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2019年9月14日(土)

広がる“新たな働き方” 売り上げ30%増も

リゾート地などで休暇を取りながら、仕事もきちんとしていく「ワーケーション」という企業の取り組みが、今注目されています。
「ワーケーション」とは、「ワーク」と「バケーション」を掛け合わせた造語なのですが、導入した企業では労働時間が減少したり、東京のオフィスでの仕事に比べて、時間あたりの「売り上げ」が30%増えたりといった事例もあります。
現場を取材しました。

“ワーケーション” 仕事も休暇も両立!

照りつける太陽に、海を満喫する観光客。

「かんぱーい。」

沖縄のリゾート地を訪れた人たち。
取り出したのはパソコン?

「ちょっとスタート連絡します。
きょう沖縄に来てワーケーションを始めたいと思っています。」

仕事をするのは航空会社で働く社員たち。
休暇の合間に仕事をする“ワーケーション”です。
メンバーの1人、堀岡昌代さん。
旅行が趣味で、これまでに7回ワーケーションを行っています。

堀岡さんのワーケーションの例です。
旅行のため7連休を取りました。
しかし火曜日に国に提出する書類の締め切りがありました。
このため月曜日と火曜日の午前中だけウェブ会議システムを使って仕事。
それ以外は旅行を楽しみました。

航空会社社員 堀岡昌代さん
「仕事があるから旅行に行けないということがなくなりました。
気分転換でかつ仕事の想像力も湧く。
一石二鳥だなと思っています。」

堀岡さんの会社では、2年前からワーケーションを導入しました。
このような遠隔地で仕事をする社員は年々増え、今やおよそ半数が経験。
社員の労働時間は年間70時間減少しました。

日本航空 小田卓也人材本部長
「休みの中で仕事するのはどうなのかっていう議論もあったんですけども。
実際やってみると非常にメリハリがついて、自分の時間を自分でマネージメントをしながら、パフォーマンスを出すといいますかね。
そういう事が、意外な事によかったな。」

“ワーケーション”で人材確保する中小企業も

一方、ワーケーションを人材確保のために導入しようという中小企業もあります。
発電プラントの設計などを行っているこの会社では、優秀な人材の確保が課題となる中、若手エンジニアの育成に力を入れています。
女性社員の定着を図るため、事務所のそばに保育所を設置。
ワーケーションの導入でさらに魅力ある職場を目指します。

阪技 後藤純次社長
「いろんな働く場所、働く環境をいろんなことを変えながら、従業員の皆さんがやはり1日でも長く働ける環境を、皆さんが選択していくような形の環境を作りたいよねっていう思いはありますね。」

この日、社長の後藤さんは、ワーケーションを始めるために若手社員とシェアオフィスを訪れました。
自然に囲まれた立地と、企業秘密を守る個室などの環境、その両方を備えた施設が理想です。
さらに訪れたのは海沿いにある物件。
来年(2020年)、シェアオフィスに改修される予定です。
若い社員の心はつかめるのか。

「すごい、外国みたい、すごいのびのび出来ますね。」

阪技 後藤純次社長
「今働いている人らに『こういう形で働くのはどう?』と問いかけると、意外と手を挙げる人がいるんじゃないかと思いますね。
大学生の人たち含めて、そういう企業に就職したい子も出てくるんじゃないかと思いますね。」

ワーケーションは新たなビジネスを生みだすことにもつながっています。

“ワーケーション”で新たなビジネスチャンスも…

航空会社の社員・東原祥匡さんはワーケーションで沖縄を訪れた時、地元のホテルの社長と知り合いました。
その中で、LGBTのイベントに合わせた旅行ツアーの企画を持ちかけられました。
これを受け先月(8月)、航空会社はチャーター便を運航。

「良いフライトでした。」

参加者はホテルを利用し、双方にとってプラスの結果となりました。

日本航空 東原祥匡さん
「ひとつこういったチャンスが増えるというか、広い意味でみて、多様性というところが働き方も休み方も、もしかしたら生き方もというところがつながることは、今回すごく感じられたところです。」

広がり始めたワーケーション。
その可能性について、専門家は…。

早稲田大学 恩藏直人教授
「ふだん触れることのできないような人たちとのネットワークを築ける。
当然リクルーティング効果もあるし、さらに働いた後、離職を防いでくれるんです。
そういう効果もあると思います。」

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