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◆EM-CCDを用いたハイビジョン超高感度カメラを開発
〜超高感度と高い運用性・低コスト化を両立〜
(平成19年2月9日)


○ NHKは、(株)日立国際電気、日本テキサス・インスツルメンツ(株)と共同で、カメラの撮像素子の一種である2次電子増倍型CCD(EM-CCD= Electron Multiplying Charge Coupled Device※1)のハイビジョン化に成功し、これを用いた超高感度ハイビジョンカメラを開発しました。

○EM-CCDは、撮像素子に入射した光を電気信号(電荷)に変換し、これを読み出し部まで転送するときに電荷の量を増倍することで感度を向上させています。一般的なCCDに比較して、電荷転送部の駆動電圧が高いため、高速駆動を必要とするハイビジョン素子の開発は困難とされてきましたが、今回独自に開発した水平2線読み出し※2などの技術を用いることによりハイビジョン化を実現しました。

○EM-CCDは、従来の超高感度カメラ※3のような真空素子を用いないため、耐久性が高く、低廉化が図れるとともに、ハンディー型など通常のCCDカメラ並みの運用性と昼夜を問わない高画質の撮影が可能です。

○開発したカメラは通常のハイビジョンCCDカメラの約10倍の感度を有します。近赤外線のみのモノクローム撮影も可能となっており、近赤外線を照射することで、夜行性動物に気付かれることなく、その生態を撮影することが可能です。このため科学番組や自然番組の制作、緊急報道など広い範囲での利用が期待できます。

○ 今後、撮像素子や駆動回路の最適化をすすめ、より高感度で高品質なハイビジョンカメラの開発を続けていきます。

○ 今回開発したハイビジョン超高感度カメラは、2月11日から14日まで、NHK渋谷放送センターで開催される「第36回番組技術展」で展示します。
(詳しくはNHKのホームページで紹介しています URL: http://www.nhk.or.jp/digital/

※1 テキサス・インスツルメンツのインパクトロン技術を用いた電子増倍型CCD。電荷の水平転送時に高い電圧で駆動することで、2次電子増倍させ、微弱な光でも 検知することが可能となる
※2 水平転送CCDを通常の1線から2線にすることで、増倍部の駆動周波数を従来の半分に低減した
※3 「新スーパーハープ(2003年11月13日発表)」や「イメージ・インテンシファイヤ(2004年5月25日発表)」など

[表]  諸元
映像出力 HD−SDI 2系統
撮像素子 2/3型FIT100万画素EM-CCD
撮影モード (1)可視光のみ、(2)可視光〜近赤外
感度(可視光) 2000ルクス、F32(電気ゲインアップ+0dB)
最低被写体照度 0.24ルクス、F1.4(電気ゲインアップ+24dB)
寸法 140mm(W)×155mm(H)×240mm(D)
重量 3.6kg
消費電力 約50W(12V、4.2A)



[写真]  開発したハイビジョン超高感度固体カメラ



[図] EM-CCDの信号処理と水平2線読み出しの原理

 
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