これまでの放送

2020年2月16日(日)

財津和夫さん 10年ぶり新曲に込めた思い

「心の旅」や「青春の影」など、数々の名曲を送り出してきた「TULIP」の財津和夫さん、71歳。3年前、大腸がんになり、一時は活動を休止しましたが、それを乗り越え、今もステージに立ち続けています。財津さんはいま、10年ぶりの新曲作りに挑戦しています。そこにどんなメッセージを込めようとしているのか、新井アナウンサーが話しを伺いました。

財津和夫さん 新曲に込めた思いは

新井アナウンサー
「新しい曲をなぜいま作ろうと思った?」

財津和夫さん
「いろいろな曲を作ってきて、もう目新しい曲はない、自分で新しいと感じるものはないなんて思っていたが、元気の出るような歌が私から提供できるなら、一度やってみよう。歌を聴いて、『あしたから元気になるな』と思ってくれるといいな。」

1972年にデビューした
「TULIP」のメンバーとして、「サボテンの花」に代表される別れや失恋などをテーマにした曲で圧倒的な支持を受けてきた財津さん。3年前、突然、大腸がんにかかり、歌手人生に区切りをつけることさえ考えたといいます。
こうした中、始めた10年ぶりの新曲作りではこれまでと違うやり方に挑戦していました。

いつもは先にメロディーを作り、そこから詞を考えてきましたが、今回は、あえて詞を先に書き始めていたのです。

財津和夫さん
「今回はメッセージ色の強い歌を作ってみようと。今までそうやって作った記憶がない。結果的にメッセージ色がある歌はいくつかあるんですけど、メッセージ的な歌を作ろうと、出発点からそう思ったことは今までなかった。今回はそれをやってみようと。だったらメロディーよりも詞が優先。」

財津さんが詞の大切さに改めて気付かされたきっかけがあります。

ふるさとの福岡で、去年から続けている作詞講座です。月に1度、同世代の80人ほどの参加者に詩を書くことのおもしろさやコツを教えたいと始めました。

この日、読み上げたのは、闘病中の参加者が書いた普段の何気ない時間を過ごす喜びを表した詩です。

「一緒のごはんはおいしいね
一緒にいると楽しいね
あなたといると私 
『ああ生きてる』って実感できるの
ずっと私のこと好きでいてね」

実家から巣立つ娘との別れを前向きに捉えた詩も紹介しました。

「まだ見ぬ世界へ 大地を踏みしめて 希望は歩き始めた。
苦しくて険しい坂道を 弱音ひとつはかずに
自分を信じてひたすら登り続け 希望は膨らみ続けた。」

70歳を超え、これまでの経験を伝えたいと始めた作詞講座。いま、財津さんにとって、参加者の詩から学ぶ場になっているといいます。

新井アナウンサー
「作詞講座をされていると、お互いに影響し合っているという部分も感じますか。」

財津和夫さん
「みなさんの作った詩をみていると、自分を励まそうとしている詩が多い。それを読むと、やっぱり僕も自分を励ましたいなと。人を励ますということも大切だけど、自分を励ますというのは年とってから必要な事だぞと思って。『年をとったから何もできない』と思うのではなくて、『大丈夫、大丈夫、やろうよ、やっていける、俺はやれるんだ』とかね。」

苦しい闘病生活を乗り越えた自分だからこそ書ける曲は何か。
財津さんがキーワードに選んだのは「大丈夫」という言葉でした。

財津和夫さん
「闘病中に『大丈夫だ』と言ったことも思ったこともないけれど、でも闘病後、『大丈夫だったんだ』というのはあった。『大丈夫』という言葉は僕にとっては魔法の言葉になっている。笑顔になれて、健康になれて、楽しく仲間たちとやっていけるのがいちばん幸せかな。そうなるためには、やっぱり魔法の言葉のようなものが必要かな。ただひと言『大丈夫』という。それがあればなんとかやっていける。」

1月下旬。
新曲のレコーディングが始まっていました。

「うまくいかないこと それは恋だけじゃない
人のなかにいれば 面倒なことだらけ
宝くじあたるのも どこに隕石落ちるかも
誰にもわからない 予言者も神様も
大丈夫さ 大丈夫さ うまくゆくから
大きな力 君の中から
大丈夫さ 大丈夫さ すべてうまくゆく
人生はひとつ でも一度じゃない」

新井アナウンサー
「『人生はひとつ でも一度じゃない』というフレーズが印象に残ったが、ここはどういう思いが?」

財津和夫さん
「人生はたったひとつしかないけれど、でも人生を生きるということは一度じゃない。『何度だって生まれ変われる』というふうに捉えて頂ければうれしい。自分に向けて歌って、それを誰かが受け止めてくれて、そこでつながっていられるということが、やっぱり僕にとっての歌うということ、曲を作るということ。」

財津さんは、現在、ソロツアーも同時に行っていて、新曲は7月のコンサートで初披露する予定とのことです。

Page Top