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「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会 中間取りまとめ」に対する意見
 
 平成19年7月20日
 
 
 通信・放送の総合的な法体系に関する研究会(以下、「研究会」といいます。)においては、デジタル化等による情報通信産業構造の変化を踏まえ、技術中立的で世界最先端の情報通信法体系に向けた検討が進められているものと承知していますが、今回の「中間取りまとめ」では、新たな法体系における具体的な規律のあり方がまだ明らかではありません。
 この点を前提として、内容全般に関し、現時点での意見を以下に申し述べます。

1 「中間取りまとめ」においては、電磁的な手段による情報流通に関する法制(情報通信法制)について、従来の放送・通信の法体系の集約を目指す方向が示されていますが、情報政策としての観点からは、情報通信産業の規律体系としての視点に偏することなく、ICTの進歩発達や質のよいコンテンツの流通による恩恵が広く利用者・国民に行きわたるようにすること、国民生活にとって重要な基本情報について個人間の格差が生じないようにすることなど、受け手にとってどのような利益がもたらされるのか、そして、そのためにどのような仕組みが適切なのかという視点に立って十分な議論が行われることが非常に重要であると考えます。
 今後、研究会において、こうした視点からの検討がさらに深められることを期待します。

2 「中間取りまとめ」では、情報通信を「コンテンツ」「プラットフォーム」「伝送インフラ」の3つのレイヤーを基軸として分類し、それぞれについて規律する「レイヤー型法体系」の考え方が示されています。
 そもそも、情報政策全体として見れば、情報内容に対する規律は、憲法で保障された表現の自由との関係において、社会的機能や社会的影響力があることをもって一般的に正当化されるものではなく、仮に認められるとしても極めて例外的に許容されるものだと考えます。
 こうしたことを踏まえ、「中間取りまとめ」で示されている「レイヤー型法体系」の考え方が、コンテンツに対する規制強化につながることのないよう、コンテンツに対する規律は、その根拠について慎重の上にも慎重な検討を行う必要があると考えます。また、規律の対象範囲や内容については、十分な明白性、明確性が確保されなくてはならないと考えます。

3 1に述べた利用者・国民の視点に立った情報政策という観点からは、利潤動機に基づく企業活動のみによっては実現され得ないような、公共的な情報環境の確保・整備という観点も極めて重要だと考えます。NHKは、視聴者全体によって支えられる公共放送として、こうした基本情報の提供に貢献してきたものと考えており、新たな法体系の下でも、そのような存在として位置づけられることが、利用者・国民にとって望ましい情報環境という観点から重要だと考えます。
 公共放送のあり方については、今回の「中間取りまとめ」では触れられていませんが、求められる機能・役割が十全に果たされることを前提として、新たな法体系の下での位置付けをできるだけ早い段階から、全体との整合性を確保しつつ検討することが適当と考えます。
 なお、その具体的なあり方等については、今後、公共放送機関であるNHKの意向も十分聴きながら検討を進められるよう要望します。


 
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