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2020年4月24日(金)

スーパーでの“密”状態 高まる危機感

私たちの暮らしを支えるスーパーマーケットが今、限界を迎え始めています。緊急事態宣言の影響で食料品の需要は増加。買い物客が増えたことで、新型コロナウイルス感染への不安が深刻化しています。大型連休を前にどう対応すべきか模索が続いています。

この記事のポイント
◆「小売業界の崩壊が始まっている」 “限界”を迎えつつあるスーパー。
◆東京都は「買い物は3日に1回程度に」と呼びかけ。
◆安全対策強化に乗り出したスーパーも。

“限界”迎えつつあるスーパー

東京・練馬区にあるスーパーでは、1日の平均客数は2割以上多くなり、2,000人を超えることもあるといいます。大型連休は今よりも多くの客が訪れるのではと危機感を強くしています。

スーパー「アキダイ」 秋葉弘道社長
「たくさんものが売れる、これは商売人としては喜ばなきゃいけない。でもそれに対して罪悪感というか、最近はどうしよう、こんなにお客さん来てどうしようって。医療崩壊ならぬ小売業界の崩壊が今はじまっている気がします。危機感は非常にあります。」

この店では売り場のレジを透明なシートで覆うなど対策をしていますが、不特定多数の人と接する店員は高い感染リスクの中で業務を続けています。

店員
「実際問題、不安じゃないかといわれたら不安です。」

SNSにも「スーパーは三密です」「毎日毎日辛いです」といった悲痛な叫びが。生活の砦ともいえるスーパーから“限界”の声が出始めているのです。スーパーは自治体からの休業要請の対象外となっていますが、感染者が出た場合の補償などは示されていません。現時点では各店舗がそれぞれで対応するしかないのが実情です。

スーパー「アキダイ」 秋葉弘道社長
「スーパーで働くのに危険が伴うなんて思って働いていた人は誰もいないと思うんですけど、実際に非常に不安な気持ちで働いていて精神的に不安定になってきている人が増えています。大切なスタッフ、スタッフの家族すべて守ってあげきれるのかどうかをここ数週間ずっと考えていて、正直、寝るときに“怖い”といつも思っています。」

「買い物は3日に1回程度で」

こうした現状に、(2020年)4月23日(木)に臨時の記者会見を開いた東京都の小池知事は。

東京都 小池百合子知事
「毎日のお買い物をですね、ぜひ3日に1回くらいに控えていただきたい。変えていただきたい。食料品など十分な供給はされていることはご存じのとおりでありますので、だからといって急にまた買い出しに行く、買い占めるなどということは、ぜひお避けいただきたいと存じます。」

そのうえで「大規模な商店街の加盟店が一体となって取り組む自主休業や『3密』を回避するための独自の取り組みも支援していく」と述べ、商店街の加盟店が一体で取り組む自主休業に対して「奨励金」を交付する方針を明らかにしました。

店員を守るため 安全対策の強化へ

こうした中、すでに店員の安全対策の強化に舵を切り始めたスーパーも出てきています。

東京・港区にあるスーパーでは、3月末から客の人数制限を始めました。店内に入れるのは最大で20組に限っています。入り口では必ず店員が消毒をした上で入店を指示するなど、入念な感染予防策を行っています。その結果、以前は店内が足の踏み場がないほど混雑することもありましたが、今では空間を十分に保てるようになりました。

さらに、大型連休を見据えて、マスクなどで口元を覆っていない人の入店を断るべきかアンケートを実施。すると、9割近くの人から賛成の声が集まりました。早速、4月18日(土)から実行に移しました。ただ、どうしても用意できない人のために簡易マスクも準備。店員が閉店後に手作りしています。多いときには1日に60枚以上配ることもあったといいます。こうした制限で、客足は前年と比較して3割減少しました。それでも、大型連休に向けてさらに対策を進めていきたいと考えています。

スーパー「ナショナル麻布」 中村智也支配人
「やはり店内で感染者が出てしまうということが一番怖いですね。どこで感染するか、今もこの状況だとわからないので、そういったリスクは対策をどこまでやっても消えないのかなという不安はあります。」

最近は客側から入場制限を店に求める声も増えているそうです。ただ、店員の負担が増したり、行列が近隣住民の迷惑になることなどから、すべての店が一律に行えるわけではないのが実情です。

私たちにできること スーパー利用のポイント

消費者である私たちが大型連休に向けて、スーパーを利用するときのポイントをまとめました。

▼まず店に行くときに徹底してほしいのが「最少人数」で「マスクの着用」。外出自粛が続く中、お出かけ感覚で家族そろってスーパーに行く人もいるそうです。原則1家族1人で行くことや必ずマスクを着用することが大切です。

▼店内では「短時間」で「距離をとる」ことが重要です。事前に買うものを決めておけば、短時間で買い物を済ますことができます。

▼そして「時間帯」と「頻度を減らす」こと。開店から昼過ぎくらいまでは人が多く、夜は少ない傾向があるので、ふだんとは時間をずらす意識を持つことも有効です。小池都知事から「買いものは3日に1回程度に控えるよう」呼びかけがあったように、店に行く回数を最小限にすれば混雑の緩和につながります。

大型連休中も各店舗では十分に商品を確保しているので、必要以上に買いだめはしないでほしいとのことです。
私たちの生活を支えてくれているスーパー。今こそ、ひとりひとりの行動が問われています。

取材:永井宏美ディレクター

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