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2020年3月22日(日)

世界が注目!シティ・ポップ 人気の理由は?

☆記事のポイント
◎1970年代~80年代に日本で作られた音楽「シティ・ポップ」が今、海外でブームに。
◎当時のきらびやかで華やかさなイメージがある上、音楽の良さ自体が評価されている。
◎ブームが広がるきっかけには各国の音楽マニアの存在が。
◎その一人、韓国人の音楽プロデューサー/DJのナイト・テンポさんの活動を紹介。

山下達郎さんや大貫妙子さんら、1970年代~80年代にかけて発表された音楽は「シティ・ポップ」と呼ばれ、今、海外で人気を呼んでいます。

世界中で人気 急上昇 “シティ・ポップ”が熱い!

去年、アメリカ・ロサンゼルスで行われたクラブイベントでは、山下達郎さんの「ラブ・スぺイス」がかけられ、熱狂する若者たちで会場はあふれました。

インターネットでは、竹内まりやさんの歌を完璧にコピーして歌うマレーシア人女性の動画が人気になっています。

マレーシア人女性
「(曲を聞いた時)強く心に刺さりました。歌い方をまねして、意味も調べて、何度も練習しています。」

都内のレコード店には、ここ数年「シティ・ポップ」を目当てに海外から訪れる人も多いといいます。

HMVレコードショップ渋谷 末吉悠太さん
「外国の方にオススメを教えて下さいと聞かれます。自分しか知らないモノも探してやろうという感覚がすごく強いと感じます。」

シティ・ポップとは、1970年代から80年代にかけて洋楽の影響を受けて生み出された、都会的で洗練された日本のポップスのことを指します。
なぜ今、世界的な人気となっているのか。
シティ・ポップに詳しい専門家に聞きました。

音楽ジャーナリスト 柴 那典さん
「あの時代のムードというのは日本だけが特殊なものではなく、世界的に、ある種ちょっときらびやかで華やかで、もの珍しさとか単なる話題性というよりも、音楽の良さ、音楽が持っている魅力が評価されている。」

背景には、インターネットで世界のどこでも簡単に聞けるようになったこともあり、象徴的なのが、竹内まりやさんの「プラスティック・ラヴ」の(84年)人気です。

動画の再生回数は非公式なものも含めて、全世界で5000万回とも言われています。

この現象をどう捉えているのか、竹内まりやさんご本人に聞きました。

竹内まりやさん
「私の36年前の作品である「プラスティック・ラヴ」が、なぜか、一昨年あたりからでしょうか、海外の若者の間で人気を得るという不思議な現象が起こっておりまして、その再生回数の多さに、正直私自身が一番驚いているわけなんですけれども。20代だった私が洋楽テイストを目指して作った、この楽曲をまさに洋楽の本場にいる若者たちが今、好んで聞いてくれているというこの事実を、とても素直にうれしいと思っておりますし、個人的には自分のアルバムの中でも、アレンジも演奏も最も好きなトラックの一つだったので、今更ながら本当に作った甲斐があったなと思っております。」

昭和の名曲を“発掘” 韓国人DJに密着

世界で人気を呼ぶシティ・ポップですが、海外の人たちが聞くようになったのには、DJなどの存在があると言われています。

その1人が韓国人のDJ、Night Tempo(ナイトテンポ)さん34歳です。

去年から日本やアメリカなどのイベントで、自らアレンジしたシティ・ポップを流し、若者の心をつかんでいます。

韓国で生まれ育ったナイトテンポさんが日本の音楽にひかれるようになったきっかけは、日本への出張が多かった父親がお土産で買ってきてくれたCDでした。それをきっかけに、シティポップや昭和のアイドルソングなどに慣れ親しんでいきました。

5年前から、ナイトテンポさんは趣味でアレンジした曲をインターネットに投稿しはじめ、竹内まりやさんの「プラスティック・ラヴ」をリミックスしたところ人気に一気に火がつきます。

去年からは、アメリカでもDJとして呼ばれるようになり、イベントには多くのファンが詰めかけるようになったのです。

ナイトテンポさんの発信力に、日本の音楽業界も注目しています。
音楽出版社から楽曲のアレンジの依頼が来るようになり、これまでに行った杏里やWINKなどの曲は、高い評価を得ています。

フジパシフィックミュージック プロデューサー 三浦圭司さん
「彼が手がけるによって国境と時間を超えて(昭和の曲を)世界中にアピールできる。」

音楽プロデューサー/DJ ナイトテンポさん
「原曲に自分の色も加えて、若い人たちも聞けるように紹介したい。自分が好きなものを伝えるのはとても楽しいです。」

竹内まりやさんは、ナイトテンポさんなどシティ・ポップを世界に広めた人たちについて、次のようにメッセージを寄せてくれました。

竹内まりやさん
「この時代の音楽をシティ・ポップとして世界に紹介してくださった功績は、大変大きいものだと感謝しています。ナイトテンポさん本当にありがとうございます。」

(取材:近藤由香利・国際部)
      

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