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2020年2月6日(木)

ふだんの暮らしから “もしも”に備える!

災害などで停電したとき、懐中電灯にもなる電気スタンド。大雨などで車が水没した際、ハンマー代わりになって窓ガラスを壊せる、車のソケットに刺す電源機器。
いま、ふだんの暮らしから、「もしも」に備えようという考え方がさまざまな現場で広がっています。

災害から命を守る 日常にある備え

去年(2019年)11月から東京・豊島区内を走るコミュニティーバスです。

電気で走るこのバスは、災害時、非常用電源になります。中には大型の蓄電池が積まれていて、バス1台で一度に最大2,500台の携帯電話が充電できます。

災害時に、道路状況が悪くなっても走れるようにと、タイヤも多くつけられています。

最前線の救護現場などで、必要な機器に電気を供給することも想定されています。まさに“非常時に駆けつけるバッテリースタンド”。現在、豊島区内で10台が走っています。

豊島区土木担当部長 原島克典さん
「日々の中で使えているもの、それが災害時も使える。そういったものを増やしていくことが区民に安心感を与えられる。」

池袋駅に近いこちらの公園にも、災害への備えがあります。

このミストシャワーは、夏の暑いときには熱中症を防ぐために稼働しますが、災害時には水の量を増やして周囲の木をぬらすことで、火の延焼を食い止める、「防火帯」を作ります。

授業で身につく 災害への心構え

ふだんの暮らしから「もしも」に備えようという取り組みは、教育の現場にも広がっています。
徳島県鳴門市の撫養(むや)小学校です。海からほど近く、津波の浸水想定域になっていることから、防災教育に力を入れてきました。

今年度から試験的に取り入れている授業があります。この日、慣用句を使って文章を作る国語の授業で、教師は「涙をのむ」「油を売る」に加え、災害への心構えにつながる、「念には念を入れる」という言葉を課題に入れました。ふだんの授業に、さりげなく「防災」の視点を入れることで、自然と災害への意識が高まっていくことを期待してのことです。

撫養小学校 坂本卓也教諭
「防災授業のときにきょう防災すると教えたら、その時しかできないですけど、ふだんの中に入れていくことによって無意識に子どもたちの頭に入ってくるようになる。」

2年生の体育で取り入れられているのは、災害が起きた時を想定した、体の動きです。赤い玉が置かれた平均台は、がれきで狭くなった足場をイメージしています。さらに、高い所からジャンプするのは安全な場所に逃げる動きを、身につけてもらおうというものです。学校側は、年1、2度の防災訓練に加え、こうした授業を繰り返し行っていることで、子どもたちの防災意識が確実に高まっていると、手応えを感じています。

このふだんの暮らしの中に防災や災害の視点を取り入れる考えは、日常と災害時の垣根をなくす、という意味で、「フェーズフリー」と呼ばれています。この取り組みを進めるフェーズフリー協会代表の佐藤唯行さんは、「災害時には、日常の社会がそのまま突入していく。日常にあるものがそのまま災害時に役立つことで、助かる命が増えていく」と話しています。

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