これまでの放送

2020年4月4日(土)

トイレットペーパー なぜ不足?

最近は見るようになったものの、少し前まで店頭からなくなったところもあったトイレットペーパー。この1か月の間に何が起こっていたのか。取材を進めると、品不足を起こさないために心がけたいポイントが見えてきました。

トイレットペーパー なぜ不足? 店は品薄 でもメーカーに…

各地で買い占めが相次いだ中、当時トイレットペーパーを製造する工場はどんな状態だったのか。生産量の3割を占める日本一の産地、静岡県富士市に向かいました。こちらのメーカーでは、混乱が生じる前から24時間フル稼働で製造。全国に出荷しています。

ここには当時、1億ロールの在庫がありました。生産量はいつもどおりで、十分な在庫が確保されていました。

丸富製紙 日向孝夫常務
「在庫があるのになぜださないんだ、というような厳しいお言葉を受けましたが、『配送』がどうしても追いついていかないという形だった。」

伝えられなかった“配送の課題”

トイレットペーパーの在庫は豊富にありましたが、問題が「配送」だったことはほとんど情報発信されませんでした。通常、日用品の多くは配送センターから各店舗に、さまざまな商品を運ぶのが一般的です。一方、トイレットペーパーは単価が安いため、輸送のコストを下げる必要があります。そのためトラックにトイレットペーパーだけを満載にして運びます。

その専用の車両が、いくつかの店舗に届けます。積載量はこれ以上増やせないため、多くの店舗で同時に発注の増加が起こると応えられません。積み込みには熟練のノウハウが必要なため、トラックの運搬回数は簡単には増やせません。また、トラック自体を増やすことも業界の人手不足のため難しい状況です。

丸富製紙 日向孝夫常務
「余分にトラックを用立てると、余分な経費、高い物流コストになりますし人件費も非常にかかってきます。」

さらに、店舗側にもある事情があります。

店の裏側に案内してもらったところ、中規模なドラッグストアでも他の商品を置く必要があり、かさばるトイレットペーパーに割けるスペースは限られています。

ウエルシア富士今泉店 中川裕登店長
「トイレットペーパーはどうしてもモノが大きいので、あまり数としては在庫が出来ていない状況ですね。物流や裏の倉庫のこととか、お客様には普段みえない部分なので、どうしても『今は入ってきてないですが、そのうち入ってきますよ』というところに関しては、納得していただくのが難しい部分はあった。」

不安を和らげるには “消費者に具体的な説明を”

専門家は、具体的に何が起こっていて、いつごろ解消されるのか、丁寧で細やかな情報をもっと積極的に消費者に伝えていく必要があると指摘しています。

東京大学 関谷直也准教授(災害社会学が専門)
「多くの人が買いだめに走っていると聞くと、多くの人がやっぱり焦る。『店頭にないのはなぜかというと物流が混乱しているからで、だからもう少し待ってください』と、その理由をきちんと丁寧に説明する必要がある。少し落ち着いて、もう1日2日待ってみて購買をしてくださいというような呼びかけをするだけで、たぶん状況は改善していくはずだ。」

ただ、トイレットペーパーは、「皆さんが通常通り購入すれば」品不足は発生しないそうです。

業界団体によりますと、トイレットペーパーを使用する量は平均すると、「1人1週間1ロール程度」ということです。専門家は、「感染症予防のため、人が店に殺到することを防ぐ必要がある。海外で行われている整理券の配布など、店への入場制限も今後検討するべきではないか」と指摘しています。計画的に買っておけば、あわてることもなさそうです。

このようなトイレットペーパーの悲劇を繰り返さないように、きめ細かな情報を出してもらうこと、その情報をより丁寧に伝えることが大切だと感じます。

Page Top