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2020年4月23日(木)

【更新版】ドラッグストア 従業員に“一時金”

いま一部のドラッグストアで従業員に手当や一時金を支給する動きが出てきています。現在の状況で景気のよい話だなと思いきや、企業にとってはウイルスとの戦いが長期戦になることも見据えた選択のようです。


この記事のポイント
◆“総額6,000万円の感謝金”の裏には従業員の過酷な状況
◆現場の混乱を目の当たりに トップが早めの決断
◆企業側は“従業員をどれだけ大切にしているか”問われている

感染のリスクにクレーム 従業員の過酷な現場

首都圏で196店舗を展開するドラッグストア「トモズ」で今月支払われる一時金の内容は役員を除く正社員に2万円、パート・アルバイトに1万円。支給は総額でおよそ6,000万円です。緊急事態宣言が出たあと、都心の商業施設にある店舗が休業しているほか、営業時間の短縮などもあり、全体の売り上げは前年よりも減っています。それでも従業員への「感謝金」として支給を決めました。
理由はドラッグストアが直面する大変な状況にあります。

トモズでは薬剤師がフェイスシールドをして接客するなど、さまざまな感染対策を進めていますが、リスクをゼロにすることはできません。また店員は接客中に「従業員がマスクをつけていて、なぜ店頭にマスクがないのか」などと心ないクレームを受けることもあります。
こうした状況のなかでも一生懸命働いてくれている従業員に対して、会社から感謝の気持ちを示すことで働くモチベーションを高めてもらいたいと「感謝金」の支給を決めたのです。

支給される従業員はどう思っているのか?現場を預かる店長に聞いたところ、「長く不安を感じながら働いていたけど、会社が現場の大変な状況をわかってくれていると感じた。店舗のスタッフも、今までより一致団結できる気がする」と話していました。

現場の混乱を目の当たりにして実現した早めの対応

さらに今回、いち早く決断して、すでに支給したという経営者もいます。
全国におよそ1,300店舗を展開するスギ薬局の杉浦克典社長です。7つの都府県に緊急事態宣言が出された3日後となる4月10日、社員・パート・アルバイトなどグループの全従業員2万6,000人に「特別手当」を支給しました。

きっかけは杉浦社長が行っている毎月30軒ほどの店舗の視察です。お客さんに紛れて、ふらっと見に行くそうです。2月に開店前からお客さんが押し寄せて、店舗が大変な状況になっている様子を目にした杉浦さんは、創業以来初となる「特別手当」の支給を3月中に決定していたということです。

スギ薬局 杉浦克典社長
「現場の混雑ぶりや、なんとか確保した商品が売り切れてしまうのを見た。頑張っている社員への報い方・支援のあり方として金銭的なところで特別手当は喜んでもらえるだろうと。会社運営として、会社経営として決断すべきと思った。」

専門家:従業員をどれだけ大切にしているのか、企業側が問われている

こうした取り組みについて企業の人材活用に詳しいリクルートワークス研究所の中村天江さんは次のように話しています。

リクルートワークス研究所 中村天江さん
「一時金や手当の支給は早くやった方が従業員の満足度は高い。現在の危機的な状況は、従業員をどれだけ大切にするのか企業に問いかけている。今後、手当ても含めた制度や環境づくりなど、どこまで踏み込んだ対応をとれるか、企業経営者のリーダーシップに注目したい。」

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