NHK INFORMATION
技術情報

  ◆ハイビジョンニュースをより一層充実させるために
〜 2種類のハイビジョンニュース対応車両を開発、整備 〜

(平成12年4月7日)

○ NHKでは、今年12月1日に開始するBSデジタル放送に向けてさまざまな準備を行っております。このBSデジタル放送で、NHKは毎日総合テレビでお届けしている主要なニュースをデジタルハイビジョンで放送していくことにしています。

○ こうしたニュースのハイビジョン化のためには、取材カメラをハイビジョンカメラにしていくこと、ニューススタジオの設備をハイビジョン設備にしていくなどのほかに、局外でハイビジョン取材したニュース映像を放送センターまで送る設備(伝送設備)をハイビジョン化していく必要もあります。

○ これまでNHKでは、ハイビジョン伝送のために、通信衛星を利用した伝送車やマイクロ波を利用した伝送設備などを開発、運用してきましたが、このたび小型化されたハイビジョン伝送機器を搭載した、報道用小型CS中継車(ニュース対応HV−CSK)と報道用小型FPU中継車(ハイビジョンニュースカー)を開発しました。

○ NHKでは、ことし4月5日から、現在のハイビジョン放送(BS9ch)で、平日(月〜金)午後4時から5分間、「NHKハイビジョンニュース」を開始し(総合テレビと同時放送)、4月8日からは毎週土曜日午前11時から30分間「ハイビジョンNHK週刊ニュース」をお届けします。

○ 今回開発したニュース対応HV−CSKやハイビジョンニュースカーは、こうした番組だけでなく、ニュースの生中継や映像伝送に今後ますます威力を発揮することになると考えますし、BSデジタル放送においても、ハイビジョンによるニュース映像の迫力をご家庭にお届けするために活用していきます。


〜報道用小型CS中継車(ニュース対応HV−CSK)の開発


○ NHKでは、このたび報道用小型CS中継車(ニュース対応HV−CSK)」を開発しました。

○ 今後増加していくハイビジョンニュースでの生中継や映像取材・伝送に対応するため、「ハイビジョン伝送が可能な小型で機動性の高い中継車」というコンセプトで開発を進めてきました。

○ 今回開発した「ニュース対応HV−CSK」の特長は
  ▽ ハイビジョン/525ニュース映像のどちらもCSとFPUで伝送可能
  ▽ カメラ、VTRなどの制作設備も車載
  ▽ 車両の小型化(全長5.6m)
を実現した点です。

○ これまでの「HV−CSK」は、全長が6.8mと大きく、ニュース伝送時、駐車スペースが問題となることがありましたので、小型化し、この問題をクリアしました。

○ また、これまでの「HV−CSK」では通信衛星伝送(CS)とマイクロ波伝送(FPU)の2波を同時に伝送することができませんでしたが、ニュース対応HV−CSKはCSにもFPUにも同時に伝送できるようになるとともに、そこで伝送する信号もハイビジョン/525のどちらにも対応することができます。 例えば、地方局からの中継で、まず全国放送にハイビジョンで参加し、その後ローカル放送で525方式で参加するような場合、非常に効果的に運用できます。

[主な仕様]

形  状
全長5.6m×全幅2.08m×全高3.15m
発動発電機
20kVA(外部照明可能)
制作設備
カメラ1台、VTR2台、5chスイッチャー1台、
アップコンバータ1台、ダウンコンバータ2台
伝送設備
CS(1.5mφパラボラアンテナ、出力450W)
FPU(HV:多値FM方式/525:FM方式、高さ9mポール)
HVコーデック 2台、525コーデック 1台

( 参 考 )
○ 制作設備の特徴
 制作設備はハイビジョンカメラ1台、ハイビジョンVTR1台、525VTR1台、5入力2出力映像音声同時切り替えスイッチャー1台を搭載し、報道現場へ緊急出動した際に必要な機材をシンプルな構成でシステム化しています。取材用のハイビジョンカメラを接続することで2カメ運用も可能です。
 映像信号はSDIで構成し、525信号との変換用にアップコンバータ1台、ダウンコンバータ2台を搭載しています。  
 音声信号はアナログ2ch(ステレオ)の構成で生リポート用にマイク2系統を装備しています。

カメラ
HDC−750
VTR
HDW−250、BVW−50
スイッチャー
5入力2出力映像音声同時切り替え方式
(映像:SDI、音声:アナログ2ch)
映像モニター
BVM−D9H5J(9インチ)5台
信号変換装置
PFV−HD300(アップコン、ダウンコン内蔵)

