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2020年2月14日(金)

片岡愛之助さん “斬新さ”求め続けて

人気歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが主演を務める新作歌舞伎の上演が2月13日から始まりました。ことしで10回目を迎える新作歌舞伎。愛之助さんがこだわっているのは斬新さです。

歌舞伎俳優 片岡愛之助 “斬新さ”求め続けて

片岡愛之助さん
「10年という節目なんですけど、思い起こせばあっという間ですね。ライフワークの一つとなっているような感じの位置づけですね。」

徳島県鳴門市にある美術館。
この中に、バチカンのシスティーナ礼拝堂を再現した壮大なホールがあります。
愛之助さんはここで「和と洋のコラボレーション」をテーマに、毎年、新作歌舞伎を発表しています。スペインの伝統的な踊り、フラメンコを取り入れたり、仮面をかぶりながら歌ったりと、歌舞伎の新たな可能性を追い求めてきました。

片岡愛之助さん
「そもそも歌舞伎というのは、語源は傾(かぶ)くところから始まっている。平たく言うと一番新しい、最先端のことをしている人。傾いている人たちを見て、傾奇者(かぶきもの)になったわけですから、最先端のことをするって、こういうことなんじゃないかな。」

10回目の節目となる、ことしの演目は「織田信長」。
実は信長は双子という設定で、吸血鬼にかまれて1人が悪の化身となってしまうという斬新な内容です。
愛之助さんは1人二役で、善と悪の信長を演じます。

先週のけいこで入念にチェックしていたのは、信長が吸血鬼にかまれるシーン。信長が悪の化身に変わる場面をどう印象づけるか、ギリギリまで試行錯誤を続けていました。

片岡愛之助さん
「周りの人と相談しながら、一から、ないものを作り上げていく。非常に楽しいですね。」

そして、迎えた初日。
500近い客席は、全国から集まったファンで満席に。

主役、信長の登場に観客が沸きます。
客席は舞台を囲むように設けられていて、演技を間近に感じることができます。
そして物語の中盤、信長が吸血鬼にかまれるシーン。マントを大きく使って、悪の信長の誕生を強調しました。

クライマックスは「本能寺の変」。悪の信長が、大立ち回りを見せます。
圧巻の2時間でした。

片岡愛之助さん
「お客様に温かく迎えていただいたという感じで、ほっと胸をなで下ろしながら、楽しみながら務めさせていただいた。10年ってなかなかなんですけども、これを節目に、11回、12回といろんな作品を残していきたい。」

いま『古典』とされている歌舞伎の演目も、最初は目新しく、ときに奇抜なものだったともいえます。
愛之助さんは、今回のような新作歌舞伎が「新たな古典」として上演されていくように挑戦を続けたいと話していました。

取材:草野大貴(NHK徳島)

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