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2020年4月18日(土)

増産が難しい?マスク不足の理由

視聴者から寄せられた「疑問」を取材する「おはサタ調査班」。
今回は、多くの方から寄せられた「マスクが手に入らないのはなぜなのか」という質問にお答えします。



この記事のポイント
①供給を増やしているが、医療機関への提供が優先されて一般家庭に届きにくい。
②需要が高まったため、材料が手に入りにくくなった上に価格が高騰。
③生産続けるため仕入れ先を変えると材料のサイズが違って、機械の調整に時間がかかる。

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「続けられないかも… 国産マスク増産の課題(6月9日)」

増産も家庭には届きにくく

日本は年間のマスク供給量55億枚のうち、8割を中国などからの輸入に頼っています。日本でひと月に提供されているマスクはおよそ1億枚。それをいま3倍以上に増やし、輸入マスクと合わせて、月に6億枚供給できるようにしています。しかし医療機関への提供が優先されているため、一般の家庭には届きにくい状態が続いています。

世界的な材料の争奪戦に

なぜさらに生産を増やせないのか。取材を進めると「増産」する難しさが見えてきました。
訪ねたのは新たにマスクを作り始めた企業。もともとは業務用の洗浄機を作るメーカーですが、感染拡大を受け新規参入を決意しました。

生産にあたって苦労しているのは材料の入手です。マスクの生産に必要なのは、不織布、フィルター、ゴム、そしてワイヤー。いままでマスクを使う習慣のなかった欧米でも使い始めたことで、世界中で需要が急増。争奪戦になっているため、なかなか材料が手に入らないといいます。

さらにこれによって価格が高騰。この会社では中国から主に材料を購入していますが、たとえばフィルターは、2か月前には1トンあたりおよそ15万円だったのが、いまは900万円にもなっています。実に60倍です。

洗浄機メーカー社長 藤村俊秀さん
「どんどん(マスクを)出していくっていうのは、自分たちの体力を奪うだけなんで難しいのですが、赤字にならないように頑張ります。」

作り始めると、さらに課題にぶつかりました。
材料の世界的な争奪戦から、仕入れ先をたびたび変えざるをえなくなり、ゴムやフィルターの大きさなどがマチマチになってしまうことが少なくありません。大きさに合わせて機械を調整するため、生産がうまくいかないこともあり、思った以上に時間がかかっています。

企業の参入が増えることで、マスクの不足は改善されると考えている社長の藤村さん。しかし、それは簡単ではないと言います。

洗浄機メーカー社長 藤村俊秀さん
「とても国産で、利益が出るなんていう商品ではないんですよね。となると、これがいつまで続くかということを考えれば、一般的な経営者であれば、短期的に見ると手を出すものではないっていうのは、ごくごく当たり前の考えだと思います。参入はしづらいと思います。」

不足を補うには

市民にまんべんなく行き届くように、対策を行っているところもあります。
例えば台湾では、生産したマスクを当局が買い取る措置を導入しており、今(4月)は1月に比べて8倍もの生産を行っているそうです。

また日本国内でも、不足の状況はすぐには解消されないようなので、今週から各家庭に配布されている布マスクを活用していくことも1つの方法だとしています。再利用について、経済産業省が『布マスクの洗い方』を動画で伝えています。ふだんの衣料用洗剤を使って、洗濯機で洗うのではなく軽く押し洗いをすること。タオルで水けを取り、1日1回洗濯をすることを勧めています。

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取材:佐々木祐輔ディレクター(おはよう日本)、木庭尚文記者(NHK神戸)

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