○ 伝送設備の特徴
 CS伝送とFPU伝送が同時に可能で、CS、FPUともそれぞれハイビジョン/525の選択伝送が可能です。 例えば、ハイビジョン生中継映像をCSで伝送しながら、525VTR伝送をFPUで行うことも可能です。また、ハイビジョンコーデックを2台搭載しているのでCSでハイビジョンカメラ映像、FPUでハイビジョンVTRの伝送を行うことも可能です。

CS
アンテナ
変調方式

出力
連絡系
1.5mφオフセットパラボラアンテナ
ハイビジョン:トレリス符号化8PSK
525:トレリス符号化8PSK/QPSK
450W(300W×2位相合成)、リニアライザ搭載
OW1ch、スカイホン4ch
FPU
アンテナ
変調方式
送信機
45pφパラボラアンテナ、高さ9m油圧ポール
ハイビジョン:多値FM方式、525:FM方式
5W、CD/EFバンド両用
ビデオコーデック
ハイビジョンCS/FPU:MH−2100 2台
525CS:VC−270 1台

ニュース対応HV-CSK外観写真


〜ハイビジョンニュースカーの開発〜

○ NHKでは、街頭で取材したハイビジョン素材を局までFPU(局外伝送装置)で地上伝送するため、現行方式と同様のコンパクトで機動性を確保したハイビジョンニュースカー(ハイビジョンFPU緊急初動車)を開発し、配備しました。

○ このハイビジョンニュースカーは、商用のワンボックス車の内部を改装して、ハイビジョンハンディカメラ、ポータブルVTR、ハイビジョンFPU伝送装置を搭載しています。

○ 取材した素材の伝送だけではなく、緊急時に迅速な生中継を行うことも可能です。ハイビジョンニュースカーから2km離れたところまで、光ケーブルを利用してハイビジョンハンディカメラの映像をつなぐこともできます。

○ また、ハイビジョン信号だけではなく、現行放送方式での取材にも対応できるような設計にしています(ハイビジョン信号を現行方式にダウンコンバートする装置と現行方式の素材を再生する装置を搭載)。

○ さらに、記者、カメラマン、音声・照明担当者、運転手など定員4名の居住性も確保しています。

○ これまでのハイビジョン機器は重量や消費電力が大きく、商用ワンボックス車では、このような機能を搭載することは不可能でした。今回、小型なハイビジョンコーデックを採用したこと、走行用エンジンを利用した発電システムを搭載し、機器用の電源を供給したことにより、コンパクトで低コストな商用ワンボックス車で製作することができました。なお、エンジン騒音の小さいガソリン車を採用して、夜間や住宅地での運用にも配慮しています。

○ 現在、NHKの所有するハイビジョンFPUの受信基地は都内に3カ所ですが、平成12年度にはさらに充実を図り、都内23区をほぼカバーできるようになります。 今後、このハイビジョンニュースカーを活用し、ハイビジョン緊急報道の一層の充実が期待できます。

○ 主な特徴
  ・コンパクトなワンボックス車を採用して、ニュース取材の機動性と
   低コストを実現。
  ・取材テープの伝送とハイビジョンカメラによる生中継に対応。
  ・ハイビジョン受信基地だけでなく、現行方式へ変換して
   すべての受信基地への伝送が可能。
  ・誰でも、素早く、簡単に機器操作できるよう、前方向き操作の
   集中操作パネルやFPU自動方調装置を装備。
  ・機器電源として走行用エンジンを利用した発電機とDCバッテリーを
   搭載。

○ 主な諸元
  ・車両 全長4.79m×全幅1.69m×全高2.62m、乗車定員4名
  ・FPUポール 電動9m、登録8局自動方調、方調カメラ内蔵、
   0.45mφパラボラ
  ・電源 発電システム(AC2.5kVA)、機器バッテリ(100Ah)
  ・HDハンディカメラ(1式)、×18HDレンズ(1式)常載
  ・HDポータブルVCR(1式)、βカムポータブルVCR(1式)常載
  ・HDコーデック(1式)、多値FMアダプタ(1式)、FPU送信機(1式)
   8波対応
  ・連絡設備 VHF無線機(2式)、自動車電話、衛星電話、
   オムニトラックス


ハイビジョンニュースカーの外観写真












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