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2020年5月7日(木)

宅配+オンライン会議“自宅で居酒屋トーク”

都内有数の繁華街がある東京・吉祥寺では、「地元の飲食店」と「宅配でメニューを注文する客」をオンライン会議システムでつなぐ試みが始まりました。目指したのは、行きつけの店のカウンターに座っているかのような自由なコミュニケーションを復活させる新しいサービスです。

<この記事のポイント>
◆飲食店と客がオンラインで会話できるサイトがオープン。
◆料理の宅配サービスに「飲み屋街の雰囲気」をプラスするのが狙い。
◆経営が苦しい飲食店の助けになるか?

店と客をつなぐオンライン飲み会

東京・吉祥寺にあるタイ料理店。店内のカウンターは客が9人入れば一杯になります。店と客、客と客同士の距離が近く、その雰囲気を楽しみたい人が訪れる地元の人気店でした。
しかし緊急事態宣言が出されてからはテイクアウトだけを細々と続けています。売り上げは以前の10分の1になりました。
少しでも売り上げを回復するために何をすればいいのか。取り入れたのが、オンライン会議システムで店と客をつなぐ新しいサービスです。

このサービスは専用のサイトにログインすれば利用できる、いわば仮想のフードコートです。客は自宅のパソコンやスマートフォンを使って好きな店のアイコンがあるテーブルのいすをクリック。すると画面に店と、そのとき同時にログインしている客があらわれ、自由に話をすることができます。もちろん料理の注文もできます。
注文した料理は、飲食店の仕事が無くなったアルバイトをサービスの利用料で雇って宅配しています。吉祥寺駅から2キロ以内にある家が宅配の圏内です。

利用客
「人と会って話をすることが楽しいんだと改めて実感しました。店が再開することを楽しみに、いまはここで楽しもうと思っています。」

タイ料理店店主 三浦剛さん
「我慢するとつらくなるから少しでも緩和できることは何かと考えて始めました。僕自身も救われているし、お客さんも楽しんでもらえている。できれば続けて行きたいです。」

このタイ料理店がサービスを導入してから約3週間。
多い日は25人の客がパソコンやスマートフォンを通して店を訪れ、その3割が料理を注文しているということです。

売り上げを回復できるか?新サービスへの期待

このサービスを企画したのは、吉祥寺在住のイベントプロデューサー、近藤丈二さんです。古い飲み屋街がいまも残る吉祥寺ですが、営業の自粛を余儀なくされ、経営が苦しい店も多いことを耳にしました。
通常の営業が出来ないなか、宅配でも売り上げを増やせる方法はないのか。思いついたのが、オンラインで飲み屋街の雰囲気を出すことでした。

近藤丈二さん
「行きつけの店で待ち合わせもしていないのに乾杯。初めて会った人も乾杯とか言って、その店を楽しんでいく感じにしたかったです。お店の人が困っているなかで、どんなことで僕が役立てるだろうと考え、思いついたのがこの形でした。」

このサービスを利用している飲食店は5月6日現在で4店舗。数を増やすため、近藤さんはパソコンの操作が苦手な店にも積極的に声をかけていて、現在、約20店舗がサービスへの参加を検討しています。

参加を検討しているすし店店主 石丸浩さん
「お客さんとも話せると思います。オンラインでも面と向かって話せれば全然違う。やってみたいと思います。」

近藤丈二さん
「参加する店舗はまだ少ないけど、もう少し人が入ってきて、認知してもらえれば。家の中でどう楽しむかのきっかけになったらいいなと思っています。」

このサービスを利用できる店は、吉祥寺の商店街やその周辺にある飲食店だそうですが、ほかの地域で同様のサービスを始めたいという希望があれば、近藤さんはノウハウを伝えたいと考えているそうです。

取材:大坂英俊ディレクター

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