乗り」は勢いが付きすぎる恐れがあり、絶対にやめるべきだといいます。

日本自転車普及協会 谷田貝一男さん
「なかなかまっすぐ行ってますね、ふらつきないですね。」

団地の中で練習を繰り返した山田さん。
この日の最後、団地近くの坂道を上ってみました。
普通の自転車だと押して歩くほど急な坂ですが、アシストの力で、一度も止まらずに上りきることができました。

日本自転車普及協会 谷田貝一男さん
「ふらつきもありませんでしたので、これだったら大丈夫だと思います。」

山田一二さん
「やっとふらつかなくなったんですよ。」

日本自転車普及協会 谷田貝一男さん
「車が来たときは無理をしないで止まって、場合によっては降りてしまう。
それが安全な方法の第一条件になりますね。」

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