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2020年6月17日(水)

差別のない社会を願って 抗議デモ続くアメリカから

黒人男性が警察官に首を押さえつけられて死亡した事件を受けて、アメリカでは人種差別への抗議行動が続いています。このことを私たち日本人にも「自分の事として考えてほしい」と、SNSで発信し続ける人がいます。声を上げたのは、日本で肌の色による偏見や差別に苦しんできたという女性です。

“偏見や差別” 日本での悲しい経験

今月(6月)初め、涙ながらに訴える女性の動画が、SNSに投稿されました。

SNSの動画で語るリジーさん
「黒人か、白人か、日本人かというのは関係なくて、あなたはこの状況をどう思いますか。『肌の色で扱いが変わるのはおかしい』と立ち上がる人が、もっと日本にいてくれてもいいんじゃないかなって。」

再生回数が200万回を超えたこの動画。語っているのは、アメリカに暮らすリジーさん(本名:エノバハレ リサさん)、21歳です。日本人の母親と、ナイジェリア人の父親の間に生まれました。高校卒業まで18年間、日本で生活していましたが、当時、心ない言葉を何度も浴びせられたといいます。

リジーさん
「アルバイト先でもお客さんに『黒人の人から物を買いたくない』と言われて、辞めさせられたりとかもしました。自分の肌のせいでそういう悲しい経験がたくさんあったから。もし黒人じゃなかったらこんなことにならなかったのにって、ずっとずっと日本でも思っていました。」

広がる“連帯の輪”を伝えて

現在、ニューヨークの大学に通うリジーさんは、抗議デモの広がりを目の当たりにして、撮影した動画や写真の投稿を始めました。

抗議する黒人女性の言葉に共感した白人の警察官や、群衆を前に「世界を変えよう」と訴える7歳の子どもなど、人種や年齢を問わず、さまざまな人が声を上げている様子を伝えています。

リジーさん
「誰かに任せるわけにはいかないと、1人ずつが動いています。私が日本語で発信することによって、日本人の中でも考えてくれる人が多くなってくれればいいなと思っています。」

この日リジーさんが伝えたのは、街の人たちがデモの参加者に声援を送ったり、医療従事者がボランティアで水を配ったりする様子でした。アメリカでは連帯の輪が、さらに広がっていると感じたのです。

リジーさん
「こんな大勢の人間が、同じ1つの希望に向かって声を上げているというのは、見たこともありません。日本に住んでいて、ひと事に思っていたらだめだし、『私たちも動かなくては』と思ってほしいです。」

“差別”のない社会へ 日本の反響

リジーさんが投稿を始めると、およそ2週間で2,000件を超えるコメントが寄せられました。

投稿を見た人からのコメント
「本当に勇気のあることだと思います。」
「生の声を発信してくれて、動かされる人がたくさんいます!」

コメントを寄せたある大学生は、小学生の頃、肌の色の違いをからかう同級生を止められなかった経験がありました。リジーさんの訴えを聞いて、友人たちに差別の問題を話してみようと考えるようになったといいます。

リジーさんの投稿を見た大学生
「傍観者でいたというのが、いちばんの問題かなと。自分が学んだことを少しでも周りに教えていくことができれば、もしかしたら数人でも変わるかもしれません。」

リジーさんは、一人一人が自分のこととして考え、行動を起こせば、社会を変えることができると信じています。

リジーさん
「1人ずつがその考えを変えていくことが、解決につながるというか、まず自分が変われば絶対周りも変わるから。みんなにも力があることを知ってほしいです。」

人種差別の撲滅を訴えるデモは、日本でも行われています。6月14日に東京で行われたデモの参加者は、数千人にのぼったとみられるということです。リジーさんは今後、日本の若者たちとインターネットで議論する場をつくり、肌の色の違いを含めた、あらゆる差別のない社会をどう築くか話し合っていきたいと考えています。

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